〈BD〉『関西オープン』覇者、吉岡正登が語る9ボールブレイク。「ランダムラック」「手打ち」「BK RUSH」etc…

 

1月の『関西オープン』で

優勝を飾った吉岡正登プロ。

 

その吉岡プロのブレイクを収めた

動画を見ながら、

 

「ランダムラック」「手打ち」、

そして、

「ブレイクキュー(BK RUSH)」

というテーマで、プロの9ボール

ブレイク論を聞いてみました。

 

※大会振り返りコメントはこちら

 

…………

 

決勝戦・第8ラックのブレイク動画↓

 

決勝戦・第16ラックのブレイク&ランアウト動画↓

 

――優勝した『関西オープン』。

大会を通じてブレイクショットの

状態は良かったのでしょうか?

 

「良かったと思います。平均点以上で

ずっと推移していた感じでした。

 

ただ、準決勝と決勝戦は2試合連続で

同じテーブルだったんですけど、

 

たぶん他のテーブルとは高さが

ちょっと違っていたみたいで、

始めはブレイクで手球が

前に行ってました。撞点の高さが

合ってなかったんだと思います。

 

そこを途中で修正出来たことが、

準決勝の後半と決勝戦に

生きたかなと思います」

 

――決勝戦で2回、

ブレイクの動画を撮りました。

ご覧になってどう思ったでしょうか?

 

「1本目(第8ラック)の動画は、

1番がサイドポケットの

角(つの)に蹴られて、

フットスポットの方に戻ってますね。

あれで1番が見えたのは

ラッキーという感じでした。

 

2本目(第16ラック)のブレイクは

8-8に追い付くマスワリのですよね。

これはあの日の

ベストブレイクの一つです。

 

1番が他のボールに干渉されずに、

ほぼイメージ通りのラインで

転がってくれました。

 

手球もほぼその場で止まってくれて、

良い形が出来てます。

 

1番がだいぶ厚かったので、2番にどう

出そうかなとは思いましたけど(笑)」

 

――ブレイクの話から少し離れますが、

あの1番は難しそうでしたね

(※動画の30秒頃より)。

ちょっと考えてから逆押しを選んで。

 

「選択肢は3つありました。

 

一つはシンプルに弾かせて1クッション。

でも、それをやるには厚すぎるなと。

 

2つ目はヒネリなしの押し球で

長―短で出すライン。

これなら左のサイドポケットへの

スクラッチはないので、まずこれで

出すつもりで構えてます。ただ、

これも的球にだいぶパワーをかけるので、

危ないなと思って構えを解いてます。

 

最終的に選んだのが逆押し。

的球には優しいですが、

手球は確実にサイドポケットへの

スクラッチラインに乗るので、

スピードコントロール命です。

 

結果的にはほぼイメージ通りの所に

手球を運べました」

 

――今回から導入された

「ランダムラック」については?

 

「試合をやっていてフェアな感じが

ありました。自分も相手も条件は

一緒というか、公平に近いところで

戦えるなと思います。

 

やっている側からするとメンタル的に

ストレスもほぼないですし、

やりやすかったです。

 

技術的には、今まで以上に

1番の動きを意識するようになりました。

 

今までなら

(2番が最後尾固定のラックなら)、

仮に1番がブレイクで入っても、

2番と手球の関係を作れていれば

良かったですけど、

 

ランダムラックの場合は、

2番の置き位置や動きは

計算に入れられないので、

より1番重視の考えになってきます。

 

1番をサイドポケットに入れず、

角にも当てず、

上手く取り出しの形を作ること。

 

皆そこは意識していると思うし、

ブレイクの技術もまた全体的に

上がるんじゃないでしょうか」

 

――吉岡プロの9ボールのブレイクは

身体を動かさず腕だけで打つ、

いわゆる「手打ち」スタイルですが、

これはいつからですか?

 

「2017年の『ハウステンボス

九州オープン』(3位)からです。

 

その時、大井直幸プロがやっていた

打ち方が効果的だったので、

丸々コピーさせてもらいました。

それが良かったんで、それから

ずっと基本はこの打ち方です。

 

でも、大井プロもそうだし、

皆色々とテーブルコンディションや

ルールに合わせて打ち方を

変えているなと思います。

 

僕も海外に行ったり、

海外の試合動画を見たりしていますが、

海外トップ達も身体を使ってボカン!

と強く打つこともあれば、

 

相当弱い手打ちで、

3ポイントルールギリギリみたいな

力加減で割ってることもあるし……。

 

『ルールに則ったいたちごっこ』

という側面はあると思います」

 

――それだけ、ブレイクは

ビリヤードにおいて

重要だということですね。

 

「はい、特にプロの試合は、

7割ぐらいはブレイクで

決まると思います。

 

ブレイクに自信がないと

ノッていけないし、

プレーにも悪い影響が出ますね」

 

――吉岡プロのブレイクの

基本の打ち方とは?

 

「僕はラックに向かって左側から

打つことがほとんどです。

 

1番への厚みは真っ直ぐで、

撞点は左ヒネリを少し入れています。

 

手球はノークッションでその辺りに

止まってくれれば良いです。

そんなに引けて来なくて構いません。

 

1番は長→短と2クッション入って

止まるのが理想ですが、

ヒネリを入れてないと

1番に回転が乗らなくて、

短クッションの真ん中辺りで

止まってしまうことがあります」

 

――ブレイクキューはプレデターの

『BK RUSH』を使って1年以上

経ちましたが、もう慣れましたか?

 

「もう完全に慣れました。

前にも言ったと思いますが、

すごくパワーがあって、

的球の散り方が良くて、

手球のコントロールもやりやすい。

 

9ボールだけでなく、10ボールの

ブレイクにも良いですね。

 

おかげさまでBK RUSHになってから、

ブレイクでこれといってストレスを

感じることもなく、自然に打てています」

 

――試合を見ていても、

手打ちでも思った以上に

よく割れているなと感じます。

 

「それは間違いないです。

 

9ボールも10ボールも

今僕は抑え気味に打っていますが、

よくラックは割れてくれます。

 

ゴルフのドラコンのような、

パワー自慢のブレイクコンテンスト

とかがあればまた別でしょうけど、

 

今のゲーム性では、

これ以上パワーを上げて打つ必要性や

メリットは感じていないです。

 

BK RUSHは手球のコントロールを

やりやすいキューですが、

それでもパワーを上げれば上げるだけ、

手球のコントロール性は

どうしても下がってしまう。

 

それに、すごいハードブレイクが

決まったとしても、一時期の

F・ブスタマンテみたいに、

ボールが全部こっち側

(撞き手側のテーブル半面に)に

集まってきちゃって、

配置が簡単になってないとか(笑)」

 

――むしろ手球のスクラッチや

場外のリスクが高くなる一方ですね。

 

「はい、正直、今のルールでは

そこまでのハードブレイクをして

良いことはあまりないなと思います。

 

適度な力加減で割っている方が、

的球がテーブル全体に綺麗に

散りやすいし、再現性も高い。

 

そして、そういうブレイクがとにかく

やりやすいのがBK RUSHです。

 

現代のブレイクショットの傾向を

考えると、かなり完璧に近い

ブレイクキューだなと思います」

 

(了)

 

 

Masato Yoshioka

1985年10月2日生

JPBA43期生(2009年プロ入り)

京都府出身・大阪府在住

2012年『8ボールオープン』優勝

2014年『全日本14-1』優勝

2018年『関西オープン』優勝

他、上位入賞多数

使用キューはPREDATOR

使用グローブはOWL

ビリヤードレッスン場『Poche』(ポッシュ。大阪)代表

スポンサー:日勝亭、ブランズウィック

JPAプロスタッフ 

 

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