〈BD〉カーボンのREVOシャフトは実際のところどうなんですか?――塙圭介プロに聞いてみた

Keisuke Hanawa
Keisuke Hanawa

 

1990年代の半ばに

『314』(サンイチヨン)シャフトを製作販売し、

 

「ハイテクシャフト」の先駆け的存在となった

アメリカのキューメーカー

『PREDATOR』(プレデター)。

 

昨年には、カーボン繊維複合材を用いた

黒いシャフト、『REVO』をデビューさせ、

大きな話題となりました

(※まだシャフト単体での販売はありません)。

 

2004年に契約プロプレイヤーとなってから

プレデター一筋の塙圭介プロ(JPBA)は、

国内でREVOをいち早く実戦投入していた選手です。

 

「実際のところ、どんな性質・性能のシャフトで、

木のシャフトとは何が違うんですか?」

 

と、単刀直入に聞いてみました。

 

※プレデタージャパンのFacebookページはこちら

 

※取材協力:ショールーム MECCA

※ロケーション:MECCA Yokohama

 

…………

 

 

塙圭介使用モデル「P3CW REVO」

シャフト:REVOカーボンファイバーシャフト

バット:メープル&アッシュ30分割構造

グリップ:ノーラップ

ジョイント:ユニロック

※塙プロはプレデター純正エクステンション

『QRXT2』を装備して撞いている

 

…………

 

聞き手:BD

語り手:塙圭介プロ

 

――塙プロはいつからこの

『P3(REVOシャフト)』を使っていますか?

 

「昨年の『関東オープン』(2016年7月)の

少し前からです。

 

すぐ『使える!』と思ったので、

関東オープンはこれで出ました。

 

エクステンションも付けっぱなしにして。

 

話が逸れますけど、

日本でエクステンションを付けっぱなしで

撞くようになったの、

僕は相当早かったと思います。

 

後ろバランスが好きなので、

『なんで今までこれをやってなかったんだろう』

って後悔したぐらい(笑)」

 

――REVOシャフトの第一印象は?

 

「すごくパワーがある。

これは木の限界を超えたパワーでしょう。

 

さらに、カーボン繊維複合材でできていて、

しなりが常に一定のため、

 

気象条件(湿気のあるなしや温度の高低)や

テーブルコンディション(重い・軽い)に

左右されにくく、

ショットに安定性が出ます」

 

――トビ(ヒネった時の見越し、横ズレ)や

キレ(スピンの効き)は?

 

「トビはほとんどないと言って良いでしょう。

キレも素晴らしいです。

 

その辺りは撞く前から想像していた通りで、

『当然、こうだよね』と

納得できる範囲のものでした」

 

――もともと、「カーボンのシャフト」と聞いて

どんなイメージを持っていましたか?

 

「あまり良いイメージはなかったです。

 

木じゃない素材のシャフトは

以前にも他社から出ていましたが、

そんなに良いものではなかった印象が

残ってましたし、難しいだろうなと。

 

実際にREVOを目にしても、

この通り黒くて明らかに木ではないし、

どうなんだろうって半信半疑でした。

 

でも、撞いてみたら、

今までに感じたことのないような

パワーがあったから、

『これはすごい!』って驚いてしまって」

 

――音を聞くと硬いシャフトなのかな? と。

 

「いや、撞いた音は硬く感じるんですけど、

特別硬いということないです」

 

――打感は?

 

「パワーとしなりの安定性があるので、

球に負けるような感じが全くなくて気持ち良いです。

 

ただ、木のシャフトをずっと使っていて、

木のナチュラルな振動が欲しいという人だと、

フィーリングが合いにくいかもしれません」

 

――ちなみに、プレデターの

数あるハイテクシャフトの中で、

塙プロの”基準”になっているものとは?

 

「それは初代の『314』です。

 

一番あれで撞き込んでましたから、

あの感覚に慣れてますね」

 

――では、初代314とREVOを比較すると?

 

「パワーがまるで違います。

 

仮に昨日まで初代314を使っていて、

今日からREVOになったとしたら、

持て余すぐらいのパワーだと思います。

 

単純なキレはどちらも申し分ないと思います」

 

――「パワーがある」というのは、

軽い力でも前に出ていく性質が強いということ?

 

「そうです。

『手球の推進力が高い』と言えば良いでしょうか。

 

そうすると、

的球のスピードも速くなりやすいです。

 

僕はもうだいぶ慣れてきましたが、

ボールの動きを見て

『こんなに!?』と思うことは今でもあります」

 

――ということは、楽に撞ける球が多い?

 

「はい、そうなります。

パワーをかけたい球や

切りたい(スピンをかけたい)球が

非常に楽になりました。

 

単純な押し・引きはもちろんですが、

例えば、こんな球もそうです。↓」

 

・厚い球から弾かせる出し

 

・引きバタ2クッション

 

――実演ありがとうございました。反対に、

加減をセーブする必要がある球もありますか?

 

「あります。

 

木のシャフトの時の感覚で撞くと、

思ったよりはるかにパワーやスピンが

かかってしまうことが多々あります。

 

押し引きもすぐかかるので、例えば、

横に膨らませてから押したりするような球は

かえって難しいですね」

 

――テーパーや径はどうですか?

 

「僕の感覚で言うと、ちょっと太めかな。

 

なので、細いシャフトが好きな人は

一度触れてみた方が良いと思います」

 

――特別なメンテナンスはいらない?

 

「はい。僕は特に何もしてないです。

 

木じゃないので、痩せてくることはないし、

摩耗したり傷んだりもしにくいはず。

 

……となると、この先、

買い替え需要が生まれないんじゃないかと

一瞬思ったんですが、

 

プレデターがこれで商品開発を

ストップしてしまうとは考えにくいので、

 

近い将来、これのバージョンアップ版なのか、

また別の何かが出てくるんじゃないでしょうか」

 

――プレデターはそう思わせてくれますよね。

 

「ですよね。

 

そして、これから先、

 

ビギナー期からこういうシャフトを使う人が

当たり前にいる状況になったとしたら、

 

すごいプレイヤーが

どんどん生まれてくるんじゃないですか。

 

僕のような『木からの移行組』とは

違う才能が育つ可能性があると思います」

 

(了)

 

…………

 

近日、「塙プロとプレデターの13年」

というテーマで、

もう1本インタビューを掲載します。

お楽しみに。

 

…………

 

Keisuke Hanawa

1978年2月2日生

千葉県出身・埼玉県在住

JPBA38期生(2004年)

BAGUSインストラクター

PREDAOR P3キュー(REVOシャフト)使用

MECCA契約プロ

2012年『関東オープン』優勝

『Grand Prix East』優勝2回

他、入賞多数

 

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世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

  

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末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 

  

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