〈BD〉「脳がフル回転してたのを感じました」――関東オープン優勝・小川徳郎の談話

 

16日の『関東オープン』で、

大会初優勝を飾った小川徳郎の

談話をお届けします。

大会翌日に取材しました。

 

…………

 

――優勝の瞬間、喜びを噛みしめているような顔にも見えました。

 

小川:高ぶるものがありましたし、だいぶ涙腺に来てましたけど、清司さん(鈴木清司プロ)が爽やかにスッと握手をしてくれたので助かりました(笑)。真面目に泣きそうでした。

 

――胸に来るものがあったのですね。

 

小川:周りからずっと「勝ってね」と応援してもらってましたけど、なかなか勝てるものじゃないし、「このままやってていいのかな」という不安もありました。それと、昨年キューを変えましたけど(現在はPREDATORを使用)、「合ってないんじゃない?」なんて言われたりもしてたので(苦笑)。

 

――2日間のプレーの内容面はどうでしたか?

 

小川:どうでしょう、特別よく入れてた訳でもないですし、いつも通りと言えばいつも通りかな。ブレイクも全然当たってなかったし……結構自分の中では頑張ってフルブレイクしてたんですけど、「ドーン!」という感じではなくて、結果的にコントロールブレイクみたいな当たりになってましたね。「これ、『手打ちブレイクだ』ってバカにされるやつだな」と思いながら。ブレイクに関しては全然納得してないです。

 

――では、ご自身では何が勝因だと?

 

小川:今回は割と冷静だったと思います。組み立てとかプッシュアウトやセーフティのやり取りでも判断ミスはそんなになかったと思いますし、頭は回っていたかなと。普通に入れに行く時も細心の注意を払ってシュートしてました。それと、カットとか空クッションとか変な球を結構入れてたなと思います。

 

――ちなみに、プレーキューはもう良い感じに馴染んでいますか?(※現在はBLAKシリーズのバットにREVO 12.4の1インチロングシャフトを装着)

 

小川:馴染んでますね。プレッシャーがかかってくるちょっと加減が強くなりがちで、思ったよりカーボンのパワーが出ちゃう時がありますけど、それ以外のところはだいぶ慣れました。

 

――決勝戦は、相手に撞かせない理想的なスタートダッシュで4-0に。

 

小川:自分でもびっくりです。ブレイクするたびに「なんか形になってる」って心の中でつぶやいてました。興奮してましたけど、ちゃんとそれを我慢してというか、高ぶりを抑えながら冷静に撞けてたと思います。それでも自分の腕の振りは「硬いな」と思いましたけどね。

 

――中盤、相手が3点連取で2点差に迫って来た時(小川6-4鈴木)も慌てることはなく?

 

小川:そんなに慌てることはなかったですけど、清司さんのブレイクがかなり良かったので、「ちょっとこのブレイクはきついな。一気にピュッとやられるかも」と、ブレイクのたびに少しビクッとしてました。

 

――しかし、第11ラック、2番をスーパー空クッションで入れて取り切ってリーチをかけました(7-4)。あれはすごかったですね。

 

小川:いや~、すごかったですね(笑)。結構「入りそう」って思いながら撞いたんですけど、あの時も冷静で、「入らなくてもこう当たったら手球と的球はこう転がって渋くなりそうだな」ということも考えてました。

 

――少し巻き戻すと、7ラック目の6番空クッションも見事でした。

 

小川:ありがとうございます。その後の7番の“への字”の力加減も「これ、完璧やなぁ」と思ってました(笑)。あの決勝戦、結構ハイライトショットがある気がします。

 

――上がりのラック(第12ラック)は、5番を巡る攻防で鈴木プロがジャンプファウル。そこから取り切りました(8-4)。緊張感は?

 

小川:まず、ファウルで回って来るとは思ってなかったですし、配置が出来てて、全部球なりで取れる形だったので、緊張というより「これは外しちゃいけないな」という感じでした。嬉しさを押し殺して撞いてたというか。

 

――ベスト8(vs 土方隼斗)も大会のキーポイントだったかと思います。逆転勝利を収めたあの試合、どんな心理状態だったのでしょうか。

 

小川:あの試合はだいぶキーポイントでしたね。序盤は気持ちがほわ~んとしてて、せっかくのチャンスを自分のミスで潰したりしてたんで、「何やってんだよ」とふてくされそうになってました。途中でタイムアウトを取った時に、「諦めずに撞く」ことや「土方プロは強い」ということを再認識して、チャレンジャー精神を呼び起こして戦った感じです。

 

――今大会で見えた課題や反省点は?

 

小川:技術的な課題を挙げるなら、引きの加減とタッチがあんまり合わない感じがあったので、引く代わりに切り返しとかの回す出しを多用してました。ちょっとヒネリすぎだったかなとは思いますし、それでミスした場面もありました。決勝戦の第5ラックの3番がそうですね。なので、もう少し引き加減の練習はしておきます。メンタル的にはそんなに反省点はなかったかな。ちゃんと球に向き合えていて、脳がフル回転してたのを感じました。

 

――会場の『ロサ』の青いラシャが張られたテーブルは、ノーマル台よりも競技仕様に設定されていました。

 

小川:ポケットは程よい渋さで残る球は残るし、何でも入っちゃう感じではなかったです。その方が納得感がありますし、良い緊張を保ちながら撞けたと思います。

 

――前回の優勝は2019年10月の『東北プロフェッショナルオープン』。そこからの約3年半はどんな時間でしたか?

 

小川:コロナ禍はだいぶモチベーションが下がってましたね。2019年に2回優勝して(※さらに『ジャパンオープン』で準優勝)、「2020年、これからだぞ」って時に試合がなくなってしまって「なんじゃこりゃ」と(苦笑)。練習時間も思いっきり減りました。

 

――公式戦の多くが再開された去年(2022年)からまたスイッチが入った感じですか? キューを変えたのもその表れでしょうか。

 

小川:はい、2022年からだいぶモチベーションは戻って来ました。キューに関しては、「今海外トップ達が使ってるのはどこのキューだ? 選ばれる理由は何だろう」という興味本位から始まってます。

 

――最後に応援してくれている方に向けてメッセージを。

 

小川:めっちゃ久しぶりにLINEが入りまくって嬉しかったです(笑)。そして、去年からTwitterでちょこちょこ発信するようになったんですけど、優勝報告にたくさんの「いいね」が付いたことも嬉しかったです。久々に主役になれたというか、「一等賞って気持ち良いな」って改めて実感しました。それもこれも日頃から支えてくださるスポンサー様やファンの方々のおかげです。本当にありがとうございました。また皆さんに喜んでいただけるような報告をしたいと思います。

 

(了)

 

…………

 

1990年3月19日生、神奈川県出身

JPBA52期生

国士舘大学卒業

現在は株式会社HAPPYで勤務

アマ時代に

『第55期~57期名人戦・名人位』他、

数々の全国タイトルを獲得。

プロ入り後は、

2019年『全日本ローテーション』優勝

2019年『ジャパンオープン』準優勝

2019年『東北プロフェッショナルオープン』優勝

2023年『関東オープン』優勝

他、入賞多数。

使用キューはPREDATOR

ナビケータージャパン契約プロ

 

 

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