〈BD〉「ここまでやるべきことをやりながら勝ち進めたのは初めて」――『全日本女子プロツアー第2戦』優勝・平口結貴の談話

 

31日~1日(土―日)に行われた

全日本女子プロツアー第2戦 in 横浜 POOL LABO』。

 

優勝を飾った平口結貴の談話です。

試合当夜に取材しました。

 

平口はまもなく渡米。

WPBA『ソアリングイーグルマスターズ』に

参戦します(※そちらの情報は別記事で)。

 

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――約1年半ぶりの国内公式戦優勝です。

 

平口:去年(2024年)は海外中心で活動していたので(※『ジャパンオープン』と『全日本選手権』のみ参加)、「あぁ、久しぶりに勝てて良かったなぁ」と思いました。そして、2日目(決勝日)は失点が少なかったですし(※4試合して得点28/失点6)、やるべきことをやれた実感もあります。

 

――大会初日は?

 

平口:正直初日はそんなに良くなかったですね、特に1試合目は。もう結構長く自分のプレーについては悩んでるんですけど、そのまま試合に入っちゃった感覚で(苦笑)。案の定自分のペースを掴めず、だいぶ難しかったです。

 

――どうやって立ち直ったんですか?

 

平口:コーチの川端聡プロや、体幹トレーニングのトレーナーさんには前から色々と相談をしているんですけど、お二人からいただいたアドバイスのおかげだと思います。特に今回はトレーナーさんが話してくださった言葉の中に「あっ、そうすればいいのか」というきっかけになった言葉がありまして、それを意識したら自分のリズムとスタイルを取り戻せました。その後の2試合はヒルヒルになったし、すごく良い内容だったとは言えないんですけど、ずっとプラス思考でいられたので最後まで踏ん張れたと思います。今までだったらヒルヒルになったらネガティブな考えにとらわれて、頑張りきれなくて負けてたかもしれません。

 

――そして、決勝日はさらに良くなっていった。

 

平口:もちろん初日の内容にも良くないところがあったので、寝る前にそこをどう改善していくかを考えてました。そして、決勝日は早く起きて朝練をして、状態を整えてから試合に臨めたのが良かったのかなと思います。試合が始まってみると、やっぱり「外しちゃいそう」「ヒルヒルになったらどうしよう」っていう心配の種や邪念が浮かびそうになるんですけど、今回はそういう弱い自分はシャットアウトできました。リズム的にも決して投げやりな感じの速さではなく、細かいところまで考えながらスピーディーにプレーできていたと思います。

 

――たしかに見ていて迷いのなさを感じました。それが良いリズムを生んでいて。

 

平口:そう感じてもらえていたなら嬉しいです。最近は急に身体が固まったり、思考が停止してしまうこともありました。そういう時って「自分の中の別の自分」に撞くのを任せているような感覚があるんです。ミスしても「自分」じゃなくて「身体」のせいにしちゃうというか。自分のことなのに(苦笑)。でも、今回はちゃんと自分の身体を自分の頭で動かせている感覚がありました。その球が求めている動きを自分の頭で理解して、自分の身体で実行出来ていたと思います。

 

――湿度の高い1日でした。テーブルコンディションも難しかったのでは?

 

平口:途中からクッションが跳ねるような感じがあって、出しのコントロールはちょっと難しかったです。でも、それも瞬時に感じながらショットの判断ができていたと思います。そこも含めて、今回は全体的に行き当たりばったりではなくて、優勝というところを見据えて道筋をイメージしながら、段階を踏んで突き進んで行けたと感じています。

 

――そんな勝ち方が出来たということも嬉しかったのではないですか?

 

平口:そうですね。ここまでやるべきことをやりながら勝ち進んで行けたのは初めての経験かもしれません。そして、たぶん決勝戦(vs 栗林美幸)で相手のスコアを1点に抑えられたのも今回が初めてだと思います。今まではリーチをかけてから上がりそこねてしまったり、リードしてるのに不安にかられてやらかすというのが多いパターン。でも今回は、もちろんラッキーもあったんですけど、そんな時相手に対して「申し訳ないな」と思う気持ちも抑えつけながら自分のプレーに徹することができました。それで1年半ぶりに優勝できたことに安心している部分もありますけど、もっと成長しないといけないなという気持ちもあります。

 

――これからすぐ渡米してWPBAの大会がありますね(『ソアリングイーグルマスターズ』。6月5日~8日。ミシガン州)。

 

平口:試合ごとに気持ちを切り替えるのが苦手ではありますけど、今回のこの良い感覚を過信しすぎずに、短い時間ですけど頭の中でまた一つひとつ見直しながら準備をしていきたいと思います。『ソアリングイーグルマスターズ』は一昨年と昨年も行ってますけど、なかなか良い成績を出せてないので今度こそ上に行きたいです。

 

――最後に応援してくれている人達へ一言。

 

平口:いつも応援してくれている皆さん、スポンサーの皆様、北海道のみんな、お母さん、ありがとうございます。皆さんのサポートのおかげで久しぶりに国内公式戦で優勝することができて私もとても嬉しいです。これからも国内外で試合が続きますが、この優勝に満足せずに上を目指して挑み続けていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。あ、あと一つだけ。私のレッスン生の中で一番歴の長いなっちゃん(井手菜摘選手)が先週の『全関東アマ』で初優勝したことは私もすごく嬉しかったですし、パワーをもらいました。1週間後になっちゃんが見ている前で私も優勝できてよかったです(笑)。

 

(了)

 

Yuki Hiraguchi

JPBA50期生(2016年プロ入り)

1997年7月11日生

北海道出身・東京都在住

 

主な戦績: 

アマ時代:

2013年『全日本ジュニア』

(JOCジュニアオリンピックカップ)優勝

2013年『世界ジュニア』(南アフリカ開催)準優勝

2015年『アマナイン』優勝

2015年『アジア選手権』ジュニア女子の部3位

2016年『第8女流球聖戦』球聖位

 

プロ入り(2016年7月)以降:

2016年・2020年『関東レディースオープン』優勝(2016年は最年少優勝記録)

2017年『ジャパンオープン』優勝(女子の部最年少記録)

2018年『東海グランプリ』優勝

2019年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝

2019年 中国『CBSAツアー 泰順戦』3位、同『北京 密雲戦』3位

2022年『大阪クイーンズオープン』優勝

2022年『ワールドゲームズ2022 バーミングハム』プール女子9ボール銅メダル

2023年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝

2023年『全日本選手権』優勝

2025年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝

 

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◇ 2025 JPBA女子プロ公式戦

 

1月『関西オープン』 ソソア(韓国)/河原千尋

3月『全日本女子プロツアー第1戦 in 千葉 BEEP』 河原千尋/平口結貴

4月『関東レディースオープン』 河原千尋/奥田玲生

今回→ 5月『全日本女子プロツアー第2戦 in 横浜POOL LABO』 平口結貴/栗林美幸

 

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