イギリス・テルフォードで開催中の
いよいよ大会も大詰め。
日本時間今日11日夜に
最終日(Day6)を迎えます。
新UKチャンピオンは誰なのか。注目です。
さて、前哨戦の
『スコティッシュオープン』に続き、
本大会に参加していた
日本人WNT.プロ、吉岡正登プロより、
テルフォード滞在の様子を教えていただきました。
ーーーーーー
吉岡正登・記:
こんにちは。イギリス・テルフォード滞在中の吉岡です。自分の試合は終わりましたので、現地レポートをお届けします。
◇ Day0 今年は急遽飛行機で移動
大会前日(5月5日)、去年と同じく『スコティッシュオープン』開催地のグラスゴーから、『UKオープン』が開催されるテルフォードまで移動しました。今年も電車で行く予定でしたが、いくら調べても移動時間の短い電車が見付かりません。工事なのか何なのか、日によって連絡していない路線があるようで、それがちょうど僕らの移動日に当たっていた模様。
さすがに電車で8時間の移動は厳しいので(※昨年は5時間)、急遽空路に変更しました。グラスゴー空港からバーミンガム空港まで飛んで、そこからテルフォードまで電車です。所要時間は飛行機1時間、電車1時間ほど。ちなみに朝イチのそのフライトは、乗客の半分がプールプレイヤーじゃないかと思うほどにみんな飛行機移動でした(笑)。
ーーーーーー
◇ 宿は安定のエアビー。食事は安定の大井シェフ
テルフォードでも引き続き大井直幸プロ、ジュリアン・セラディラプロと3人でエアビー(Airbnb。民泊の部屋)宿泊です。宿はテルフォード駅からウーバー(個人タクシー)で10分ほどの住宅街の一角にありました。
今回の宿は2階建の1軒家。1階にキッチン、ダイニング、リビングルームが独立してあり、書斎のような部屋にサンルーム、庭まであります。2階にはバスルームの他に寝室が3部屋あるので結構大きなお家です。
テルフォードは山あいにある街なので、グラスゴーともまた違ったのどかさがあります。毎朝小鳥のさえずりで目が覚めるという、日本の都会ではまず味わえない生活です。この宿から会場までは徒歩で30分、車で5分。会場までは基本的に徒歩で行き、帰りはスーパーで買い物をしてウーバーで帰っていました。
テルフォードに着いた日は本場のバーでフィッシュ&チップスを食べましたが、それ以降はグラスゴーと同じくエアビーで自炊が基本。大井シェフが美味しい料理をたくさん作ってくださいました。物価もグラスゴーと同じぐらいで、外食は高いですがスーパーはまだ比較的マシに感じられました。
ーーーーーー
◇ 会場は昨年と同じ
会場は去年と同じく『テルフォード国際センター』。テーブルはダイヤモンドで、いつものマッチルーム(WNT.)メジャー大会と同じようなコンディションでした。ダイヤモンドらしいクッションの跳ね方、4インチのポケット幅、新ラシャの転びなど、やはり毎回難しいと感じさせられるコンディションです。僕らが前日練習をしたテーブルには手球がなく、11番ボールを手球代わりに撞きました(笑)。
大きな会場に暗めな照明、そしてメロウなBGMが流れていてマッチルーム(WNT.)のメジャー会場は「特別なステージ感」が演出されており、本当にテンションが上がります。この場所で優勝できたらさぞ気持ち良いことでしょう。
広々とした会場ロビーには昨年と同じく公式マーチャンダイズのブースやカフェ・軽食のブースがありました。
ーーーーーー
◇ 自分の試合について
ダブルイリミネーション初戦はギリシャの選手に勝利。しかし、最後まで硬さの取れないプレーでした。
そして、勝者2回戦の相手は右利きに戻したJ・モラ選手(カナダ)……かと思いきや、『全日本選手権』参加歴があり、日本にも馴染みのあるガイアナ代表のR・ゴクール選手。ここはしっかり勝って勝者最終に残りたい。その気持ちが強すぎたのか、やはりまだ消極的なプレーが目立っていたように思います。後半少しリードできたのに上がれるチャンスを2回フイにしてしまい負け。かなり引きずる敗戦で、次の敗者側の試合までなかなか上手く切り替えることができませんでした。
その敗者2回戦では、少しずつコンディションに対応出来てきてスペインのP・ラガール選手に勝利。
続く敗者3回戦は地元イギリスのE・サンダーソン選手。スピーディーなプレーをするサンダーソン選手となかなか良い戦いが出来て、5-7で先にリーチをかけられてからワンチャンスが来て、取り切り&2連マス上がりとプレーの質を徐々に上げていけました。
そして、勝てば決勝ベスト64の賞金圏内となる敗者最終戦。相手はベトナムNo.1のズオンクォックホアン選手。初対戦でしたが、終始流れはこちら。4-2リードから取り切れる配置でミスしてしまい、そのまま逆転されたところは悔いが残ります。終盤も相手のブレイクスクラッチなどでチャンスは来ていたのですが、なかなかプレーがハマり切らずに6-9で負け。
振り返ると、敗者3回戦の後に3台あるプラクティステーブルで練習しすぎたのが悪かったのかなと思います。試合前日から毎日多くの人たちに使われていたプラクティステーブルのコンディションは、4日経過した頃には試合テーブルとは丸っきり別モノでした。分かってはいたのですが、少しでもキューを握っていようと練習しすぎました。
それでもやっと全体の球の動きが把握出来るようになってきていたので、ここでの敗戦はダブルイリミネーションラウンド通過の掛かったゲームというのも相まって余計に悔しかったです。
現状、日本でマッチルーム(WNT.)メジャー大会のテーブルと同じようなコンディションを作るのは本当に難しいと感じます。チャイニーズ8テーブルとまでは言いませんが、それに近しい感覚があり、日本の「普通」のコンディションとは比べ物になりません。単純に攻守の判断も変わりますし、セーフティに求められる質も変わります。加えて9オンフットのブレイクボックスなのでゲーム性も変わってきます。
もちろんマッチルーム(WNT.)の大会とWPAの大会とではコンディションは違いますが、現状の9ボールのワールドスタンダードはマッチルーム(WNT.)なので、少しでも日頃の練習環境のコンディションを近付けていきたいと思いますし、そこは日本のプレーヤーのレベルアップのためにも必然だと感じます。
と言うのも、ヨーロッパの20歳前後の若いプレーヤーはすでにこの舞台でトップと渡り合っているからです。プレーの雰囲気を見ていてもかなり頼もしいです。やはりそういう可能性を秘めた選手を輩出している国(オランダやドイツ、ポーランドなど)は羨ましく感じますね。日本も世界と戦える選手を本気で育成していかなければなりません。
また、今大会中に「全てのマッチルーム(WNT.)系大会をWPA公認とし、今まで出場停止を受けていた選手も処分を解かれる」というニュースがありました。
これにより選手は自由に大会参加を選べるようになりましたが、ほとんど全てのトップ選手が以前マッチルーム(WNT.)系大会への参加を表明し、何かしらの制裁を受けていたので、一旦WPAのランキングポイント自体を無くしているはずです。ここからまたWPAの大会に参加することを選ぶ選手が出てくるのか。マッチルーム(WNT.)系の大会だけでも現在かなりの数が開催されていますので、各選手の動向は気になる所です。
ーーーーーー
◇ クロアチア在住の坂本選手
今回僕と大井プロの他にもう1人、日本人選手が参加していました。クロアチア在住の坂本晃彦選手です。坂本さんはクロアチアへお仕事で移住してもう15年ほどだとのこと。日本にいた頃はほとんどプレーされていなかったそうで、クロアチアで腕を磨かれたようです。
しかし、クロアチアのプール(ポケットビリヤード)の練習環境はなかなか厳しいそうで、普段行っているテーブル1台のお店も最近テーブルが撤去されたそう。クロアチア代表クラスの選手たちは自分の家などにテーブルを設置して練習しているとのことでした。
坂本さんはとてもビリヤード愛(プレーヤー志向)の強い方で、このマッチルーム(WNT.)のメジャー大会を肌で感じてかなり興奮されていました。そして、「コンディションが把握できたので、これをイメージして練習に励んでまた参加したい」と話されていました。今回は一般エントリーで参加できたとのこと。マッチルーム/WPA問題も解決したところなので、日本にいるプレーヤーもたくさんWNT.に挑戦して欲しいです。
(了)
ーーーーーー
※吉岡プロのSNSでも現地情報が発信されています。
※吉岡プロが運営するビリヤードレッスン ポッシュ(大阪)
※吉岡プロの海外遠征裏側シリーズはこちら
ーーーーーー
◇ 2025 UKオープン関連記事
5月11日 四強決定! Day5
5月10日 大井、9位タイで終了。Day5
5月10日 大井、ベスト16へ! Day4
5月9日 大井、決勝トーナメント進出! Day3
5月8日 大井、勝者最終へ。吉岡・セラディラ敗者側へ。Day1
1月14日 UKオープン、5月開催決定
ーーーーーー
BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
国内外著名ブランドのビリヤード用品販売中。Billiard Square
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ
ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン
2022年9月『池袋西口店』リニューアルオープン。 BAGUS
「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL
徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP
世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds
全てのビリヤードプレーヤーに良い革を。NAOLLY
13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP
カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト
第6巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ』
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ