〈BD〉「すごくいい感じで集中できていた」――『GPW-1』優勝・神箸渓心の談話

 

15日(日)、

愛知『ダマデノッチェ』で行われた

グランプリウエスト第1戦』(GPW-1)で、

 

GPW史上初()となる

アマチュア優勝を成し遂げた

神箸渓心(かみはし けいしん)選手。

 

試合数日後の談話をお届けします。

 

ビリヲカによるとGPWの前身である

西日本男子プロツアー時代の

2001年第4戦・大坪和史アマ優勝まで

さかのぼるとのこと。

 

…………

 

元JPBA・現JPBFの神箸久貴プロを

父に持つ渓心選手は現在21歳。

 

BDで以前から紹介していますが、

渓心選手の主戦場はスヌーカー。

 

日本人初のスヌーカープロ(128名)入りを

目指して、すでに約4年間、

本場・イギリスでスヌーカー修行を

しています(※約1年前の記事はこちら

 

今回は休暇で帰国している期間を利用して、

GPW参戦、そして初優勝。

 

異国での厳しい環境と競争で揉まれ、

海外遠征も定期的に行い、

ある意味、プロ以上にプロらしい

日々を送っている渓心選手が、

キューアスリートとしての

基礎体力、スキル、そしてポテンシャルの

高さを改めて示した大会だったと

捉えることもできるでしょう。

 

ちなみに、渓心選手が今回使っていた

プレーキュー(EXCEED)と

ブレイクキュー(MEZZ Power Break)は

父・久貴プロのもの

(※ジャンプキューは所属する

お店『JIN』のお客さんのもの)。

 

まずは「腕」なのだと痛感します。

 

…………

 

――大会が終わって数日経ちましたが、まず優勝の感想を。

 

神箸:もうシンプルに嬉しかったです。今までプロ公式戦に何度か出ていましたけど、最高でベスト8とかだったので(2017『関西オープン』など)、今回初めて優勝できて嬉しかったです。

 

――プロ・アマ合わせてポケットビリヤードの公式戦には何回ぐらい出たことがありますか?

 

神箸:30回ぐらいですかね。そのうち半分近く……10回~15回ぐらいがプロの試合(グランプリウエストやプロオープン戦)だと思います。

 

――今回GPW-1に出ようと思ったのは?

 

神箸:2ヶ月ぐらい前に日本に戻って来て、お店(父・神箸久貴プロが営む『JIN』)でポケットの練習をして、2週間ぐらい前に『アマナイン』の愛知予選に出ました(※通過)。その後、時期的にタイミングよくこのGPWがあったので『出てみようかな』と。

 

――実際出てみていかがでしたか? 6試合全てプロと当たって、決勝戦(vs 竹中寛プロ)を除くとあまり競り合うことなく優勝まで行きました。

 

神箸:全体的に良かったと思います。今までは試合になると気張ったり、緊張して硬くなったりしてたんですけど、今回はガチガチになるほどは緊張しなかったし、リラックスしすぎることもなくて、程よい緊張感で撞けました。すごくいい感じで集中できていたなと思います。

 

――決勝戦は終盤に相手の追い上げもありました。それまでとは異なるプレッシャーもあったでしょうか。

 

神箸:そうですね。決勝戦の序盤は、僕もちょっと浮ついてるところもあったかもしれないですけど、それでもまだ緊張感は他の試合と同じぐらいでした。でも、6-3から竹中プロに追い掛けられて6-6に並ばれた時はさすがにしびれましたね。もちろん「ここで負けたくはない」という気持ちは持ってましたけど、最後のラックは緊張しました。

 

――ラストラック、オープンな1番から取り切りましたが、それまでよりもゆっくり撞いていました。

 

神箸:時間を使ってゆっくり丁寧に行こうと意識してました。まず、1番がいやらしい位置にあったんで、2番への出しを少し悩みました。4番に当てて出すこともできるんですけど、優勝のかかった最後の取り切りで不確定要素を増やしたくないなって思って、ノークッションで2番に直接出しました。あれはあれでスクラッチもありえるラインだったので少し怖かったです。

 

――2番以降は?

 

神箸:長クッション際の6番からテーブル中央の7番への出しも悩みました。間に8番があって、押し球か引き球でかわさないと手球が隠れる。押しの2クッションで行くには6番にフリがありすぎて7番へのポジションが難しくなりそうだったので引き球にしました。引き足らないと8番で隠れてしまうので、強めに引いたらやっぱり7番が薄くなっちゃったんですけど(苦笑)、なんとか許容範囲内でした。その後の7番から8番、8番から9番もきれいには出せなくて、最後まで簡単にはならなかったですけど、及第点だったのかなと思います。

 

――今大会で印象に残っていることとは?

 

神箸:ベスト4と決勝戦はお店(愛知県東海市『ダマデノッチェ』)のメインテーブルで撞いていたので、観客の方々に近くで見てもらえました。見られながら試合を撞くっていうのはイギリスでもなかなか経験できるものではないのでやっていて楽しかったですね。それとYouTubeライブも多くの方に見てもらえたみたいで、お祝いやお褒めの言葉をたくさんいただきました。JINのお客さんから直接『見てたよ』とか『すごかったね』というふうに声を掛けていただいたり、Facebookとかで多くの方からメッセージをもらったりしたのも嬉しかったです。

 

――スヌーカーとプール(ポケットビリヤード)はテーブルとボールの大きさが違い、ラシャの性質も違いますが、スヌーカーメインの神箸選手が、プールの試合に出てすんなりコンディションに合わせられるものなんですか?

 

神箸:僕自身、そんなに競技ごとの違いを意識することはなくて、自然に撞いてます。普段お店ではスリークッションもやってるんですけど、キャロム(のテーブルとボール)に移ってもそんなに気にならないです。それぞれをよっぽど長い時間やらない限りは、切り替えを意識することはないです。小さい頃からあれ撞いてこれ撞いて……っていう感じだったので、環境もあるかもしれないですね(笑)。

 

――イギリスのスヌーカー修行のこともお聞きしますが、今は少し離れて休暇中ということですか?

 

神箸:はい、いつ向こうに戻るか決まってないんですけど、あと1、2ヶ月ぐらい日本で過ごしてからシェフィールド(『Ding Junhui Snooker Academy』)に戻る予定です。今は少し長めのお休み……休みという表現はちょっと違いますけど、もう少し日本での生活を楽しみます。アマナインの予選も通ったので、早くても本番(6月25日~26日)が終わるまでは日本にいます。

 

――イギリス修行も4年ぐらい経ちました。やはりスヌーカーの本場のプロ予備軍達はハイレベルで、プロ入りをかけた競争も厳しそうですね。

 

神箸:そうですね。日々少しずつ上達しているのは自分でも実感してはいるんですけど、なかなか試合では結果を残せないところがあって……。だから、一旦ちょっと休んでリラックスして、また新しい気持ちで挑めるようにしたいなと思っています。

 

――アマナインの前に、4年ぶりに参戦する『全日本スヌーカー選手権』(東京。決勝日は6月5日)があります。

 

神箸:はい、2017年と2018年は僕が優勝して、2019年大会には僕は出てなくて、2020年と2021年はコロナ禍で開催されてなかったですよね。僕も久しぶりに出るので、良いプレーが出来るようにしたいです。

 

(了)

 

…………

 

Keishin Kamihashi

 

2000年12月29日生まれ

愛知県出身

 

所属店:『JIN』 (愛知県名古屋市守山区)

※ポケットテーブル増設の記事はこちら

 

実父は神箸久貴プロ(JPBF。元JPBAプロ)

 

日本での主な戦績は

2014年『第13回全日本スヌーカー選手権』準優勝

2014年『第3回全日本6-redスヌーカー選手権』優勝

2017年&2018年『全日本スヌーカー選手権』連覇

2017年&2018年『スヌーカージャパンオープン』連覇

2022年『JPBA西日本グランプリ第1戦(GPW-1)』優勝

 

海外での主な戦績は

2015年『IBSF World Under-18 Snooker Championship』(U18世界選手権)9位

2016年『Hong Kong International Snooker Tournament』(U21)3位

2019年『IBSF World Under-21 Snooker Championship』(U21世界選手権)5位

2019年『IBSF World Under-18 Snooker Championship』(U18世界選手権)9位

 

2016年~2017年:CBSA北京世界スヌーカー学院所属

2018年4月~:シェフィールド Star Academy所属

2018年9月~:ダーリントン Q House Snooker Academy所属

2020年8月~現在:シェフィールド Ding Junhui Snooker Academy所属

 

 

………… 

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

2021年11月25日『船橋店』グランドオープン。 BAGUS

川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA 

カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト

極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP

徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP

「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL

世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds

第3巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 


<<<前の記事   次の記事>>>