〈BD〉3Dプリンタも活用。エクステンションの作り方【早回し動画】 by 加藤保広さん

 

アマチュアプレイヤー・加藤保広さんの

ビリヤードアイテム作成工程を

拝見する企画。

 

先日の『キューホルダー』に続き、

今回は『エクステンション』

(遠い手球を撞く時にキューの

バットエンドに取り付けて使う

延伸アイテム)です。

 

これまでに加藤さんは実に

100本近くのエクステンションを製作。

 

今では3Dプリンタも活用して、

より精密な

(バットエンドとの結合感の高い)

ヘッド部分を備えたエクステンションが

作れるようになったとのこと。

 

今回も加藤さん自らが

その工程を動画に収めてくださいました。↓

 

 

早回しとはいえ

流れがよくわかる映像です。

加藤さんが非常に手慣れている様子も

伝わってきます。

 

加藤さんは一般企業にお勤めの会社員

(製造業ではありません)。

 

ビリヤードが好きで、キューにはじまり、

色々なビリヤードアイテムが好きで、

自分でカスタマイズしたり、

工作したりするのも好き。

 

そういう方は少なくありませんが、

3Dプリンタまで使いこなしている姿には

驚きを禁じえません。

 

今回はQ&A形式で、

加藤さんにお話をうかがいました。

 

…………

 

文中の「3(3Dプリンタ+カーボン)」の時代
文中の「3(3Dプリンタ+カーボン)」の時代
文中の「4(3Dプリンタ+カーボン+ツキ板)」の時代
文中の「4(3Dプリンタ+カーボン+ツキ板)」の時代

 

――エクステンションをいつ頃から、トータル何本ぐらい作っていますか?

 

加藤保広さん(以下、加):7、8年前、私が大阪へ転勤となった際に作り始めました。合計で100本近くは作りまして、ありがたいことにプロにも使ってもらっています。

 

――作ろうと思ったきっかけは?

 

加:「軽いエクステンションが欲しい」という声があったので、試しに作ってみたのがきっかけです。当時は重たく、ヘッド部分が大きいエクステンションが多かったと記憶しています。私自身も力がある方ではないので、軽くて振りやすいエクステンションが欲しかったので作りました。

 

――これまでに材料や工法の変遷があったようですね。お教えいただけますか? 

 

加:はい、4つの時代に分けられます。

 

【1:塩ビ+バルサ材時代】

 

塩ビの異径パイプを削ってヘッド部にして、そこにグリップ(柄)としてバルサ材という軽い木を組み合わせて、それに革を巻いていました。エクステンションを手作りされている方の中には、異径パイプの大きなサイズを買って削らずに使っている方もいましたが、それだとキューを振る時に邪魔になり重いので、極力小さい異径パイプを使って削ることにしました。バットの革巻きを以前から自分でやっていたので、エクステンションに巻くのも問題はありませんでした。

 

【2:塩ビ+カーボン時代】

 

バルサ材は軽くて加工しやすいのですが、曲がりやすいので何とかしたいと思いました。代わりになる素材を探していたところ、カーボンパイプが見つかったので、それをグリップとして利用することにしました。海外から輸入すると安いのも魅力でしたし、カーボンはカラーバリエーションも豊富なので、好みの色を選ぶこともできます。革を巻かないので工程も簡素化できました。

 

【3:3Dプリンタ+カーボン時代】

 

カーボンパイプを利用することで、グリップの曲がりはないものの、塩ビの異径パイプを手で削っているため、装着時にヘッド部分に若干のズレを感じました。気にならないという方も多くいましたが、私自身は気になっていて何とかしたいと思っていました。また、異径パイプを削る作業はかなり大変なので、「工程を減らして品質が良いものを作りたい」ということで3Dプリンタを使ってみることにしました。初めて3Dプリンタを使ったので、最初はわからないことばかりでしたが、人に聞いたり、調べたりで何とか形にすることができました。さすがに3Dモデルを作ることはできなかったので、そこは外部に依頼しました。そして、以前、塩ビは黒で塗装してたのですが、3Dプリンタならはじめから黒で作れるので塗装は不要になりました。これにより、塗装が剥げてくることも無くなりました。

 

現在→【4:3Dプリンタ+カーボン+ツキ板】

 

カーボンの上に木材を薄くカットした「ツキ板」というものを巻くことにしました。こうすることであたかも銘木が使われているように見えますし、木材でグリップそのものを作るよりも軽く作れます。また、ニスを塗ることで高級感も出ました。

 

――1本作るのにどのぐらいの時間がかかりますか?

 

加:3Dプリンタでヘッド部分、エンドキャップを作る時間が約4.5時間。カーボンのみの場合は、そのあとは部品を組み立てる作業になりますので、1時間もあれば組み立てられます。この動画のようにツキ板を巻く場合は、サイズ合わせ/接着/乾燥/ニス塗りをしてから、ヤスリ掛けが5、6回必要になりますので、プラス1、2日はかかりますね。

 

――工程の中で特に難しいところとは?

 

加:やはりツキ板を巻く部分です。薄くても木材ですので、ニスは吸収しますし、多少伸びたりします。それを考慮しながら接着し、ニス塗りで膨らんできたらペーパーをかけたり、部分的にニスを厚く塗ったりする必要があるので、非常に難しいです。今ももっと早く綺麗にできる方法を探しながら作ってます。

 

――販売はしていますか? 納期や価格はどのぐらいですか?

 

加:今まで知り合いや、ご紹介・SNS経由でお譲りしていました。もし気になる方がいらっしゃれば、yasuhirokato@outlook.com まで連絡いただければ結構です。本職の状況にもよりますが、納期は材料が手元にあれば、カーボンのみなら1週間、ツキ板ありのものは2週間で作れると思います。材料がない場合は、材料を輸入する時間が1ヶ月程度かかります。価格はカーボンのみ6,000円、ツキ板あり8,000円でお譲りしています。

 

【スペック】

 

重さ:カーボンのみ=60g弱、ツキ板あり=65~70g弱

長さ:27cm(※要望に応じて長く作れます)

備考:キュー尻のサイズをお聞きして接触部のフェルトの厚さを調整します

 

――ありがとうございました。

 

(了)

 

…………

 

加藤さんのビリヤード用品工作企画:

 

◆ 2021年8月5日「カーボン板でキューホルダーを作ってみた!」

◆ 2020年5月3日「練習用テーブルを作ってみた」

 

 

…………

 

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