〈BD〉「K復活! 酔爺との対話:SBE2020妄想」【前編】――Detective “K” season6 episode 01

 

私の名はDetective K。

ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。

 

新型コロナウィルスの影響で

事務所に引きこもっていると、

つい過去のビリヤード映像ばかり

視聴してしまう。

 

リンリンリン♪

 

うん? BDからネット通話だ。

この状況、ヤツから

仕事が来るとは思えんが……。

 

「K、久しぶりですね。

早速ですが来てもらえますか。」

 

ん? 仕事か?

 

「いえ、“酔爺との対談です。

 

もし今年(2020年)『SBE』

(スーパービリヤードエキスポ。アメリカ)

があったらどうなっていたかを

語り合ってください。」

 

それは、単なる飲み会とも言えるな。

 

「そう言ってはミもフタもありません。

 

『SBE』への参加は、

直近でKが2018年酔爺が2019年

 

お2人の経験と知識で、

今年はキャンセルとなった

『SBE 2020』を想像し、

語って欲しいのです。」

 

そうか、分かった。

酒とツマミはたっぷり頼むぜ。

 

「問題ありません。ワリカンですから。」

 

……分かった(苦笑)。

 

シーズン6の開始にふさわしいイベントだぜ。

その依頼、引き受けた!

 

******

 

SBE各年のプログラム。中央は会場見取り図
SBE各年のプログラム。中央は会場見取り図

 

SBE(スーパービリヤードエキスポ)の

概要や見どころについては、

 

本連載の、Season 3の

現地デイリーレポート4本

 

およびSeason5の

「わすれじのSBE Days」を参照されたい。

 

(※BD註:酔爺の2018年

レポートもあります。こちら

 

今年(2020年)4月、

SBEは27回目を迎えるはずだったが、

6月、10月と二度の延期を経て、

2021年4月開催予定となった。

早いハナシ、今年は中止というわけだ。

 

都内某所。

BDに呼び出されたオレと酔爺は、

ソーシャルディスタンスを意識しつつ、

テーブルをはさんで向かい合った。

 

ビリヤード台ではない。

酒とツマミを置くためのテーブルだ。

 

テーマは「今年のSBEを妄想する」だが、

SBEでやることは毎年変わらない。

 

基本「くうねるビリヤード」しながら、

意中のキューを入手する。それだけだ。

 

とはいえ、今年から来年を展望しつつ、

一応マジメに対談した。

酔っているのでグダグダな部分は、

ご容赦願いたい。

 

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開催前夜の会場外観(2018年)
開催前夜の会場外観(2018年)

 

【Day0:前日まで

 

K:新型コロナがまず日本を含めアジアで広がり、その後すぐにアメリカで感染が爆発してしまった。アンタとオレで、久々に今年(2020年)は同時活動できるかと思ったが、かなわぬ夢となったな。

 

酔:然り。至極残念。

 

K:昔の我々なら、もし6月あるいは10月にSBEが開催されていたら、検疫が行き帰り2週間ずつあろうとも、行っていたかもしれない(笑)。かつては、それだけバイタリティがあった。

 

酔:キュー好きの我々のDNAには「そこにキューがある限り、行かねばなるまい」って刻まれている。

 

K:そうだ。空港からレンタカーを運転して、SBEの会場が見えた瞬間、まだ見ぬキューがそこにあるって想像してテンションMAXになる。

 

酔:Day0、つまり開催前日は、下見とか前夜祭がとにかく楽しみだった。キューメーカーたちと喋って、事前に情報を仕入れて、良いものは抑えておきたいという気持ち。全く旅の疲れも感じなかった。そして、まずは地元の酒屋でビールを仕入れるのが最重要任務(笑)。去年は、最寄りの酒屋の場所がわからず難儀した。

 

K:いわゆる「燃料」だからな。

 

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カスタムキューの品揃えでは他を圧倒する本数を誇る業者、オメガビリヤードのブース(2018年)
カスタムキューの品揃えでは他を圧倒する本数を誇る業者、オメガビリヤードのブース(2018年)
2000年のコグノセンティブース。右端が会場入り後1分でKが購入したキュー
2000年のコグノセンティブース。右端が会場入り後1分でKが購入したキュー

 

【Day1:初日

 

酔:Day0とDay1はとにかくテンションが高い。

 

K:そう、「狩人」の気持ちだ。Day1はとにかく会場内を動き回り、挨拶回りしつつ、どこに何があって、誰がいるのかを把握して脳内マップを作る。聞きなれない名前のブースには、何が埋まっているかわからないので要注意だ。

 

酔:地雷も多い(笑)。

 

K:確かに。キューメーカーであれ業者であれ、初見のブースに飛び込んで、「虹色商品」をつかまされたことは何度もあったな。

 

酔:ビール片手にDay 1は偵察、ひと通り会場内を回る。買い物は控える。

 

K:ビールは355ml缶で何本行く?

 

酔:7~8本は呑む(笑)。

 

K:飲みながら、定点観測をするためにリファレンスをしておく。

 

酔:そう。Day1から心惹かれるものがあった時にどうするか、葛藤は常にある。最後までこのキューは残っているだろうか。メーカーはDay4、つまり最終日に何か別のキューを出してくるんじゃないか、とかだ。

 

K:そう、我々はキューメーカーやディーラーに対して、「持ってるんなら、最初から出せや」といつも思う(笑)。

 

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アマチュアトーナメント。テーブルは100数十台(2018年)
アマチュアトーナメント。テーブルは100数十台(2018年)
プロアリーナでも見逃せないカードが多数(2018年。S・バンボーニング)
プロアリーナでも見逃せないカードが多数(2018年。S・バンボーニング)
ACAの人気投票(2018年)
ACAの人気投票(2018年)

 

【Day 2・3:二・三日目

 

酔:Day 2とDay 3はトーナメントを見たり、ブースを冷やかしたり、知り合いと喋ったりとまったり過ごす。

 

K:会場内をふらふらしながら結局何もしない。

 

酔:そう、時差ボケ対策と体力回復が第一。去年はずっとキャロム台で撞いて、そこでアメリカのキャロムファンやプレイヤーと交流していた。

 

K:ホテルに戻って寝たら立ち直れなくなるから、オレはプロの試合を観戦しつつ、寝落ちが多い。(苦笑)。

 

酔:そこで、気分転換にフィラデルフィアのショッピングモールにも行く。

 

K:毎回土曜日と決まっているDay 3の夜は、アメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション(ACA)のセレモニーに紛れ込んで、酒代飯代を浮かせつつ関係者と喋るというのも楽しみの一つだ。

 

酔:各メーカーの人気投票作品もまとめて拝めるし。知り合いばかりだから気楽な宴会だ。

 

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名品がずらりと並ぶブースにて(2010年)
名品がずらりと並ぶブースにて(2010年)

 

【Day4:最終日

 

酔:結局のところ、財布の紐を解くのはDay 1とDay 4。Day 2とDay 3ではあまり買い物はしない。初日はいいものがあったらすぐ抑えたいし、Day 4は投げ売りがあったりするから、予算は最後まで残す。

 

K:そう、キューメーカーもディーラーも、持って帰るのが面倒だから残っていれば安くなる。1990年代末には、「サウスウェスト3本に3×6のウィットンケース付き」で買わないかと言われたこともあったな。

 

酔:「何だ、いいサウスが1本しかない抱き合わせ販売かゴルァ」と言って断ったが、今のサウス1本分の値段にもならない(笑)。

 

K:Day4は、午後5時にブースが店じまいする上に、最後まで迷っていたキューを買うかどうか、残金はいくらあるかを必死に考えているから、時間が経つのが早い。

 

酔:そして、打ち上げは会場近所の『レッド・ロブスター』でキマリ。

 

K:うむ。関係者がたくさんたむろしていて、「また来年」とあいさつするのに都合が良い。アメリカン・フードの味も含めて、SBEのイメージが出来上がっているな。

 

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……酔爺と語り合っていたら

妄想が止まらなくなってしまった。

この話、まだまだ続くぜ!

 

【後編】はこちら

 

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Detective Kについて詳しくはこちら

 

 

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