〈BD〉「Kよ、どこへ行く。ビリヤード虹色商品」【前編】――Detective “K” season 5 episode 10

 

私の名はDetective K。

ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。

 

本来ならば、

東京はスポーツの祭典真っ最中。

 

だが現状はシビア。

新型コロナウイルス感染状況が、

刻々と変化する毎日。

 

前エピソードで

「公式戦もどうやら開催されるよう」

と言ったが、事態は変化し、

開催はかなり難しいと言わざるを得ない。

 

リンリンリン♪

 

うん? BDからネット通話だ。

ヤツの行動も制約されているだろうが、

連絡があるうちは大丈夫だな。

 

「この状況下でも、

Kはキューを手に入れたそうで。」

 

情報が早いな。

 

早速使いこなしている、

と言いたいところだが、

この状況では撞き込みが足りていない。

 

「まあ、仕方ないですね。

ところでKは、ビリヤード・ガジェット、

別名『虹色商品』にも詳しいと聞きました。」

 

ああ、一見ものすごく画期的に思えるが、

実は……というグッズのことだな。

 

「キュー、プレーの補助器具、

上達しそうな練習デバイス……。

色々あると思いますが、

いくつか紹介してください。」

 

探偵にとって、

いなくなったペットを探すような調査だな。

 

よかろう、オレはキュー探偵K。

その依頼、引き受けた!

 

*****

 

様々な問題や悩みに対して

「これさえあれば解決!」とあおる製品。

 

あるいは、それまでにない斬新な発想で

「新発明! 革命的!」とうたう製品。

 

中には「効果はイマイチ」とか

「全く役に立たない」シロモノも

混じっている。

 

ビリヤード界においても然り。

 

それら残念なブツを総称して、

オレは「虹色商品」と呼んでいる。

 

その定義は、ビリヤードにおいて

「実際に使うまでは、

虹色の夢を描かせてくれる」

製品である事だ。

 

*****

 

★『ショットガン』

 

ショットガンの全体像
ショットガンの全体像

1枚目:キュー尻と先端部。構造上どうしてもシャフトとジョイントに目が行く

2枚目:ジョイント部

3枚目&4枚目:結合シーン

5枚目:ショットガンを説明するジョー・ポーパー

※上記キュー画像は2016年5月21日BD記事より

 

 

 

キューやキューケースだけでなく、

製作機械やトレーニングデバイスまで

製作版売していた

“ビリヤード界の発明王”、

ジョー・ポーパーが、

2006年に発売したキュー。

 

バットとシャフトの接合部分に

ユニバーサルジョイントを採用し、

素早い装着・分解と、

シャフトの紛失防止を実現した製品。

 

専用ケースまで付属する本格製品で、

UK Corporationの大原代表ともども

即買いするほどインパクトがあったが、

 

シャフトの交換が面倒(よってタップの

交換も制約を受ける)なこともあり、

ごく短期間、というより

ワンロットで生産終了となったようだ。

 

このジョイントを緩めておいて、

隠すように握り、

「試し撞き、どうぞ」と言って

他のプレイヤーに渡した瞬間手を離すと、

シャフトが宙ぶらりんになってビックリ!

というイタズラには役立った。

 

*****

 

★『ステルス “ドゥーリー・ハンドル” キュー』

 

1枚目&2枚目:ステルスキューのドゥーリ―ハンドルキュー各種。2006年の『BCAエキスポ』にて。

3枚目:最も過激なモデル。2008年製。

4枚目:開発者のマイク・ストーラー

 

 

 

1992年創業のキューメーカー、

『ステルスキュー』が2002年に生み出した、

グリップ部分が凹凸になった

“ドゥーリ―・ハンドル”キュー。

 

ネーミングのネタ元は不明だが、

くぼみ部分に指がフィットして、

握り心地は通常のキューとは全く異なる。

 

軽く握っていても立てキューが可能、

という優れモノだ。

 

しかし、デザインはメタリックカラーや

ショッキングピンク、フレイム(炎)柄など

派手の極致。

 

社長のマイク・ストーラーは、

 

「製作を委託した中国の工場から

『本当にこんなものを作ってイイのか?』

と何度も念を押された」

 

と言っていた(苦笑)。

 

オレもかつて使っていたことがあるが、

ハードショットした際の

パワーロスが大きいことを除けば、

なかなか優れた特性を持っていた。

 

ただ、オーナーのオレ自身も

「イロモノ」扱いされていた。

 

メーカーサイトを見ると、

2019年モデルが製作されていることから、

今なお一定の需要はあるのだろう。

 

カーボンシャフトと組み合わせれば、

最強のルックスとなるに違いない。

 

*****

 

★『ボーナスボール99』

 

1枚目:ボーナスボール99のボールセット。手玉も含めて、数字やロゴは一切ない、スヌーカー用ボールのような雰囲気。れっきとしたアラミス社製だ

2枚目:ボーナスボール99のボールセットパッケージ。マイク・マッセイもポール・ポティエも若い

 

 

 

カナダで考案され1994年に

発表されたゲーム(種目)。

 

ゲーム専用のボールセットも

当時の北米男子プロ組織『PBT』が協賛し、

製品化され市販された。

 

しかも、カナダのポール・ポティエや

アメリカのマイク・マッセイが推薦していた。

 

ボールセットは、

オレンジ色5個、

紫色5個、

黄色1個、

手玉1個の12個。

 

ルールは、紫色とオレンジ色を

1個ずつポケットすると、

「ボーナスボール」と呼ばれる

黄色をポケットする権利を得る、

というのが基本。

 

この時「ボーナスボール」(黄色)は、

紫色とオレンジ色が

全て台上からなくなるまで、

センタースポットに再配置される。

 

そして、ラストのボーナスボールを

ポケットしたプレイヤーが勝つという、

いわば、8ボールとスヌーカーを

合体したようなゲームだ。

 

ただ、さまざまなプレイヤーの

レベルに合わせられるよう、

この基本ルールに様々なオプションを付けて、

緩くも厳しくもできるようにしたため、

ゲームが分かりづらかったのが災いした。

 

おまけに、当時は

ゲームのスピードアップがトレンド。

 

ポケットした的玉を再配置するのは

時代に合わなかった。

 

第一、一旦ポケットした的玉が

取り出せない、アメリカでは一般的な

コイン式テーブルではゲームが成立しない。

よって、全く普及しなかった。

 

*****

 

……おっと、スペースが足りないな、

後半へ続くぜ! 

 

近日公開予定の【後編】に続く。

 

…………

 

Detective Kについて詳しくはこちら

 

 

 

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