2017年

1月

22日

〈BD〉「世界トップ選手たちの理想は10ボールの13ラック先取以上かな」――大井直幸、アンケート集計結果について語る

 

先日のアンケート結果報告書をもとに、

 

現在アメリカの『Derby City Classic』

出ている大井直幸プロと

電話で話した内容を以下にまとめます。

 

アンケート結果を見た大井プロがどう思ったか。

 

という部分だけでなく、

 

大井プロを含めて

世界のトップステージで

戦っているトップ選手たちが

種目やフォーマットについて

どう思っているのか。

その一端がうかがい知れる談話だと思います。

 

…………

 

聞き手:BD

談:大井直幸

 

――集計結果、いかがでしたか?

 

「『ああ、見る側としては、

プロの試合に望むのは、

“10ボール”の”勝者”ブレイクなんだ』

 

というのが率直な感想です。

 

集計結果自体は蓋を開けてみるまで

どっちになるか全くわからなかったけど、

 

僕は、見る人たちが好きと言いそうなのは、

『10ボール』で『勝者ブレイク』

じゃないかと想像はしてました」

 

――回答者の属性を見ると明らかなように、

BDを読んでる人はビリヤード経験者が多く、

習熟度の高い人も多いので、

そこでアンケートを取るとこうなるのかも。

 

「ですね。BD個人はどう?」

 

――好きなのは9ボール。

プロの試合で採用するなら、

交互ブレイクでコールショットで、

長めの「11ラック先取」ぐらいにするとか。

 

「なるほど。それは?」

 

――”9ボール”って言葉の響きを優先。

10ボールより断然認知度が高いからという、

わかりやすさ優先のメディア的な発想です。

 

「9ボールの方がわかりやすいのは

間違いないよね。

 

プロがやる9ボールだったら……

木ラックでも良いんじゃない?」

 

――それはどちらでも。

 

「でも、木ラックだと、

ラックを組むのに時間かかるし、

(配置がごちゃついて)試合時間も

かかりそうだしなぁ……。

 

今となっては日本の公式戦で

木ラックを使うのは厳しいのかな。

 

僕、『ワールドプールシリーズ』(WPS)

会場(ニューヨーク)で、

海外トップたちにも聞いてみたんですよ。

 

T・ホーマン、

L・V・コルテッザ、

D・オルコロ、

A・パグラヤンとか色々な人に。

 

『もし自分が見る側だったら、何が好き?』

って」

 

――おぉ~。答えは?

 

「10ボールが多かった。

 

やる側として好きなゲームとなると、

ワンポケットが挙がってきたりして

ちょっと何言ってるかわからなかったけど(笑)。

 

それと、やる側として、

皆が口を揃えてたのは、

『長いレースが良い』ってこと」

 

――そう言いそう。種目は問わずですか?

 

「そう、種目は問わず、

『13ラック先取以上が理想だ』と

多くの人が言ってた。

 

10ボールであれ、9ボールであれ、

8ボールであれ、

 

『最低、13ラック先取マッチなら

ちゃんと実力が出てくる』って」

 

――興味深いですね。

世界のトップ達が口を揃えて、

「実力差が出る最低限は13先だ」

と言うんですね?

 

「そう。

 

僕もそれはわかるな。

 

13ラック先取なら、

片一方に流れが行きっぱなしというのは

まずないから。

 

流れが往復するから、

やってる方としてはチャンスもあるし面白い。

 

……でも、僕が見る側なら、

あんまり長いのはどうかと思うけど」

 

――現実問題、日本の公式戦で

その長さを実現するのは厳しいし、

ファンはキツイんじゃないですか?

「試合」として見るのは。

 

「ですよね。

見る側の視点で言うとね。

 

でも、見る人たちの目的が、

 

『強い人・上手い人が実力通りに

勝ち上がって行くような試合を見たい』

 

というところにあるなら、

 

その強くて上手い当人達が、経験上、

力量差が出るんじゃないかと言っている

長さが『13』ってことです。

 

それより短いと、

今のビリヤードの試合では、

強いヤツが負ける可能性が

高くなるってことなんですよ」

 

――理解はできます。

世界トップ達は、それこそ

『レースが短かったから負けた』と

思うしかないような敗戦も

たくさん経験しているでしょうから。

……あの、すみません、

選手はやっぱり長い試合が良いんですか?

 

「うーん、

長いと勝ちやすいかどうかはわからないけど、

 

やってる側としては、

長いと面白いのは間違いないですよ。

僕は長いレースはすごく面白い。

 

トップ選手たちも、もう皆、

終盤はしびれてきちゃって

何やってるかわからなくなっちゃうからね。

 

仮に自分が見る側だったとしたら、

試合でそんなところまで見られたら、

もっとこう、入り込んで見られたり、

選手を応援できたりして

面白いんじゃないかなって思う」

 

――ああ、ありますね。

入り込んで見てたって時が。

 

「結局、ビリヤード観戦の面白さって、

『入り込む』ことにあるんじゃないかと

僕は思うんです。

 

要は、入り込みやすい

フォーマットやルールなのかってことなんですよ。

 

あまりに短いと入り込めないと思うんだよね。

 

『がんばれー!!』って気持ちが高まる前に

終わってしまうこともあるだろうし……。

 

でも、難しいね。

 

どのぐらいを『短い』と感じるかは、

見る側とやる側で大きくズレがあるだろうから」

 

――ズレ……ありますね。

例えば、ブレイクについてはどうですか?

 

「『ブレイクが強い方が華があっていい』とか、

『最近はブレイクに華がなくてつまらない』とか

ずっと言われてることだけど、

そこは自分ではよくわからないんです。

 

そもそも、やる側の僕としては、

『ブレイクって華なの?』と思ってるので」

 

――ブレイクが強いと得をしそうだし、

単純に目立つし、見る側からすると

華だと思ってました。

 

「そういう時代もあったと思いますけど、

今は違うんじゃないですか?

 

やってる側の僕の考えをはっきり言うと、

ブレイクに華はないと思ってます」

 

――おぉ。それは、

今はどんどん道具も良くなっているし、

強く打てる人が全体的に増えていて、

ブレイクが「特別な技術」じゃなくなってる

ということもあるんですか?

 

「そうそう。

差がなくなってるってこともあると思います。

 

それに、やる側としては、

強く打ったからってどうなの?

何がすごいの? と思う自分がいて、

 

そこは自分が見る側になってもそう思いますね」

 

――意外でした。

 

「やっぱりズレがあるんですよ。

 

ファンが見たいと思うビリヤード像と、

プロたちが実際にやっているビリヤード像には。

 

特にWPSのような、ワールドトップ達が

やっているビリヤードトーナメントは、

完全に参加しているプロ目線の

フォーマットだしね。

 

そのズレは、今どんどん大きくなって

行ってるのかなって思います。

 

だからこそ、

今回のアンケートの結果は勉強になります。

 

これはJPBAにも伝えますし、

 

僕もいずれ、自分でイベントとかを

企画したり主催したりする側に

なる時もあると思うんですけど、

 

その時に、

お客さんに見せることを主題にするのか、

 

『WPS』のように

プレイヤー満足度を高めることを主題にするのか。

 

どこにターゲットを置くかによって

種目やフォーマットの選択は

かなり変わってくることになる。

 

なので、とても難しいなって

今回のアンケートの結果を見て、

そしてWPSに出てみて感じました。

 

自分でももっと考えようと思ったし、

色んな人に意見を聞いていきたいと思ってます」

 

(了)

 

…………

 

Naoyuki Oi

 

JPBA40期生

1983年1月10日生 東京都出身・大阪府在住

JPBA年間ランキング1位・4回('06年、'12年、'14年、'15年)

2012年『ナインボール世界選手権』3位

2014年『全日本選手権』準優勝1回

『全日本ローテーション』優勝2回

『北陸オープン』優勝5回

『北海道オープン』優勝3回
『東海ナインボールグランプリ』優勝3回
『グランプリウエスト』(GPW)では通算14勝
『ワールドカップオブプール』3位・2回
他、優勝・入賞多数
使用プレーキューはEXCEED

FLANNEL、マグスミノエ所属

 

…………  

   

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世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

  

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