2023/08/22

〈BD〉「そんなに間をおかずに今季2勝目を挙げられて嬉しい」――『全日本女子プロツアー第4戦』優勝・河原千尋の談話

20日（日）の

『全日本女子プロツアー第4戦 in 横浜POOL LABO』で

優勝を飾った河原千尋プロの談話です。

大会2日後に取材しました。

来週の『アジア選手権』に参戦。

台湾に旅立つ河原プロ。

意気込みも聞いています。

…………

――優勝のお気持ちを。

河原：『大阪クイーンズオープン』（5月）からそんなに間をおかずに2勝目を挙げることができて嬉しいです。

――大阪クイーンズの時は自身のプレーに対して「すごく良かった訳ではない」とおっしゃっていました。今回はどうでしたか？

河原：今回は良かったですね。『POOL LABO』さんで開催していただけるとわかってから、決勝ラウンドに上がれることを想定して、お店のテーブルのコンディションをイメージしながら練習してました。

――POOL LABOのテーブルはWIRAKA（ウィラカ）ですね。

河原：はい。あまり撞いたことのないテーブルですけど、POOL LABOさんのYouTubeの動画を見たりして、『こんな感じかな』とイメージしてました。その甲斐あってよく撞けたと思います。試合当日もまめに台清掃をしてくださってラシャが良い状態に保たれていたのですごく撞きやすかったですし、一日を通して信頼できたというか、安心感がありました。

――POOL LABOで試合をするのは初めてだったと思います。会場の雰囲気はいかがでしたか？

河原：良かったです。お客さんもゆったり観戦できたのではないかと思いますし、選手側にも色々と配慮をしてくださってすごく良い環境だったと思います。

――コンディション対応以外の部分で良かった部分はありますか？　例えばブレイクとか。

河原：ブレイクはめちゃめちゃよく決まってた訳でもなかったです。よい当たりの時とイメージ通りの当たりではなかった時が7:3ぐらいだったかな。いつもそのぐらいです。今回も展開的に競ってきた時とか、自分がリーチをかけた時やリーチ前になると、どうしても力んでしまってたなと思います。

――2日間で6試合しましたが、よく撞けたと思うのは？

河原：決勝日のベスト8ですかね（vs 夕川景子）。その前のベスト16（vs 久保田知子）も悪い内容ではなかったですけど、その日の初戦だったということもあってまだ身体が動いてないところもありましたし、どうしても慎重に、テーブルコンディションも見ながら行かざるを得ない感じでした。その後1回転空いてからベスト8だったんですけど、それまでに他の選手が撞いているのも見てある程度コンディションも掴めてきてましたし、初戦より緊張も落ち着いてきていたので、あの日一番良いメンタリティで撞けたと思います。その後、準決勝では小西（さみあ）プロと対戦しました。『全日本女子プロツアー第2戦』の準決勝で負けてるので、2連続では負けられないと強く思う気持ちはありましたが、変に気負うことはなく冷静な試合をできたと思います。

――決勝戦では『大阪クイーンズ』と同じく平口結貴プロと対戦しました。展開も少し似ているところがあったように思いますが、河原プロの心境は？

河原：4-0から4-4になった時には「また追い付かれたな」と、大阪クイーンズの時と同じような心境になりつつありました。でも、そんなに気にはしてなかったです。「あと3点、自分がなんとか取るだけ」っていう感じでしたね。

――最後は相手の3番ファウルから取り切りました。

河原：それほど難しいところはない配置だったので、ちゃんと自分の考えている方のフリに手球を出して取って行けば大丈夫かなと思ってました。

――ゲームボール（9番）を入れた時の気持ちは？

河原：あの9番を撞く直前、キューを寝かせてゆっくりめに撞くか、キューを立ててしっかり行こうか一瞬迷いました。日頃からああいう球でキューを立ててしっかりと撞く練習をしていたので、それをあの場面でも選ぶことができてちゃんと撞き切れたのは偉かったなと自分でも思います。

――これで今季2勝目。8月の時点で「優勝2回」はご自身はどう受け止めていますか？

河原：決して多くはないですけど、少なくもないと思います。今のところ栗林美幸プロが3勝で一番で、次に私と小西プロが2勝で並び、平口プロが1勝ですよね。国内女子のレベルが上がっていて強いプレイヤーがたくさんいますので、その中での2勝は悪い数字ではないと思います。

――来週、台湾に渡り『アジア選手権』を戦います。河原プロは今までに出たことがあったでしょうか。

河原：私は2005年にプロ入りしましたが、その4、5年後に出た記憶があります。たしか韓国開催の年でした（※2009年大会〈女子のみの開催〉。河原プロは3位タイ）。

――台湾に行くのは？

河原：コロナ前の『アムウェイオープン』（2018年。河原プロは9位タイ）以来です。ずっと「台湾で試合ないかな」って思ってたんで、今回行けると決まった時はすごく嬉しかったです。今、世界チャンピオンは台湾の周婕妤ですし、台湾には強い選手が多いので、アジアで勝てたら世界チャンピオンは全然夢じゃないと思ってます。気合い、入ってます。

――アジア選手権での目標は？　そして、どんなプレーをしたいと思っていますか？

河原：目標は優勝です。今回は30秒ショットクロックがあるので、強制的にスピーディーに撞かないといけません。心配なのはそこだけですね。いつも以上に頭を回して回してスピーディーなプレーを心掛けたいと思ってます。本番までの1週間、そこを意識して練習します。

――アジア選手権の後も大きな試合が続きますね。

河原：とても楽しみです。9月には『ジャパンオープン』があり、すぐ後の『ミシガンオープン』にエントリーしてます。その後、10月にかけて『京都レディースオープン』があって、オーストリアでは『10ボール世界選手権』（※日程の重なる『北陸オープン』には出られない）、そして11月の『全日本選手権』というスケジュールですね。秋～冬は国内外でグレードの高い試合が数多く控えていますので、日本のビリヤードファンの方々にもぜひ女子の戦いを楽しんでいただければと思います。

（了）

Chihiro Kawahara

1985年1月5日生

JPBA39期生

JPBA女子年間ランキング1位・9回

（2010年、2011年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年）

『ジャパンオープン』優勝2回（2013年、2015年）

『全日本女子プロツアー』優勝11回

『関西オープン』優勝6回

『東海グランプリ』優勝4回

『大阪クイーンズオープン』優勝4回

（※前身の『全日本女子ナインボールオープン』優勝3回（3連覇））