〈BD〉「チャイニーズプールのおかげでシュートは自信がありましたけどポジションは……」――『GPE-4』優勝・羅立文の談話

 

27日(日)の

グランプリイースト第4戦 in 東京 ロサ』(GPE-4)で

優勝した羅立文(ロ リウエン)の

談話をお届けします。

大会2日後(29日)に話を聞きました。

 

羅プロは現在台湾に滞在していて、

今日31日と明日1日に

9月『チャイナオープン』の

台湾代表選考会に出ます。

 

その後アメリカに移動し、

WNT.の『フロリダオープン

(8月5日~10日)と

U.Sオープン』(8月18日~23日)に出場。

 

続けて台湾に戻って

台北オープン』(8月25日~29日)にも参加。

 

久しぶりに1ヶ月規模の

長い海外遠征になるとのことです。

健闘を期待しています。

 

ーーーーーー

 

――優勝から2日経ちました。今のお気持ちを。

 

羅:今年グランプリイーストでは準優勝1回・3位2回とアベレージは悪くないですが、優勝がなかったので今回勝てて嬉しいです。

 

――土方隼斗プロの4戦連続優勝を自ら決勝戦で阻止しての優勝でした。

 

羅:決勝日の朝に実況の西田哲也さんとその話になったんですが、「私が土方プロと決勝戦で対戦できたら、絶対に良い試合になると思いますし、もちろん私は全力で勝ちに行きます!」とお伝えしました。土方プロが勝てば4戦連続優勝で早くも2025年GPEのMVPも決まって大きな話題になる。逆に、私が土方プロの4戦連続優勝を阻止して優勝できたら、MVPの行方はまだわからないから第5戦・第6戦にも注目が集まる。どちらになってもビリヤードファンやプレイヤーがグランプリにもっと注目してくれると思いました。

 

――今回の2日間どんな精神状態でしたか?

 

羅:最近はアベレージは悪くないけどなかなか優勝できてなかったので、焦る気持ちも少しありました。でも、それも受け入れて気持ちを切らさずに冷静にプレーできたと思います。8月は海外の試合が続くので、そこに良い形で繋がるように焦らず平常心で臨みたいという気持ちでした。危ない試合も結構ありましたけど、その気持ちの通りにやり切ることができたと思います。

 

――先月(6月)チャイニーズプールの専門店、『DUYA CLUB 関内店』をオープン。『POOL LABO』と合わせて2店舗運営しているので忙しいですよね。

 

羅:そうですね。練習量は維持できてましたけど、やっぱりお店のことや他の仕事のことで頭がいっぱいだったので、練習に専念できてはいなかったかもしれません。それと、今は『DUYA CLUB』でチャイニーズプールを撞く時間が長くて、チャイニーズプール9割:ポケットビリヤード1割みたいな感じですごくバランスは偏ってました。チャイニーズプールをたくさん撞いていたおかげでシュートはすごく自信が付きましたけど、ポジションや細かい手球コントロールは下手になりました(苦笑)。でも、バランスが悪いのは今だけだと思います。もう少ししたら両方で良いパフォーマンスが出せるはずです。

 

――決勝戦はやはり土方プロとの対戦になりました。2-5まで先行されましたが(※8ラック先取)、どんな心境でしたか?

 

羅:土方プロが今季のGPEで絶好調なのは結果が示していますし、ブレイクが良いのもわかっているので、今回の勝者ブレイクの10ボールという種目は私にとって厳しい戦いになるだろうと始まる前から覚悟していました。前半はその通りの展開だったと思います。でも、「どんなに展開が悪くても冷静にやり続けよう。ブレイクが良くないから調整しながら戦おう」と考えていました。

 

――たしかにブレイクの手球位置を変えたり、ブレイクキューを使い分けたりしていましたね。

 

羅:はい。あの試合は土方プロの方がブレイクの精度と質が良かったですけど、諦めるんじゃなくて少しでも良くなるように試行錯誤していました。それは試合前から意識していたことです。

 

――前からブレイクを研究し、対策を練っていた。

 

羅:去年からずっと研究しています。先輩である白岩篤プロをはじめとして色々な方と意見交換しながら、まずはいただいたアドバイスを全て試して、それから自分に合うものを取捨選択しました。「メインの打ち方で当たりが良くない時にどこをどう変えるか」というところも研究していて、手球の位置・力加減・キューなど自分なりの対処法も出来上がってきました。そこまで準備しておけば試合中に焦ることはないですし、もし負けてしまってもやれることはやっているので後悔は少ないです。

 

――決勝戦の終盤はブレイクインも増え、主導権を握りながら試合を進めて7-6で逆転。最後の第14ラックは1番から取り切って上がりました。あのもらい球の1番は難しい球でしたね。

 

羅:そう、1番がキーボールでした。でも、1番から2番へのポジションは迷いがなかったです。しっかり入れてヒネリで引っ張って来たら、7番に当たっても当たらなくても2番にポジションが出る形でした。

 

――1番は素晴らしいショットでした。手球は7番に当たらずに長―長の2クッションで2番に出ました。

 

羅:2番に手球が出た時に心の中で「よし! 行ける!」と。興奮気味だったので自分を称える意味でテーブルの周りを歩きながらクッションレールを軽く叩いてます(笑)。2番以降は問題なく撞けたと思います。ビリヤードクロックの時間を使い切っていたので25秒ショットクロックになってましたけど、レフェリーの「5、4、3、2、1……」のコールのリズムに合わせて撞いてました。

 

――なるほど。焦って早く撞くのではなくしっかり25秒を使って。

 

羅:そうです。以前は「15秒(経過)」と言われたらちょっと焦ってたんですけど、今は「15秒」と言われてもまだ10秒残ってるから大丈夫だなと。もちろん25秒は短いですけど、「最後の5秒のカウントダウンに合わせて撞けばいい」と決めていたので焦らず撞けました。

 

――さきほど「8月は海外の試合が続く」と言っていました。具体的には?

 

羅:まず30日に台湾に帰って、31日と8月1日に『チャイナオープン 台湾代表選考会』に出ます(※本戦は9月)。権利が取れたら(日程が少し重なる)9月の『ジャパンオープン』には出られません。その後アメリカに渡ってWNT.の『フロリダオープン』(8月5日~10日)と『USオープン』(8月18日~23日)に参戦します(※WNT.プロでなくても1年で2つWNT.メジャー大会に出られる)。その後『台北オープン』(8月25日~29日)に出ます。日本に戻るのは8月30日。これだけ海外で連戦するのはほんとに何年ぶりでしょう(笑)。『POOL LABO』をオープン(2018年7月)してからは初めてだと思います。

 

――それは楽しみですね。

 

羅:本当ですね。もう何年も海外のメジャー大会から離れているので、WNT.もWPAもランキングには入っていません。今回の遠征で良い刺激を受けて良い情報を持ち帰って来たいと思います。47歳になった今の自分がトップの世界で通用するかしないかというところもはっきりとわかると思います。

 

――最後に、応援してくれている方々に。

 

羅:いつも応援してくれているお店の皆さん、ファンの方々、スポンサーの皆さん、そして家族の皆、ありがとうございます。最近はずっとDUYAテーブルで練習しているのでシュートの調子は絶好調です(笑)。チャイニーズプールをまだ撞いたことがない方はぜひ一度『DUYA CLUB 関内店』にお越しください。きっと発見がたくさんありますし、モチベーションもアップすると思います。そして、チャイニーズプールのことでもポケットビリヤードのことでも、知りたいことがあればいつでもぜひ私に声を掛けてください。一緒にビリヤードを楽しんで上達していきましょう!

 

(了)

 

Lo Li-wen 羅立文 ロ リウエン

1978年7月10日生

台湾出身・神奈川県在住

JPBA43期生

JPBA年間ランキング1位・2回(2010年、2022年)

『全日本14-1選手権』優勝5回

『北海道オープン』優勝3回

『関東オープン』優勝3回

『関西オープン』優勝3回

2023年『北陸オープン』優勝

『グランプリイースト』(GPE)では通算24勝

2010年『USオープン10ボール』準優勝

2015年~2017年『アジア選手権』3連覇

2016年『ワールド14-1』3位

他、優勝・入賞多数

神奈川県横浜市『POOL LABO』/『DUYA CLUB 関内店』代表

Supported by UK Corporationキューショップジャパン、ココカラダ

使用キューは『ZEN』(ゼン) 

使用タップは『Naolly』(ナオリー)

使用チョークは『HeddaRo Max』(ヘッダロ マックス)

 

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