〈BD〉「スーパービリヤードエキスポ2025 もろもろグッズ前編」――Detective “K” season 9 episode 4

 

私の名はDetective K。

ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。

 

2025年4月10日~13日、

アメリカのフィラデルフィア州

オークスで開催された

『スーパービリヤードエキスポ』(以下SBE)。

 

前回は、現役メーカーのキューから

最高の1本を投票で決める

SBEの恒例イベント

「ピープルズ・チョイス」を

レポートした。

 

キュー探偵として、まずはミッション達成。

 

気持ちが落ち着いたところで、

会場内で見かけた

もろもろグッズレポート前編。

テーブルとケースに注目してみた。

 

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1枚目:プロトーナメント会場。ベスト8で実現したゴースト対ショウ

2:アマチュアアリーナ

 

 

まずはビリヤードテーブル。

 

SBEのスポンサーでもある

ダイヤモンド(Diamond)社が

試合用テーブルを供給。

 

イベント公式テーブルという位置付けで、

プロ用9フィートが16台、

アマチュア用7フィートは約230台設置。

 

加えて練習エリアや、

物販ブースでの試し撞き用に

設置されたテーブルが数10台。

 

約22,000平方メートルある会場内の

あらゆる場所に設置されている。

 

同社のブースには、日本では

お目にかかれない10フィートサイズの

通称「ビッグフット」と呼ばれる

6脚の大台が設置されていた。

 

ダイヤモンド社の10フィートテーブル
ダイヤモンド社の10フィートテーブル

 

遠目でみると、

ポケット用の球が小さく見える。

 

海外ではこのテーブルを使用した試合もある。

いつか撞いてみたいものだ。

 

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1枚目:プレデターの新しい『ARC』テーブル

2:以前からある『APEX』テーブルのバーテーブル版(7フィート)。脚部が光るオプション付きのデラックスバージョン

 

 

物販ブースにはダイヤモンド社以外の

テーブルも設置されている。

 

まず目立つのが、プレデター社の

日本未発売の新モデル、アーク(ARC)。

 

会場内で最大のスペースを占める

同社のブースに設置されたテーブルには、

コーポレートカラーに合わせた

ラシャが張られて統一感を演出。

 

しかも側板のロゴが発光する仕掛けがあり、

インパクト大。

 

今やビリヤード用品総合メーカーの

プレデター社だが、SBE初登場の1995年、

同社はわずか2枠の展示ブースで、

初代社長のアラン・マッカ―ティ自ら

『314シャフト』を手売りしていた

(オレも1本買った)ことを思えば、

隔世の感があるな。

 

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ブランズウィックの未発売のゴールドクラウンVII

 

 

日本におけるポケット用テーブルの

スタンダードとして、長年に渡り

愛用されているブランズウィック社の

『ゴールドクラウン』(Gold Crown)。

 

初代の「Ⅰ」(ワン)が発売された

1961年以降、改良を続け、

現在は「Ⅵ」(シックス)が最新モデル。

 

大手ビリヤード用品サプライヤの

『キュー・アンド・ケース』では、

発売前の「VII」(セブン)が展示されていた。

 

実際に撞いていないので違いは分からないが、

ポケットの金具が艶消しで、

ブランズウィック社のロゴがエンボスで入り、

高級感あふれる外観。

 

SBEは、このように新製品や参考品を

展示する場としても活用されるため、

探偵として油断できない(苦笑)。

 

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オルハウゼン(Olhausen)
オルハウゼン(Olhausen)

スティール・クラッシュ(Steel Clash)

クイックファイア(Kwikfire)。監修者のケリー・フィッシャーの姿も
クイックファイア(Kwikfire)。監修者のケリー・フィッシャーの姿も

 

ポケット用テーブルは、

他にもオルハウゼン(Olhausen)や、

オランダのスティール・クラッシュ(Steel Clash)、

女子プロプレーヤーの

ケリー・フィッシャーがデザイン監修した、

クイックファイア(Kwikfire)などが展示。

 

日本とはケタ違いに家庭用テーブルの

需要が大きいアメリカでも、

様々なメーカーのテーブルを

一度に目にすることはそうない。

その意味でSBEは貴重なイベントだ。

 

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ストローク・ゾーン(Stroke Zone)。ネーミングは野球のストライク・ゾーンにかけている

 

テーブルは、

テクノロジーの進化と無縁ではない。

 

ラインを投影するレーザーや、

画像を投影するプロジェクション・マッピングは、

表面が平らなビリヤード台と相性が良い。

 

1990年代「ターゲット・プール」

(Target Pool)という、

布製の的となるシートを台上に置き、

手球ポジションの精度を競うゲームがあった。

 

かつてオレもプレーしたが、

セッティングに時間がかかるのが難点だった。

 

「ストローク・ゾーン」(Stroke Zone)は、

ポケット台に手球・的球を置く位置と、

手球を走らせるライン、

手球を止めるターゲットを

プロジェクション・マッピングで

瞬時に投影する、

ターゲット・プールの進化版。

 

専用ソフトウェア入りの

ラズパイ(超小型コンピュータ)で販売され、

プロジェクタは別途調達。

 

版権はアメリカ男子プロ組織、

『Pro Billiards Tour』が保有している。

 

同組織は2000年代初めに大会の主催を停止。

今や所属プロもいないはずなのだが、

存続していることに驚いた。

 

「ストローク・ゾーン」は

一瞬で課題が表示され、

ビジュアル的にも分かりやすい。

オンラインでリモート対戦も可能らしい。

 

プロジェクション・マッピング

+ビリヤードの組み合わせには

無限の可能性を感じる。

 

バンクショットや空クッションのシステムを

投影するなどわけもないこと。

誰か作ってくれないだろうか? 

 

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スリーセカンズ(3seconds)代表の山田卓矢氏と15歳のアメリカ女子プロ、サバンナ・”ロードランナー”・イーストン
スリーセカンズ(3seconds)代表の山田卓矢氏と15歳のアメリカ女子プロ、サバンナ・”ロードランナー”・イーストン

 

SBEでの買い物といえばキューだが、

それに次ぐ人気グッズといえばキューケース。

 

手ごろな価格から高価なモデルまで、

あるいは1バット/1シャフト収納から

コレクター/業者向け大容量モデルまで選び放題。

 

現在では大手キューメーカーや

ビリヤードサプライヤーの製品が主流だが、

独立系のケース専業メーカーの製品も多い。

 

その中でも日本製の

「スリーセカンズ」(3seconds)のケースは、

米国でも高評価。

 

デザインバリエーションの豊富さと軽量化設計、

プロプレーヤー向け特注モデルも

数多く手掛けており、

ケースは2日目でソールドアウト。

人気の高さがうかがえた。

 

ジル(Jill。左)と旦那さまのクライド(Clyde。右)/ジル・ホークケース(Jill Hawk)

 

 

今年の注目は、

イリノイ州在住の若手女性ケースメーカー、

ジル・ネッツレー(Jill Netzley)が、

夫のクライド(Clyde Netzley)と製作する

ジル・ホーク(Jill Hawk)の革製高級ケース。

 

柔軟な素材でキューの保護にも優れた、

ジョン・バートン(JB Case)製の

インナーを採用。

 

丈夫な牛革を丁寧に縫製して

製作されたケースは、

ウィットンやジャスティスなどとは

異なる美しさがある。

 

レジェンド(Legend)の超絶リベットケース。ライトブルーと黒があった

 

 

また、台湾の柯兄弟(Ko Brothers)

ブランド製品を扱うレジェンド(Legend)では、

リベットを片面全体にあしらったケースが

販売されていた。

 

混んだ電車内で背負っていたら

大ヒンシュクだが、オレは嫌いではない(笑)。

 

文字通りトンがったデザインこそ、

ビリヤードを活気づけると信じているからだ。

 

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さて次回は、

エキスポで見かけたもろもろグッズ後編。

 

長くなったが(苦笑)、次回で必ずまとめるぜ。

待っていてくれ。BD!

 

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◇ 2025 SBE キュー探偵Kレポート

 

① 4月12日「現地速報~コレがオレの生きる道~

② 4月26日「超絶キューコンテスト編

今回→ ③ 5月4日「もろもろグッズ前編

④ 5月9日「もろもろグッズ後編

 

※酔爺(Yozy)のSBEキャロムレポートはこちら(5月1日)

 

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