1月26日の『関西オープン』で
3度目の優勝を飾った羅立文(ロ リウエン)。
3日後に大会を振り返っていただきました。
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――3度目の関西オープン優勝です。
羅:2025年の開幕戦で優勝できてとても嬉しいです。今までの傾向を見ても関西オープンで優勝したプロの多くが年間1位になっていますから、幸先が良いですね。今年はお正月からずっとお店(羅プロが代表を務める横浜の『POOL LABO』)で働きながら、関西オープンを意識して、スケジュールを組んで練習していました。準備万端で関西オープンに臨めましたし、練習が報われたと思います。
――2日間のプレー内容は?
羅:全体的には良かったです。冷静に配置や展開を見ながら、上手くゲームをコントロールできていたと思います。取り切りが難しい配置は無理せずしっかりとセーフティを挟んでプレーしていました。でも、ブレイクは不安定でした(苦笑)。テーブルごとにクッションの高さやラシャの状態が少しずつ違っていて、それに対応したブレイクができなかったです。特に決勝戦のブレイクは良くなかったですね。
――決勝戦(vs 林武志)は最後まで競り合う展開でした。
羅:気持ちは落ち着いていました。以前からBDさんには言っていますが、交互ブレイクの試合は互いに点を取り合い、競ったまま進むのが普通だと思っています。だから、ヒルヒル(両者リーチ)になる心の準備もしています。自分に出来ることは、どんな時も気を抜かずにテーブルの状況を冷静に見極めて、考えを整理してプレーすることだけです。
↑羅立文の1番からの取り切り上がりの配置。動画はこちらで
――最後は1番から取り切って上がりました(羅プロが9-7で勝利)。あの取り切りはイメージ通りでしたか?
羅:だいたいイメージ通りでした。難しいポジションが続きましたけど、フリだけは間違えないように心掛けていました。特に2番→3-6コンビへのポジションはきれいに決められて良かったです。あそこはコンビのラインに手球をほぼほぼ真っ直ぐ出せないと、コンビの入れも後球も難しくなる。フリーボールで置くような場所に出せたので、あの瞬間「行ける!」って思いました。
――その後の3→4→5→7も難しそうでした。
羅:そう、3-6コンビのシュートの厚みが少しだけズレていたから、3番は穴前に残らず長クッションにくっつきました。そこから順下2クッションで4番に出したけど、少し加減が強くて手球がクッション際になってしまって。4→5は、5番に真っ直ぐ出せたら理想的だったけど、手球がクッションに近いので余計なヒネリは使いたくない。だから、ヒネらずに4番を入れてバタバタで我慢しました。
――5→7は、手球を9番に当てて出しました。
羅:4→5と同じように、5→7は完璧なポジションは求めずにしっかりショットすることにしました。5番を弱く撞いて手球を7番に当てたり、逆ヒネリで出す方法もありましたけど、5番の入れが不安定になるので選びませんでした。それが正解だったと思います。
――9番入れる直前に「ダイナスフィア、最高!」と口にしていたように聞こえました(※今年からダイナスフィアボールがJPBAの公式球に。この関西オープンに初めて導入された)。
羅:はい。9番は穴前で、7番からのポジションも真っ直ぐに出せたので気持ちに余裕がありました。初めてです、9番を撞く前に声を出したのは(笑)。
――そういえば、今年からNaolly Tipと契約しましたね。
羅:契約して一戦目で優勝できて嬉しいです。私は昔から柔らかいタップが好きなので、Naollyの一番柔らかい『S1』を使っています。契約は今年からですが、実は昨年11月の『GPE-6 in バグース川崎』で優勝した時もNaollyを使っていました。数ヶ月間色々な硬さを試しながら使ってきましたけど、やっぱり自分には『S1』が一番合います。今は1ヶ月に1つぐらい取り替えながら使っていますが、性能も良いですし、全く問題ありません。付けたての時期は横(タップ側面)が少し膨らむので削ると良いと思います。
――関西オープンで初めて優勝したのが2010年。羅プロがJPBAに入って2年目でした。当時からどこが成長していると思いますか?
羅:メンタルのコントロールはかなり成長したと思います。技術面も成長していると思うけど……そんなにたくさんじゃないと思います。昔から見ているBDさんはどう思いますか?
――日本に来た頃(2000年代後半)から技術力やショット力は高かったですが、判断力がさらに上がっていると思います。リスクマネージメントやゲームメイクとか。それが安定感やアベレージに繋がっていると思います。
羅:そう言ってもらえるのはありがたいです。でも、今も技術面では課題があります。ブレイクもそうだし、年齢を重ねたせいなのか、目が悪くなってきているせいなのかはわからないけど、ロングの球やすごく薄い球はちょっとだけ自信がなくなってきてますね。普段イメージ通りに手球をコントロールできている時は、そんなに次の球を遠くしたり薄くしたりはしないですけど、試合では思ったように手球が出ないこともあるので、遠い球や薄い球になると少し不安を感じるようになりました。展開やスコアが良くない時はなおさら緊張します。
――2025年の目標は?
羅:やっぱり海外に行きたいですね。今年は『WPA 8ボールワールドカップ』の第1回大会が台北で行われますし(7月)、台湾プロツアーも復活します(第1戦は2月7日〜8日)。それ以外にも世界中で国際大会が増えているし、『USオープン』などWNT.のビッグトーナメントにも出られるなら出たいです。お店もあるので遠征スケジュールを組むのは大変ですけど、特に台湾やフィリピンなどアジアの試合には出来る限り出たいです。台湾は地元なので行きやすいですし、日本の仲間達も連れて行きやすい。仲間と一緒に台湾の試合に出られたら、皆モチベーションが高くなるし、一緒に成長できると思います。
――最後に応援してくれている人達に一言。
羅:スポンサー様、お店のスタッフとお客さん、家族のみんな、いつも羅立文とPOOL LABOを応援してくださってありがとうございます。おかげさまで2025年開幕戦で優勝することができました。今年も自分らしくハイアベレージで活躍できるように頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします。ぜひ試合会場で声を掛けてください。今年も皆でビリヤードを楽しみましょう!
(了)
Lo Li-wen 羅立文 ロ リウエン
1978年7月10日生
台湾出身・神奈川県在住
JPBA43期生
JPBA年間ランキング1位・2回(2010年、2022年)
『全日本14-1選手権』優勝5回
『北海道オープン』優勝3回
『関東オープン』優勝3回
『関西オープン』優勝3回
2023年『北陸オープン』優勝
『グランプリイースト』(GPE)では通算23勝
2010年『USオープン10ボール』準優勝
2015年~2017年『アジア選手権』3連覇
2016年『ワールド14-1』3位
他、優勝・入賞多数
神奈川県横浜市『POOL LABO』代表
Supported by UK Corporation、キューショップジャパン、ココカラダ
使用キューは『ZEN』(ゼン)
使用タップは『Naolly』(ナオリー)
使用チョークは『Hybrid Chalk』(ハイブリッド)
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