〈BD〉WPA、3月の選手追放を発表。“非公認イベント”問題への決議。プレスリリース抄訳

 

※ここまでの経緯はこちらのBD記事(9月2日)にて

 

 

WPA(世界プール連盟)か

それ以外(主にマッチルーム)か。

 

プレイヤーは5ヶ月後に二択を迫られます。

 

…………

 

WPAは10月8日にカタールで総会を開催。

その決議を翌9日に関係者向けの

プレスリリースの形で公表しました。

 

多くのプールプレイヤーにとって

望ましくない決定がくだされました。

 

以下でリリースの抄訳を記しますが、

先に要点をまとめると、

 

◯ 2024年3月1日からWPA非公認の大会に参加する選手はWPAランキングポイントを全て失い、WPA公認の国内・大陸・国際レベルの大会に参加できなくなる

 

◯ WPA公認大会への復帰を希望する選手は、6ヶ月間いかなる大会にも参加することができない。また、復帰する際に、罰金500米ドルを選手の所属する国内連盟に支払う

 

ありのままに言えば、来年3月以降は、

“WPA系”大会と

“マッチルーム系”(wnt.)大会、

両方に出ることは出来なくなり、

どちらかだけでの競技活動を迫られます。

 

BDでも複数回この問題に触れてきましたが、

やはりそうなってしまうのかという印象です。

 

この構造はキャロム界の

UMB(世界連盟) vs PBA(新プロツアー)

と似ています。

 

本稿の時点ではまだマッチルームの

リアクションはありません。

 

そして、各大陸・各国のビリヤード連盟も

これから何らかの声明やリリースを

出すことになるでしょう。

もとからある各大陸・各国ビリヤード連盟は

ほぼ全てWPA傘下なので、

今回の決定に追従する(せざるを得ない)

連盟が少なくないと思われます。

 

…………

 

以下、レターの抄訳です。

 

◇ 世界プール協会プレスリリース

 

2023年10月9日

WPA事務総長ヨルゲン・サンドマン

 

『カタールオープン』が開催され、WPAの年間賞金総額が男女合わせて500万米ドルを突破した記録的な年に、さらに30万米ドルのイベントが開催されることに伴い、WPA 総会が開催された。

 

総会では、WPA傘下の全6地域で青少年育成プログラムを財政的に支援することが決定された。このプログラムは、世界的にスポーツの継続的な成長を続けるために、財政的支援とトレーニング支援の両方を提供する。

 

さらにWPAは、WPA非公認の大会が世界中で増えているという、どのメンバーも議論を楽しみにしていなかった問題に対処しなければならなかった。

 

WPA総会では、解決策を模索し、プロモーターとのコミュニケーションを継続するための最後の試みが報告されたが、答えは「ノー」であった。そのため、現状を打開するための最善の方法を議論する以外に選択肢はなかった。

 

長い審議の末、議会は以下のように決定した: 

 

選手は、WPAのもとで各国・大陸連盟の代表を続けるか、WPA以外の大会やトーナメントにのみ参加するかを選択するため、約5ヶ月間の猶予を与えられる。

 

2024年3月1日からWPA非公認の大会に参加する選手は、以下のような影響を受ける: 

 

WPAランキングポイントを全て失い、WPA公認の国内、大陸、国際レベルの大会に参加できなくなる。WPA公認大会への復帰を希望する選手は、6ヶ月間いかなる大会にも参加することができず、復帰する際には罰金500米ドルを所属する国内連盟に支払う。

 

(了)

 

…………

 

一部のプレイヤーはすでに自身の意向を

SNSなどで表明しています。

 

いち早くこの件に反応した

アメリカNo.1プレイヤーの

S・バンボーニングは、

「WPAの管理下を離れる」と明言しました↓

 

バンボーニングは

他の多くのプレイヤーと異なり、

活動資金(スポンサー)が十分にあり、

名声と実績もすでに築いている選手。

 

「出る大会を自分で選べる立場」

(協会や連盟に縛られにくい立場)に

いることは確かです。

 

 

バンボーニング記:

 

自分が言うべきことは4つある。

 

1. プロ選手が来年や将来に向けてどの大会に出場するかを選択しなければならない状況に置かれていることはビリヤード業界にとって不幸なことである。

 

2. バイバイWPA! 選手やプロモーターを悪い状況に追い込むような団体を支持することはできない。私はマッチルームのイベントと、おそらくWPAやBCA(※BD注:アメリカの連盟)が公認していないアメリカ国内の小規模なイベントのみに出場するつもりだ。私たちのスポーツが今後どうなっていくのか……ただ覚えておいてほしいのは、他の選手に「私に続け」と言っているわけではないということだ。

 

3. 選手がどの大会をプレーするかを誰かに指示されるべきだとは思わないし、自分のことは心配しないが、私のようにスポンサーからのサポートがない選手のことは心配だ。限られた大会にしか出場できないことで、彼らのお金を稼ぐ能力は制限されることになる。

 

4. 私がプレーするトーナメントが減り、湖で過ごす時間(※BD注:趣味の釣りの時間)が増える。そして、このナンセンスなことがすぐに変わることを願っている!

 

(了)

 

………… 

 

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