〈BD〉GoProで見る【シュートアウト】 by 赤狩山幸男

 

10ボール国際プロツアー、

『プレデタープロビリヤードシリーズ』で

定番になっている

「シュートアウト」のGoPro動画です。

 

シュートアウトとは何かと言いますと、

セットカウント1-1の時などに行う、

サッカーのPK戦のような

規定配置(↑)でのシュート勝負です。

 

1ショットずつ交互に4回撞き、

多く入れた方が勝ち。

成功数が同じ場合、

より距離を遠ざけた配置で

「サドンデス」を行います。

 

この試合映像↓の1h30minからを

見ていただくと良いと思います

(これは「サドンデス」が長く続いた

珍しい例ですが緊張感は伝わるかと)。

 

 

…………

 

シュートアウトは、

定番のシュート練習の形の一つである

「フットショット」よりも少し薄い球で、

プロやハイアマでも

「楽勝」とは言えないような

絶妙な按配の球だと思います。

 

そんなシュートアウトを、

撞き手目線で見てみるとどうなのか。

 

赤狩山幸男プロにご協力いただき、

半年前に撮った動画を

今やっと編集しました。

こちら↓をご覧ください。

 

  

この動画にテロップを入れるために

最近になって赤狩山プロから

コメントをいただいたのですが、

赤狩山プロはちょうど先日の

ラスベガスオープン』でも

シュートアウトを撞いたばかり

ということもあって、

当事者目線で体験談を

教えてくださいました。

Q&A形式で書き残しておきます。

 

…………

 

――このGoPro映像を見ての感想は?

 

赤:自分の目で見たまんまと言っていい光景で、違和感はないです。キュー出しの感じもイメージ通りですし、身体も残せていると思います。

 

――このシュートアウトの形は練習で撞くことはありますか?

 

赤:シュートアウト対策で、ということではなく、昔からこの形は練習メニューに入っていて普段撞いてます。ラックシートが普及してもう長いですけど、ラックシートでラックを組むとだいたいここにラストボール(9番や10番)が残るので、それを想定して、ここに的球を置いて色々な距離・厚みで入れる練習をしています。

 

――より遠い第2段階(サドンデス)の形も?

 

赤:いや、遠い方の形は普段撞いてないですね。むしろ手球をさらに遠ざけて、ポケット穴前に置いた形でのシュート練習はしています。

 

――単純にシュートアウトは難しいですか?

 

赤:難しいです。練習ならまだしも、実戦でPK戦みたいな方式で撞くとそんなに入れられる気はしてません。僕はこれまで4回本番でシュートアウトを撞きましたけど(そのうち3回勝利)、本番では正直球が入るイメージがあまりないまま構えに入ってますね。プレデター系トーナメントで使っているテーブルも穴幅をどんどん絞っているので余計に入る気がしないです。トッププレイヤー達もちょっとでも撞点とスピードがイメージとズレたらすぐ失敗する球だと思います。会場で他の人が撞いてるのを見て、「皆、よく入れてるなぁ」と思います(笑)。

 

――これを入れるコツとは?

 

赤:もう基本に忠実にやるしかないです。厚みを確認して構えに入って、身体を残すことを意識しながら、撞点や力加減のズレがないように丁寧に撞く。それだけです。

 

――この動画では赤狩山プロは【撞点:上】で撞いてますが、ラスベガスオープンでは【順下】で撞くこともありましたね。

 

赤:そう。本番では左右で撞点が違ってました。左から撞く時はこの動画と同じで撞点は上だけ(押し球)。でも、右から撞く時は下+やや右(順下)で撞いてました。自分でもはっきりわからないんですけど、本番で右から撞く時はなぜか順下で構えた方がイメージが良くて、実際しっかり撞けるし、ボールの動きが安定してるように感じられました。身体の構造的にも右利きの人は右ヒネリが撞きやすいから、それもイメージの良さに関係しているのかも。

 

――左右で撞点を変えてた人は赤狩山プロぐらいでしたか?

 

赤:プエルトリコオープン』で対戦した呉坤霖(台湾)が僕と同じでした。彼も右から撞く時は順下で、左から撞く時は押し球。「おー、一緒だなぁ」と思ったけど話はしてません(笑)。もしかしたら他にも同じスタイルの人がいるかもしれません。

 

――第一段階の時、赤狩山プロは手球をレール寄りに置いていません。心理的にはレール寄りに置いて、より厚い形を撞きたくなるものかなと。

 

赤:僕がレール寄りに手球を置かない理由は2つあって、一つはブリッジ(左手)をラシャ上に置いて組みたいからです。手球をレール寄りに置くと当然ブリッジはレール上になりますし、そうするとキューレベルやアングル(キューの高さと傾斜)が普段とはどうしても違ってくるので、成功率が下がることもあるかなと。

 

――もう一つの理由は?

 

赤:より遠い形(第二段階。サドンデス)を撞く時と厚みを同じぐらいに揃えたいからです。単純に「距離だけ遠くなった。厚みは変わらない」という風にした方が、第一段階から第二段階に進んだ時に、「ほぼ同じ球だから」と同じように狙って同じように撞きやすくなる気がします。第二段階ではどうしてもブリッジがレール上になっちゃうんで同じようには構えられないんですけどね。

 

――この球はプレデター系イベントに出ない人も練習をした方が良いと思いますか? そして、練習の進め方は?

 

赤:はい、思います。通常のゲームでもラストボールがここにあることが多いから。それに、ラストボールとかシュートアウトを抜きにしても、試合でこの距離・厚みの的球を撞くことはそこそこあります。練習の進め方は……まずはノー(ヒネリなし)で上・中・下の撞点でたくさん撞いて入れる感覚を養うこと。ヒネリを使うのはその後です。あとはヘッドアップせず、しっかり身体を残す意識でしょうか。基本と言えば基本ですが、それしかないと思います。

 

(了)

 

………… 

 

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