〈BD〉【後編】イギリスビリヤード留学中の林武志選手に聞いてみた。

Photo : Takeshi Hayashi ※以下全て
Photo : Takeshi Hayashi ※以下全て

 

7月7日に掲載した、林武志選手の

「イギリスビリヤード留学」

インタビューの【後編】です。

 

…………

 

 

 (~前編より続く~)

 

 

――林選手自身が今課題だと捉えていることとは?

 

林:自分なりの課題は、調子の良い時にこそ気を抜かないようにすることです。当たり前のことですが、私は詰めが甘く、大事な場面で決め切る事が出来ないことがあります。ポケットでは穴が広いこともあり、「入っちゃう」ことがありますが、スヌーカーではそれは通用しません。なので調子の良い時にこそ、最後に一呼吸おける余裕を持てるよう、スヌーカーを通して鍛えたいと思っています。

 

――イギリスでもう試合には出ましたか? 公式戦でもハウストーナメントでも。

 

林:まだ出ていません。スヌーカーの試合に出られるかはわかりませんが、出たいと思っています。ポケットのハウスは出たいと思いますが、ハウスをやっているビリヤード場が遠いので、現在は計画段階です。

 

――アカデミーの同僚や仲間は皆さんどんな境遇の方なのでしょうか。

 

林:あまり詳しくは知りませんが、10~20代でプロを目指している方が多いと思います。私のように練習だけという方も一部います。ただ皆さん本当にレベルが高く、平気でセンチュリーや147を出すような方々ばかりです。プロを目指している人ですから当然なのかもしれませんが……。

 

――まだ渡英して数ヶ月ですが、プレイヤーとしての成長は感じていますか?

 

林:コーチにも言われた通り、下半身の意識は結構身に付いてきました。そのため、以前に比べて凡ミスが減ったなと感じます。また、ヒネらない真の厚みがより理解出来てきたと感じます。私は昔からどんな球でもヒネるタイプでしたが、不必要にヒネッていた場面もあり、真の厚みがわからなくなってました。スヌーカーでヒネることは少ないので、必然的にその悪い部分が矯正されていると思います。

 

プールを撞きに行った『Powerplay』(ダーリントン)

 

 

 

――イギリスでプール(ポケットビリヤード)は何回ぐらい撞きましたか? スヌーカーを学んだ上でプールをやるとどんなことを感じるのでしょうか。

 

林:4回撞きました。スヌーカーをやってたらポケットが楽に感じるというのは前から聞いてました。イギリスでの初ポケットは渡英して1ヶ月経った頃だったんですが、キューを持った時の違和感が半端じゃなくて、撞く時の感触も全然違うし、これは球が入りやすくなるどころじゃないと思いました(笑)。でも、セーフティや手球コントロールは上手くなったかもしれません。前よりもヒネリに頼ることが無くなったことが要因かなと。ちなみに、日本の標準的な高さよりも10センチくらい台が低いです。

 

――ここからは生活面のことをお聞きします。言葉の問題はありませんか?

 

林:全く問題がない訳ではありませんが、簡単な会話なら気合いである程度のコミュニケーションは取れます。フィーリングですよ(笑)。とはいえ、やはり難しい会話になると聞き取るのも難しく、自分の言いたいことを伝えるのも一苦労です。頑張って聞こうとしてくれる人もいますが、中には暴言を吐いたり、嘲笑する人もいます(笑)。そんなこともありますが、特に問題はなく生活できてますね。

 

――どんな部屋に住んでいますか?

 

林:家は駅の近くの住宅街の一角のアパートみたいな所です。自分含めて3人で暮らしています。家には大きいキッチンとユニットバスが付いています。部屋は1階と2階合わせて5つあります。私の部屋は4畳半くらいですかね。一人で暮らす分には十分です。なぜかピアノが置いてありますが、私は弾けません(笑)。

 

住居と自室とケバブと、「現地の床屋に行った後の私(笑)」

 

 

――食事はどうしていますか?

 

林:主食はパンで、自炊はあんまりしませんね~、目玉焼きを作るくらいです(笑)。基本はスーパーで買ってきたパンにマーガリンやジャムを塗るか、ハムとチーズを乗っけて食べることが多いです。近くのスーパーにも一応、日本の米やカレーなどが売ってますが、高いので買いません。でも正直、イギリスの肉やサラダの味は微妙です。日本の方が味がしっかりしていると思います。ちなみに一番まずかった食べ物は自分で作ったパスタです。だから自炊しなくなったのかな……(笑)。

 

――外食で美味しいと感じた食べ物は?

 

林:ケバブです。街の至る所にケバブ屋さんがあって、週2ペースで食べてます。ボリュームがあり、値段も700円くらいです。あとはサブウェイやマックがあり、味もボリュームも日本と変わらない感じでした。

 

――平均的な一日のスケジュールはどんな感じですか?

 

林:起床8時で、9時頃にアカデミーに行き練習。昼にご飯を食べて、また17~18時頃まで練習します。その後は家でゆっくりするか、買い物に行くか、知らない所を歩くのが好きなので、運動がてら散歩したりもします。ただ最近は、たまに近くの大学に英語の勉強をしに行ってます。大学は朝から昼までなので、昼過ぎからアカデミーに行く日もあります。

 

――オフの日はありますか?

 

林:アカデミーはいつでも練習していいよって感じなので、オフ日というものは特にありません。ですが週末などは、リフレッシュのために早めに練習を終えて家族や友人と連絡を取ったり、行ったことのない地域まで行ってみたりします。また、イギリスに来てから仲良くなった方に誘われたら、近くのビリヤード場までポケットを撞きに行くこともあるので、その日は実質オフ日みたいな感じです。

 

――現地生活にはもう慣れましたか? 日本が恋しくなることは?

 

林:もう結構慣れました。たまに家族や友人とも連絡を取りますし、普通に生活する分には何ら問題ない環境で、周りの人もとても良い人でストレスは特にありません。日本が恋しくなるかと言うと……やっぱり日本食は少し恋しいです。昔からパンが好きなタイプですが、それでも和食は食べたいなと思います。最近はYouTubeで観た、お寺の修行僧が食べる精進料理が美味しそうだなーと感じました(笑)。

 

――イギリス留学の期間は決まっていますか? 日本に戻ってからは?

 

林:今のところの予定は来年の1月までです。現在は大学を休学しているので、日本に戻ってから大学に復学し、就職活動もするつもりです。大学を卒業してからは就職し、ポケットのプロになる予定です。

 

(了)

 

…………

 

Takeshi Hayashi

生年月日:2000年11月4日(21歳・大学4年生・休学中)

出身・在住:岐阜県出身・神奈川県在住

所属:KPBA、インフィニティ

主な戦績:2015年『全関東学生ナインボール』優勝

2015年『世界ジュニア』日本代表

2016年『神奈川県知事杯』優勝

2017年『第57期名人戦』挑戦者(史上最年少。当時16歳)

使用キュー:ADAM JAPAN(ポケットビリヤード)、Mongkol Cues(スヌーカー)

Supported by NewArt、金沢スポーツ

林武志 TwitterYouTube

 

 

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