〈BD〉Made in Japanの人気シャフト『風神』『雷神』誕生の経緯とは? 『空 kuh』(埼玉)訪問。BD読者特典あり

 

カーボンファイバー製シャフトが

次々に登場するビリヤード界で、

 

着実にユーザーを獲得し、

ポケット・キャロムのプロ達も

信頼を寄せるメイドインジャパンの

木製ハイテクシャフトがあります。

 

『風神』と『雷神』。

この勇ましい商品名を

見聞きしたことのある人も多いはず。

 

そのブランド、『空 kuh』の

製作拠点を初めて訪問しました。

 

…………

 

『空 kuh』の母体はIT企業。

2018年からシャフト作りを始めました。

 

当時は都心にオフィスがあり、

そこに工作機械も置いていましたが、

より広いスペースを求めて

2021年に埼玉県新座市に移転。

 

BDはその新オフィスを

2022年1月に訪れました。

 

まず目に飛び込んで来たのは

1台のポケットテーブルと

広い打ち合わせスペース。

 

壁には進捗表が掲示されていて、

多くのシャフトが同時並行で

製作中であることがわかります。

 

その奥の製作スペースには、

無数のシャフト材と複数の工作機械、

そしてテキパキと作業をする

スタッフの姿がありました。

 

 

市販の旋盤などもありますが、

根幹の工程を担う工作機械の多くは自作。

本体も制御プログラムも

一から作ったのだそう。

 

画像のシャフト材を挽く

マシーンがまさにそれ。

代表で企画開発担当の中野さんから

話を聞くまで自作機械だとは

思いもしませんでした。

 

「品質の安定と生産効率を追求したら

こんな製作環境になりました。

高精度で均一に作るために

機械制御はなくてはなりません。

お客様の注文データも全て管理してあり、

例えば『前回と同じ寸法・仕様でもう1本』

というご依頼にもすぐ対応できます」

(中野さん)

 

細かな要望に応えつつも

マスプロダクション(量産)を

志向している『空 kuh』は、

“もの作りをするための場所作り”も

同時に行っています。

 

事務所はまだたっぷりと

スペースに余裕があるのですが、

将来的に作業場を拡充することも

見越しているのでしょう。

 

…………

 

『空 kuh』で作っているシャフトは

2種類(ともにポケット用・

キャロム用あり)。

 

風神(ロゴ下の小さな数字はシリアル番号)
風神(ロゴ下の小さな数字はシリアル番号)
雷神
雷神
競技の特性とシャフトとの適合性から、タップはポケット用がミディアム、キャロム用はハードを標準装備。先角の材質もポケットとキャロムで分けている
競技の特性とシャフトとの適合性から、タップはポケット用がミディアム、キャロム用はハードを標準装備。先角の材質もポケットとキャロムで分けている
風神のポケット用(下)とキャロム用(上)を並べて撮影
風神のポケット用(下)とキャロム用(上)を並べて撮影

 

『風神』は、メイプル1本木+

特許取得済みの内部支持構造+

先端部中空構造。

 

木の打感とハイテク性能の両立が特徴で

押し引きヒネリ・パワーなどの

バランスが良いタイプ。

 

『雷神』は、メイプル張り合わせ+

特許取得済みの内部支持構造+

先端部中空構造。

 

風神よりパワー強化&トビ低減で、

木の打感は残しつつ

風神と比べてカーボン寄りの性能。

 

風神 or 雷神で言えば

これまでのところ風神ユーザーが多く、

ポケット or キャロムで言えば

ポケット用のオーダーが多いのだとか。

 

『空 kuh』の公式サイトに、

ブランドコンセプトから

シャフトの特徴までわかりやすく

載せられていますので、

詳しくはそちらをご覧ください 

(※オーダーフォームもサイト内に)。

 

…………

 

FAR EAST CUESバット + 風神シャフトのコラボキュー。上のキューのバットはブビンガ+オークバールグリップ、下のキューは黒檀+神代タモグリップ
FAR EAST CUESバット + 風神シャフトのコラボキュー。上のキューのバットはブビンガ+オークバールグリップ、下のキューは黒檀+神代タモグリップ

 

↑こちらはほぼ同時期に設立された

日本のキューメーカー、

FAR EAST CUESとの

コラボレーションキュー。

 

FAR EASTの銘木ストレートバットに

『風神』シャフトを標準装備した

ポケット用キューです。

 

…………

 

最後に、中野さんと

マーケティング担当で

共同代表の清水さんのお二人に、

『空 kuh』立ち上げの経緯と

ブランドコンセプトをお聞きしました。

 

 

――「IT企業から生まれたシャフトブランド」。興味深いバックグラウンドです。

 

清水:設立メンバーの多くがビリヤードを通じて出会っていたので、IT仕事の合間にビリヤード話に花が咲くような環境でした。特に中野はアイディアマンで以前から色々なビリヤード用品のことを考えていました。

 

中野:シャフトもそのうちの一つで、以前から自分で好きなように加工して楽しんでいたんですが、試しに自分が思う理想のシャフトを作ってみました。それを清水に見せたら……

 

清水:とても性能が良かったので「プロでも欲しい人がいるんじゃないか」と。世に出ているものとは一味違う良いものが出来ると思いました。ただ、会社の事業としてやるなら量産体制を整えなきゃいけない。

 

中野:専用の機械がなければ生産量も品質も上げられない。性能ももちろん追求していますが、商品として売るならまず品質が揃っていることが第一です。そのために機械・ソフトウェア・製作環境など、良いものを安定生産するための仕組み作りから考えました。

 

清水:会社の強みであるITがそこで生きました。工作機械とその制御プログラムなどは全て自分たちで設計製造していますし、シャフト構造については特許を取得しました。そして契約プロの方々の意見をその場で取り入れて改良を重ねています。

 

中野:これは機械を含めて自分たちで作っているからこそだと思います。Made in Japanのこだわりと言いますか、細かいことも疎かにしたくない。今に至るまでその試行錯誤の日々だったと思います。

 

――シャフト性能の方向性は当初から明確だったのですか?

 

中野:試作段階から「これがいい」という理想形はありました。「見越し」(トビ)が小さいハイテクシャフトはどうしてもパワーロスをしやすい傾向にあるのですが、その両立ができ、さらに打感・打音がよく振り抜きやすいバランスのシャフトを目指しました。……ということを割と最近になって言葉として言うようになりました。以前私は「平均的にどの要素も高いですが、いい意味で特徴がないのが特徴です」と言うことが多かったです。

 

清水:言い換えると「性能の各要素をレーダーチャートで表した時に凸凹のない綺麗な丸型になる」ようなシャフトが理想でした。プレーに必要な要素が高度にバランスよく揃っているシャフトです。すごく引ける・押せる・見越しが少ない……と飛び抜けた性能を売りにしているシャフトもありますが、どこかを強化すると引き換えにどこかが下がってしまいがちなので、『風神』『雷神』はそういう特化型ではなく、試合などの実際のゲームでプレイヤーが安心して使えるシャフト性能を追求しました。

 

中野:そこを認めてもらえているのか、競技志向のリピーターさんが多いですね。スペアとしてお求めになる方、手持ちの別のバット用にも購入される方など様々です。

 

――『風神』『雷神』というネーミングは?

 

中野:社内公募で(笑)。ブランド名の『空 kuh』もほぼ同時期に決まったと思います。

 

清水:先にメイプル1本木のシャフト(『風神』)が完成したんですが、その時すでに張り合わせタイプ(『雷神』)も出すと決めていたので、対になる名前がいいなと。

 

――2種類出すことも初めから決めていたのですね。

 

清水:「ハイテクシャフト=張り合わせ」という認識も未だに根強いですよね。プレイヤーがシャフトに求めるものは一様ではないので選択肢となるものがあるといいなという考えもありました。

 

中野:個人的にはメイプル1本木の打感が好きですが、張り合わせで作ったらどうなるんだろうという純粋な興味もありました。作ってみたらこれはこれでとてもいい性能に仕上がったので2本立てで行こうと。

 

清水:雷神の方が価格が高いということもあって、風神ほどの本数は出てないですけど、最近は雷神の人気も高くなってきています。木のシャフトでこんなものができるの? と驚かれることが多いです。

 

ワッペンと保証書
ワッペンと保証書

 

――ビリヤード部門の立ち上げから約4年。今や『風神』『雷神』は国内でかなり知られたシャフトになっていますし、さらに広がって行くポテンシャルがあると感じます。お二人の中では手応えを感じた時というのはありますか?

 

清水:事業規模としてはまだ小さいですが、契約プロの方々のご活躍や、ユーザーさん同士の繋がりや評価などのおかげで少しずつ知っていただけるようになりました。

 

一つ挙げるなら、最も初期の段階で試作シャフトを界敦康プロ(JPBF)に認めていただいたのは大きかったです。中野がお客さんとして界プロのお店(東京『マルス』)で撞いていたので、初めのうちは社交辞令もあったと思うのですが、『先角をこうすればもっと良くなる』などと具体的なことをおっしゃっていただけるようになり、「これはひょっとするといいものになるんじゃないか」という感覚がありました。

 

当時のものを今見ると見栄えはよくないし手作業で作っていたのでテーパーのばらつきもありましたが、道具にお詳しくてしっかりとしたこだわりをお持ちの界プロが、真剣にうちのシャフトを評価した上で色々なアドバイスをくださったので、「そこを直せばいいものが出来るはずだ」と方向性が定まった感じがしました。

 

中野:時間はかかりましたが、界プロをはじめプロの方々に試合で使っていただけるようになったのは大きかったですね。

 

試作シャフトの頃から、根本にある「自分達が良いと感じるシャフトを作ろう」という思いは変わらないですし、ものに自信は持っていました。でも、「風神・雷神『が』いい」と認めてくださるユーザーの方々に出会えるようになってきたなと実感したのは本当に最近のことです。他メーカーからも様々なシャフトが出ている中でうちのシャフトと巡り合うというのは、やはり周囲の方々のご助力もあってのことだと思います。

 

…………

 

現在、『空 kuh』では、

すでに名前が公表されている

ブレイク専用シャフト『炎神』を

はじめ新シャフトを開発中で、

他に新しくメンテナンス用品も

企画中だとのこと。

 

ゆくゆくは海外展開も視野に

入れているという『空 kuh』。

その動向と新商品にご注目ください。

 

近日、BDでは文中にも登場した

界敦康プロともうお一人のプロに

ご登場いただき、プロ目線での

『風神』シャフトのインプレションを

お聞きします。

 

…………

 

【期間限定・BD読者特典あり】

 

期間限定! 2月末までのご注文で、注文フォームの問い合わせ欄に「BDを見た」とご記入いただくと10%OFF。

ご注文はこちらから→ https://kuh.tokyo/index.html

 

 

………… 

 

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