〈BD〉【寄稿】コロナ封じ込めに成功のニュージーランド。現地トップ選手のマーク・チョウに話を聞いてみた by 岡﨑智也

Photo courtesy of Massé
Photo courtesy of Massé

 

2019年にニュージーランド(NZ)に

滞在していた、ビリヤード好きの

京大生・岡﨑智也さん。

 

何度かBDにNZプール事情を

寄稿してくださった岡﨑さんが、

今回はその番外編として、

現地トップ選手のマーク・チョウに

インタビューをしてくれました。

 

コロナ感染拡大の封じ込めに成功している

NZでは、昨年国内ビッグイベント、

『NZ選手権』が開催されました。

マークはそのチャンピオンです。

 

…………

 

Photo courtesy of Tomoya Okazaki
Photo courtesy of Tomoya Okazaki

 

岡﨑智也・記

 

皆さん、こんにちは! 岡﨑です。

 

なかなか新型コロナウイルスの

感染拡大が止まりませんが、

いかがお過ごしでしょうか。

 

私自身、NZから帰国したのが

ほぼ1年前なのですが、

まさかこれほどまでに世界が

変わるとは思ってもみませんでした。

 

さて、そのNZですが、

徹底したコロナ対策により、

今や世界から注目を集める国になっています。

 

現地では昨年(2020年)3月から

5月にかけてロックダウン(都市封鎖)を実施。

 

また、国外からの渡航者には

2週間の自主隔離が義務付けられました

 

(※NZトップ選手のM・エドワーズが

2020年3月のアメリカ遠征からの

帰国時にコロナ陽性反応が出たことが、

当時は大きなニュースになりました)。

 

これらの取り組みにより、一時は

市中感染者ゼロを達成・維持していました。

 

その後8月に市中感染者が確認されたことから、

再びロックダウンを実施。

 

感染拡大が収束した現在は、

コロナ以前の生活が戻ってきているようです。

 

それに合わせてビリヤードの試合も再開。

当初8月に開催予定だった

『2020 NZ選手権』は12月に開催されました。

 

2019年のNZ選手権の様子 Photo courtesy of Tomoya Okazaki
2019年のNZ選手権の様子 Photo courtesy of Tomoya Okazaki

 

9ボールの部が2日間、

10ボールの部が2日間の

計4日に渡るビッグイベントです。

 

その舞台で

「10ボール優勝&9ボール準優勝」

という素晴らしい成績を残した

Mark Chiu(マーク・チョウ)が、

本稿の主役です。

 

台湾出身でNZに移住してきたというMark。

NZビリヤード界のトップ層の一人です。

 

私がNZにいた時には、

試合などで球談義をしたり、

一緒にご飯に行くような仲でした。

 

お互いアジア系で、

英語はノンネイティブということもあり、

気が合って話しやすかったのだと思います。

 

そんなMarkが生い立ちや

ビリヤードのことなどを語ってくれました。

 

…………

 

Mark Chiu(マーク・チョウ。邱炯豪、Chiu Chiung Hao。チョウ・チョンハオ)

 

1987年4月17日生/台湾・台中出身/NZオークランド在住

『2019 オークランド10ボール選手権』優勝

『2020 オークランド9ボール選手権』優勝

『2020 NZ10ボール選手権』優勝

『2020 NZ9ボール選手権』準優勝

『2019 NZオープン』準優勝

他、上位入賞多数

使用キューはCUETEC

スポンサー:CUETEC

好きな種目:9ボール

好きな選手:柯乗中(カー・ピンチュン)

 

Photo courtesy of Massé
Photo courtesy of Massé

 

――まず初めに、自己紹介をお願いします。

 

M:日本の皆さん、はじめまして。Markです。台湾出身で、今はNZ最大の都市、オークランドに住んでいます。電子回路設計技術者として働いていて、ビリヤードが趣味です。

 

――どういったきっかけでNZに移住されたんですか?

 

M:台湾にいた時に、今の勤務先であるNZの会社と連携して仕事をしていたんだ。たぶん仕事ぶりが評価されてのことだと思うんだけど、その時にNZでの仕事のオファーをもらったんだよ。もちろんそのオファーを受けて、この美しい国で生活を始めたってわけさ。

 

――なるほど。ではビリヤードの話に入りましょう。ビリヤードは台湾で始めたのですか? ビリヤード歴はどれくらいですか?

 

M:そうだね。15歳の時に始めた。ビリヤードは趣味というか、それ以上のものだったね。だいたい放課後は、母から「夕飯だから帰ってこい」って電話がかかってくるまでビリヤード場で過ごしていたよ。高校と大学の間は、学校のビリヤードチームにも所属していた。大学を出た後は、仕事とかいろいろ理由があってビリヤードを辞めてしまってね。NZに来てからもう一度キューを手に取ったってわけさ。だからトータルのビリヤード歴は15年以上だね。

 

――2020年の『NZ選手権』でもあなたは素晴らしい戦績を残しましたね(10ボールの部で優勝・9ボールの部で準優勝)。ご自身の結果を振り返っていかがでしたか?

 

M:ここ3年ほど、NZタイトルを目標にしていたから、とても嬉しいし満足している。夢が叶ったと思ったし、自分がこれまでやってきた練習の努力も報われるよ。

 

――2020年の『NZ選手権』は当初8月に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響により12月に延期されての開催でした。試合を主催したNZPA(New Zealand Pool Association)は何か感染対策をとっていましたか? また、それについてあなたはどう感じましたか?

 

M:NZ政府から様々な行動指針が出されて、ビリヤード場もそれを忠実に守っている。試合の間、ソーシャル・ディスタンスはよく保たれていたし、何かあった時に政府が接触者を追跡できるように、エントリーする時にQRコードを読み取るよう言われたね。会場の衛生面も、店のスタッフによって十分ケアされていた。いつも試合前には握手をするけど、その代わりに肘を突き合わせていたよ。

 

Photo courtesy of Massé
Photo courtesy of Massé

 

――そして、あなたは昨年11月にNZPAとは異なる団体Masséの招待制トーナメントにも出場し、ファイナリストになりました。いかがでしたか?(※NZには「NZPA」と並んで「Massé」という団体があります。NZPAはWPA公認ですが、Masséは公認団体ではありません。そのMasséが所属プレイヤーの中でトップ8人を招待し、トーナメントを実施しました)

 

M:素晴らしい舞台だった。MasséはYouTubeとテレビでライブ配信をするために、専門のSky TVチームを雇っていたね。NZでプレーした中で、最もフォーマルなトーナメントだったと言っていいと思う。決勝戦まで進むことができて、あのような素晴らしい会場で『2019 USオープン10ボール』の勝者(Marco Teutscher、マルコ・トイチャー)とプレーできたことを光栄に思うよ。

 

 

準決勝の試合動画↓

 

決勝の試合動画↓

 

――コロナ禍以前と比べて、練習量やモチベーションに変化はありましたか?

 

M:間違いなく変わった。新型コロナウイルスが流行った時、長期的なロックダウンがあったから、家にビリヤード台がない僕は全く練習ができなかったんだ。この期間は気持ちを切り替えて、ポッドキャストを聴いたり本を読んだりしてメンタルトレーニングをしていたよ。あとは他の国でライブ配信されているビリヤードの試合を見て勉強したね。

 

――スポンサーの話に移りましょう。あなたは一昨年からCUETECよりスポンサードされていますね。どのようなきっかけでスポンサードを受けられたのですか?

 

M:実は今年ちょうどCUETECとのスポンサー契約を更新したところなんだ。一緒に働かせてもらえてとても嬉しいよ。そこまでの経緯は偶然なんだけどね。まず自分がCUETECのカーボンシャフトを試したくなったんだけど、NZで取扱店を見つけられなくて。CUETECのウェブサイトでメッセージを残したら、マーケティング部長が僕に連絡を取ってくれてオーダーすることができたんだ。それからもやり取りを続けていて、彼が僕のfacebookを見て、僕がNZのビリヤード選手だと知ってくれてスポンサーシップを提案してくれたんだ。

 

――今後来日する予定はありますか? あなたのレベルだと、『ジャパンオープン』や『全日本選手権』に参戦して好成績を残せそうな気もしますが。

 

M:もちろん。これまで3度日本を訪れていて、とても楽しい時間を過ごせたよ。『全日本選手権』は僕がプレーしたいと思っている国際トーナメントの一つだ。このパンデミックが終われば、ぜひ日本を訪れてプレーしたいね。

 

(了)

 

…………

 

Thank you, Mark!

 

私が驚いたのは、

感染対策のところでマスクの着用が

義務付けられていなかったことです。

 

私自身、日本に帰国してからも

現地のニュースはチェックしているのですが、

動画や写真の中で

マスクをしている人はあまり見られません。

 

マスクをする文化がないこととともに、

マスクなしで生活できるほど

元の状態に戻ってきているということでしょう。

 

日本でも感染拡大が収束し、

元通り試合が開催されるように

なってほしいですね。

 

さて、話は変わりますが、

私、岡﨑より宣伝です。

 

ここBilliards Daysさんでも

記事にしていただきましたが、

 

ワールドトッププレイヤーの

ニールス・フェイエン(オランダ)による

メンタルレッスン

『ターミネーターカレッジ』

(Terminator College)が

日本語に対応したことは、

皆さんご存知かと思います。

こちら

 

そこでの日本語翻訳は

私が担当させていただきました。

 

試合におけるメンタルの話はもちろん、

自分を客観視するための方法や、

日常生活において取り組めることの提案など、

その内容は多岐に渡ります。

 

もちろん自分に合う内容だけを

取り入れることも可能ですし、

申し込んでいただければ

視聴期限はありませんので、

時間に余裕ができた時に

何度でも確認することができます。

 

技術は言わずもがなですが、メンタルもまた

ビリヤードを構成する要素の一つ。

 

Markが上のインタビューで話していたように、

自粛期間をメンタルトレーニングに

充てるという選択も良いかもしれませんね。

 

そのお供に、ぜひフェイエンのレッスンを

利用してもらえたらうれしいです。

 

フェイエンのレッスンに

興味を持っておられる方の中で、

何かご質問のある方は、

私、岡﨑までご連絡ください。

メール: tommyzac.nz@gmail.com 

 

…………

 

岡﨑さん、今回もありがとうございました!

 

※岡﨑智也さん 寄稿その1:

『NZオープン』参戦記

 

※寄稿その2:

NZ最大級ビリヤード場、

Pool & Bluesに行ってみた【前編】

 

※寄稿その3:

NZ最大級ビリヤード場、

Pool & Blues、に行ってみた【後編】

 

※寄稿その4:

NZトップ選手、マットとモルルディーに聞いてみた【前編】

 

※寄稿その5:

NZトップ選手、マットとモルルディーに聞いてみた【後編】

 

※寄稿その6:

NZ在住日本人ビリヤードファンの仕事・暮らし・球ライフ

 

※寄稿その7:

『ニュージーランド8ボール選手権』に参加してみた

 

※寄稿その8:

環境・文化・日本との違い……NZでビリヤードするなら

 

※寄稿その9:

NZでBCA Pool Leagueシーズン最終戦に挑戦!

 

※寄稿その10:

M・エドワーズがコロナから快復 & NZでオンライン対戦スタート

 

 

 

…………

 

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