〈BD〉カスタムの輝き・「ボブ・ハンター」編

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画。

 

(※過去記事はこちら

 

今回紹介するのは、

アメリカを代表する14-1の名手として

1970年代から活躍。

1990年の『ワールド14-1』で優勝。

 

1993年からキュー製作を始め、

評価を得ていた『Bob Hunter』

(ボブ・ハンター・キュー)です。

 

…………

 

ご紹介するのは、2010年頃に

製作されたと思われる1本。

 

 

エボニー on エボニーの4剣。

 

ベニアは、

レッド、メイプル、オリーブ・シルバー。

 

剣の内側のダイヤ(ひし形)インレイと

ドット、さらに各所のリングにも

シルバーを使用。

 

スリーブもエボニーベースで、

フォアアームと同じベニア配色で

レクタンギュラー(長方形)を作り、

中にシルバーのダイヤインレイと

ドットを入れています。

 

クラシカルスタイルを一歩発展させた

艶やかで品のあるモデルです。

 

…………

 

大原氏・談:

 

「新品のボブ・ハンターです。

 

入手したのは2010年前後の『SBE』

(アメリカで年1回開催される

『スーパービリヤードエキスポ』)

だったと思います。

 

同じデザインで、エボニーのキューと

メイプルのキュー、2本出ていて、

 

『シルバーベニア使いが美しい

上品なキューだな』と思い、

2本まとめて入手しました。

 

正確に言えば、

私の持っていたザンボッティ1本と

ボブ・ハンター2本をトレードしました。

 

そのザンボッティは

『ガス』の方だったので、

相手の方が得をする取り引きだったかな

とは思っていますが……(笑)。

 

2本のボブ・ハンターを

日本に持ち帰ったところ、

あるお客さんが、このエボニーモデルの

ルックスに惹かれて商談が始まりました。

 

ですが、試打してみたら、

その方にとっては打感が硬すぎて

見越しもだいぶ出るとのことで、

結局メイプルの方を購入されました。

 

このエボニーモデルは

それ以来ずっと私の手元に残っていて、

他のいくつかのキューと同じく、

存在を忘れかけていたという訳です(笑)。

 

このキューはFor Sale。

参考価格は65万円としておいてください。

 

もともと14-1のトッププレイヤーとして

知られるボブ・ハンターは、

1993年頃からキュー製作を始めました。

 

初期はコグノセンティ

(ジョー・ゴールド)の工房を

間借りして作っていました。

 

コグノセンティの工房には、

ハイグレードな旋盤など、

良い工作機械が揃っていましたし、

 

ジョー・ゴールドは年の半分ぐらいは

しっかり休む人なので、

ボブ・ハンターにしても良い条件であり

良い環境だったのだと思います。

 

その代わり、しばしばコグノセンティに

デザインを『引用』されていましたね。

 

コグノセンティと

初期のボブ・ハンターには、

ほぼ同じデザインや

ちょっとアレンジしただけという

フローティングインレイのキューが

いくつもあります。

 

ジョー・ゴールドにしてみれば、

『安く製作場所を提供しているし、

お互いに同じ所にいるし、

まあ、そのぐらいいいだろう』

ぐらいのことだったのかもしれません。

 

その後、ボブ・ハンターは、

シカゴで自分の工房を立ち上げて、

 

デザインのスタイルも

フローティングインレイから離れて、

トラディショナルな剣ハギスタイルに

移っていきます。

そのまさに一番初期のキューがこれです。

 

トラディショナルであるだけでなく、

シルバーを上手く配して、

独自色を出そうとしています。

 

ボブ・ハンターの作風の変化を

象徴しているモデルである上に、

完成度もかなり高いというところに

このキューの価値があると思います。

 

そうそう、昨年(2019年)、

14-1のハイラン世界記録を久しぶりに

更新したJ・シュミット(アメリカ)。

 

彼は今はプレデターキューですが、

以前はボブ・ハンターを使っていて、

それで『USオープン9ボール』を

勝ちました(2006年)。

 

その『シュミットが使っていた

ボブ・ハンター』も以前私が購入し、

今は友人が使用しています。

 

そのことを知っていたからだと

思いますが、ある年の『ICCS』

(アメリカ『インターナショナル

キューコレクターズショー』)で、

 

いきなりボブ・ハンターが、

『ハイ! Mr. ヒデオ・オオハラ!』と

挨拶してきてくれて、

そこで初めてちゃんと喋りました。

ジェントルマンで穏やかな人柄でした。

 

近年はボブ・ハンター自身や

彼のキューの情報は耳にしていませんが、

これだけのものを作れる人ですし、

キュー製作を続けていたら嬉しいですね。

 

仮にキュー製作から離れていたとしても、

ご健在であればと思います」

 

(※BD註:ボブ・ハンターは

2010年頃に目の病気を患ったが、

手術と療養を経てキュー製作に

復帰したと言われている。

しかし近年は新作が出ている様子はない)

 

(了)

 

 

…………

 

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