〈BD〉「Kよ、どこへ行く。ビリヤード虹色商品」【後編】――Detective “K” season 5 episode 11

『キューシャーク・マルチツール』のディスプレイ。本体上面に名前やカンパニーロゴを入れる特注も請け負っていた。が、大量に発注する個人や会社はなかったのではと思われる
『キューシャーク・マルチツール』のディスプレイ。本体上面に名前やカンパニーロゴを入れる特注も請け負っていた。が、大量に発注する個人や会社はなかったのではと思われる

 

~8月6日掲載の【前編】より続く~

 

オレなりの

「ビリヤード虹色商品」の続きだ。

 

ただし、最終項の『トレーニングボール』は、

オレ的に良いと思ったものを挙げてあるぜ。

 

*****

 

★『ローラーブリッジ』

 

1枚目:正式な商品名は『オムニブリッジ』。ボールベアリングがついた通称ローラーブリッジ

2枚目:オムニブリッジのボールベアリングは、見た目それほど精度が高いベアリングを使っているようには見えない

3枚目:オムニブリッジの裏側。ここにブレイクキューのシャフトを突っ込んで使用する

 

 

 

ビリヤードの補助器具、

チョークやグローブ、エクステンションは

数多くの製品が市販されている。

 

見方を変えれば、

プレイヤーが個人所有する

デバイスは売れるということだな。

 

ところが、メカニカルブリッジだけは、

ビリヤード台備え付けのものを

使うプレイヤーがほとんど。

 

NBAルール第4条第2項では、

 

「メカニカルブリッジのヘッド部分の

大きさは最大80mm×130mmまでとする」

 

と明確に決められていて、

用具の自由度が少ないのがその理由だろう。

 

海外では、ビリヤード台の

コンディションがピンキリで、

そもそもメカニカルブリッジが

備え付けられていない店もしばしば。

 

そこで、ブリッジヘッドを持ち歩き、

必要な時にブレイクキューのキュー先へ

取り付けて使うプレイヤーがいる。

 

この通称「ローラーブリッジ」、

正式名称『オムニブリッジ』は、

シャフトを載せる部分に

ボールベアリングを取り付けた製品。

 

ストロークはとても滑らか、

キュースピードを上げても

重みがあって安定している。

 

ところが、

ブリッジ自体の厚みがあるため、

ボールが混みあった所に置きづらい、

透明プラスチック製のブリッジと

比べて手玉の撞点が見づらい、

縦位置の小さなベアリングでは

シャフトが外れやすい、等の欠点があった。

 

そもそも撞きヅラの配置で、

キュースピードを上げたショットは多くない。

一言でいえばオーバースペックだった。

 

オレが『スーパービリヤードエキスポ』で

買った際は、販売スタッフから

「値引きは一切なし」と言われ、

半分キレながら払ったが、

翌年以降見かけることはなかった。

単純に売れなかったのだろう。

 

*****

 

★『キューシャーク・マルチツール』

 

ホルダーやケースまで付属する、高級マルチツールのキューシャーク。アルミ製で重たい

 

 

 

 

本来、手ぶらで玉屋に行っても貸しキュー、

貸しチョークさえあれば

プレーできるのがビリヤードだが、

自前の道具を持つと荷物が増えるもの。

 

よって、少しでも持ち物を減らすため、

オールインワンのツールがあると便利だと

誰でも思う。

 

チョークホルダー、

ハンドパウダー入れ、

タップ削りを一体化したのが、

「キューシャーク」マルチツール。

 

アルミ製の筐体は耐久性に優れ、

専用ケースとホルダーも付属。

名入れサービスもあり、

所有する喜びも与えてくれる高級品。

 

安っぽい他のマルチツールと異なり、

ギフト用としても最適、……だったが、

 

使用頻度の低いタップ削り、

たまに使うパウダー入れ、

ショットごとに使うチョークホルダーを

組み合わせたのは失敗で、

 

どれも中途半端で大きくて

重いだけのシロモノだった。

 

オレも、うっかり買ってしまったが、

すり減ったチョークの外し方や、

パウダーの補充方法については謎のまま。

 

今はスタジオでキュー撮影用の台紙を

押さえておく文鎮となっている(苦笑)。

 

*****

 

★『トレーニングボール』

 

1枚目:『エレファントボール』。左が手玉。赤いサークルは、撞点の限界を示している。的玉は赤黒の境界線をポケットに向けてセットする。スロウを視覚化して確認もできる。

2枚目:『エイミング・バイ・ナンバーズ』のボールセット。左が手玉、右が的玉。考え方やボールの置き方は少し面倒だが、感覚ではなく理論で厚みを捉えることで、結構役に立った。※個人の感想です

3枚目:『ジャンプショットトレーナー』。マクダモットのロゴが撞点というのがオシャレ。フォロー、ストップ、ドローに加えてジャンプマッセの練習もできる

 

 

 

ビリヤードの技術向上を目的とした、

トレーニングデバイスは数多い。

 

ポケットにおける「ストローク鍛錬」

「厚み感覚養成」「撞点の撞き分け習得」

「バンクショットの精度向上」

「ブレイクのパワー強化」等、

 

ピンポイントであなたのお悩み解決!

という「虹色商品」に満ちている。

 

オレも、技術向上に悩み、

アレコレ手を出してきた過去がある。

 

その経験から言えば、

「そのデバイスを使いこなすこと自体が

目的化してしまい、あまり役に立たない」

ものがほとんど。

 

だいたい、1~2ヶ月も使えば

飽きてしまうものばかりだ。

 

それでは、そのテのデバイスは全てダメか?

といえば、そうでもない。

 

ボールに工夫を凝らし、「厚み」、

すなわちポケットへ的玉を向かわせる

感覚の習得を目的としたものは、

それなりに役立った。

 

早いハナシ、「キューとボール」だけを

使う練習はどのプレイヤーもなじみがあり、

 

そのボールを、トレーニング用に

特化したものに置き換えるのは、

目的さえはっきりしていれば

役立つこともあるのだ。

 

もし、自分なりの理屈や感覚を

他のプレイヤーに言葉で

うまく伝えられない場合、

これらのボールは良いアシスタントと

なるかもしれない。

 

ポイントは、使い方を正しく理解した上で

練習すること。これに尽きる。

 

厚みを視覚的に分かりやすくした

「エレファントボール」、

 

ポケットに的玉を向かわせるラインと

手玉・的玉の接点を絶対数値で表した

「エイミング・バイ・ナンバーズ」、

 

ジャンプショットの撞点と

キューの角度をビジュアルで表現した

「ジャンプショット・トレーニングボール」、

 

これら3種のボールは初心者から中級者の

練習に取り入れて良いと思う。

 

*****

 

さて、新型コロナウイルス感染拡大が

止まらないご時世。

 

キュー探偵の仕事は徐々に厳しくなってきた。

 

海外のイベント参加は不可能。

国内のコレクターやメーカーと

会うのも難しいな。

 

夜の街に人が戻ってくるまで、

オレも営業自粛としたい。

 

まずは、互いの健康を祈るぜ!

さらばだ、BD!

 

(to be continued… ???)

 

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