〈BD〉【寄稿】日本と違う? 似てる? タイ・パタヤのビリヤード事情vol.3 by Ian

 

文化遺産・自然遺産やビーチリゾートなど、

観光スポット豊富な東南アジアの仏教国、タイ。

 

ビリヤード好きな人にとっては、

「スヌーカー強国」のイメージがあるでしょう。

 

ですが、プール(ポケットビリヤード)も

盛んだということはあまり知られていません。

 

首都バンコクだけでなく、

リゾート地として知られるパタヤにも

著名ビリヤード場が複数あり、

ローカルプレイヤーだけでなく、

海外からも多くのプレイヤーが訪れています。

 

今、熱を帯びているパタヤプール事情を、

現地に住む日本人、

「Ian」(イアン)さんがレポート。

 

3回目となる今回は、パタヤのプレー環境や

トーナメントの流れを紹介してくださいます。

 

(※BD註:本稿の時点〈2/21〉で、

新型コロナウイルスの拡大をうけて、

タイの保健省は日本からの

渡航者への検疫を強化しています。

タイへ行く場合は最新の情報を集め、

慎重にご判断ください)

 

…………

 

Ian記:

 

サワディーカップ(こんにちは)。

タイはパタヤに住むIanです。

 

前回は私のホームのビリヤード場、

『Mega Break pool hall』を中心に、

パタヤのプール事情をお届けしました。

どんな雰囲気かおわかりいただけたでしょうか。

 

今回はよりプレイヤー目線で、

日本との違いや、普段行われている

トーナメントについてお伝えします。

 

…………

 

 

私のホーム『Mega Break』には

9フィートテーブルが全部で14台あり、

トーナメントでは7台~10台が使用されます。

 

そのうち4台が、ハイクラスの

競技仕様テーブルとして知られる

『Diamond』(ダイヤモンド)です。

 

ポケットは奥行きが深く、

開口部の幅はボール1.8個分ぐらいの

シビアな設定です。

 

ラシャは『Simonis』(シモニス)。

年に数回張り替えられます。

 

ボールは『Aramith』(アラミス)。

 

シモニスを張っているためか、

ホール内の空調が効いてるためか、

私の感覚ではボールの転がりなどは、

さほど日本と変わらない印象です。

 

新(さら)ラシャ張りたての

1~2ヶ月はボールの転がりはかなり速くて、

ダイヤモンドのポケットでも

的球を受けてくれます。

 

…………

 

 

ダイヤモンド以外の10台の

テーブルのブランドは不明ですが、

 

Brunswick『Gold Crown』

(ブランズウィックゴールドクラウン)

シリーズのコピーモデルのように見えます(画像)。

 

…………

 

 

ちなみにタイのプールホールで

よく見かけるテーブルブランドは、

 

Diamondの他、『Rasson』(ラッソン)、

Brunswick『Metro』

(ブランズウィック・メトロ。画像)など。


日本によくあるBrunswick

『Gold Crown』シリーズは見かけません。


また、日本でよく見られる

グリーンのラシャもありません。


そして、テーブルに関して日本との

一番の大きな違いは高さ(台高)でしょう。


数cm~5cmほどタイのテーブルの方が

高いと思います。


必然と身体の届く範囲が狭くなり、

日本の高さに慣れた方だと、

テーブルが大きく感じられるでしょうし、

レストやエクステンションを

使う場面が多くなります。

 

日本より撞きづらい仕様ですが、
タイが世界で標準的な台高になっている

のだと思います(※BD註:一般的に

日本の台高は諸外国より低め)。

 

…………

 

パタヤでは、毎日のように

ビリヤードトーナメントが行われています。

 

Mega Breakでは、毎週火曜日に10ボール、

毎週木曜日と日曜日に9ボール

(木曜日はハンデキャップ制限あり、

A+14以上は参加出来ない)、

そして、毎週水曜日に8ボールが開催されています。

 

(Mega Breakのレギュラートーナメントの

レギュレーションなどについてはこちらを参照)

 

これらは全てハンデ制の

1dayトーナメントになります。

 

日本から来て初めて参加する方には、

9ボールがわかりやすくてお勧めです。


初参加の人は事前にスキルチェックを

行ってからハンデキャップが決められます

(途中でハンデが調整される場合もあり)。

 

これらのレギュラートーナメントでも、

以前ご紹介した「Calcutta」(カルカッタ。

ソトウマのこと)は行われています。

 

…………

 


ドロー(トーナメント表)は

店内のこのモニターで発表されます。


対戦相手の名前、ハンデキャップ、

ラック数、テーブルNo.などをチェックして、

プレー開始。


まず、ダブルイリミネーションで

予選ラウンドを行い、

決勝トーナメント進出者を決めます

(決勝進出人数は参加総数によって変わります)。


決勝トーナメントはノックアウト、

つまりシングルトーナメントです。

 

基本的に試合はWPAルールに則って行われます。

 

もし皆さんが初めて参加するなら、

ルールなどについて不明瞭な点は

初戦の前に確認や質問をすると良いでしょう。

 

そして、順番が来たら名前がコールされますので、

要領のわからないうちは

外出されない方が良いかと思います。

 

…………

 


試合の合間など、

待ち時間の過ごし方は人それぞれ。

 

ホール内で飲食したり、

他プレイヤーの試合を観るなり、

ネットサーフィンをするなどして

出番を待ちます(ちなみに

飲食物の持ち込みは禁止されています)。


大きなスクリーンでは、

いつもスヌーカーやビリヤード、

プレミアリーグ(サッカー)など、

世界中のスポーツが流されています。

それを見ながら待つのも良いでしょう。

 

…………

 

 

ラックは店内各所にいる女性スタッフが組みます。


9ボールのラックは日本とは違って

「9オンフット」がスタンダードです。


…………

 

 

はじめにお互い握手をして、

一声かけてバンキング、という流れ。


バンキングはヘッド側の短クッションから

行います(日本ではフット側から行うことが

多いと思いますが、世界ルールでは

ヘッド側からとなっています)。

 

ブレイクは交互ブレイクです。

 

ブレイク直後、

スタッフがすぐラックシートを取りに来ますが、

スタッフの手が空いていなければ、

ブレイクしたプレイヤー自身が取ります。


プッシュアウトはハンデに関わらず「あり」。


10ボールはコールショットルールですが、

基本的にジェントルマンコールが浸透しています。

セーフティについても

特にコールするプレイヤーはいません。

もちろんまぎらわしい場面でのコールは必要です。


二度撞きの恐れがありそうな時など、

自分や相手のショットに確信が持てない

場面では事前にレフェリーを呼びます。

 

…………

 

 

得点はそのラックを取った本人が付けます。

 

TVテーブルはタブレットで、

その他のテーブルはホワイトボードに

マジックで書きます。

 

試合が終わったら、互いの健闘を称えて握手。

そして勝者が速やかに運営デスクに

スコアを報告するという流れです。

 

…………

 

 

試合の結果やスタッツは数値化されて、

後ほど公式サイトに反映されます。

 

各選手の国旗(3枚目の画像)を見ても、

国際色豊かであることがわかります。

 

彼ら外国人プレイヤーと

日本人プレイヤーとの違いや特徴を言うなら、


彼らは身体が大きく、

フォームは個性的で人それぞれ。

ですが、全体的に日本選手より

撞くスピードが速いです。

 

そして、難しめのテーブルコンディションと

厳格なハンデ制のため、

どうしても守る比率が高くなります。


それと、パタヤという場所柄か、

キレイな女性プレイヤーが多いことも

特徴でしょうか。


マナー的なことを挙げると、

皆、試合中も普通にケータイをいじってます。

 

ちなみに、私はいつもそんな環境にいるので、

たまに日本に戻って相撞きをすると、

日本流のルールやマナーに

逆に戸惑ってしまうことがあります。


それと、私は「ジャパン」や「5-9」、

「ボーラード」など、日本で

プレーされているゲームをよく知りません。


脱線してしまいましたが、

有名トッププロなど世界中のプレイヤーと

プレー出来たり、知り合いになれるのも

パタヤならではです。


短期旅行で来られる日本人のケースとしては、

ちょうどトーナメントが開催されるから

参加してみたというエンジョイ勢、

 

もしくは、日本でもMega Breakの

トーナメントは知る人には有名らしく、

「一度出場してみたかった」

「外国のプレイヤーにどれだけ通用するか

試したかった」というガチ勢の2通りですね。


皆さんも、たまには普段と異なる

アウェーの環境でプレーするのも

新鮮で良いかもしれません。

 

…………

 

Ianさん、ありがとうございました!

 

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◆ Vol.1 タイ・パタヤ、トーナメント参戦記

◆ Vol.2 パタヤの『Mega Break』はこんなお店

 

 

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