〈BD〉ヒネリはいらない!?――アベレージプレイヤーがレイズの「3クッション縦バンク」に挑戦【動画】

 

「皆のアベレージプレイヤー」

(平均的なアマ選手)を自認する

R・ウィリアムズさんが、

 

「トップ選手のスーパーショットを

撞いてみる」動画企画、

 

「Your Average Pool Player」

KAMUI BRAND youtubeチャンネル内)。

 

最新作はまたまた

エフレン・レイズのショットです。

 

2018年1月のドイツ巡業、

俗に言う『引退ツアー』で

レイズが披露した、

 

「3クッション縦バンク」

(「Full Table Reverse Bank Shot」)。

 

※関連記事はこちらでどうぞ。

 

公式戦ではないので、

レイズは穴前にあるイージーな10番を

普通に入れるのではなく、

わざと派手なやり方でポケット。

 

会場は興奮のるつぼに

(10ボールなのでもちろんポケットは

コールしています)。

 

さすがは「マジシャン」と

唸るような名シーンでした。

 

それにウィリアムズさんが

挑んだ記録映像がこちら。↓

 

 

結果は「10回で成功」。

 

非常に大雑把にまとめると、

 

はじめのうち、ウィリアムズさんは、

「手球に右ヒネリが必要なはず」

(的球に左ヒネリを帯びさせるために)

ということで、

ヒネリを使って挑戦していましたが、

 

最終的に「ヒネリなし(撞点下だけ)」で

すごく強く撞いたら上手く行った、

という結論でした。

 

どういうこと!? と思う方のために、

以下、ウィリアムズさんの

試行錯誤の流れをざっくりとお届けします

(長くてややこしいので

興味がある方のみどうぞ)。

 

…………

 

そもそも、的球(10番)は、

2クッション目(画面右側)で

明らかに「詰まって」(縮んで)います。

 

クッションに正対して

右の方から手球が来て、

また右の方へ戻って行った。

 

つまり、的球は

右ヒネリ(反時計回り回転)を

帯びていたと考えられます。

 

これがこのリバースバンクのタネです。

 

では、的球がいつ右ヒネリを

帯びたかというと、

 

ウィリアムズさんの考察では、

1クッション目に入った時。

 

(本動画シリーズとは別の)

スーパースローモーション映像を

用いた研究で、

 

「スピンを帯びたボールが

かなり速いスピードで

クッションにめり込むように入ると、

『スピンは逆転する』」

 

という現象が確認されているのですが、

ウィリアムズさんはそれを知っていました。

 

なので、

1クッション目に入った時点で

的球は「左ヒネリ」(時計回り回転)を

帯びていたはずと考えた訳です。

 

そして、

的球に左ヒネリを帯びさせるために、

ウィリアムズさんは

手球の右を撞くことにしました。

 

手球に右ヒネリを掛けると、

ちょうど「歯車」のように、

衝突時(ほんの短い時間ですが)に

的球には左ヒネリ(時計回り回転)が入る。

 

これはある程度の経験者なら

皆知っているであろう、

ボールのスピン伝達の仕組みです。

 

……ということで、

ウィリアムズさんははじめ

「撞点:右下」でトライするのですが、

上手くいきません。

 

そこで、試しに右ヒネリは入れずに

とりあえず「撞点:下」を強く撞いて

的球の左側に当てよう、

という作戦に出たのですが、

 

これが功を奏し、

「10回目」で成功します。

 

手球はヒネっていないのに、

的球にはヒネリが入った!? なぜ!?

 

ウィリアムズさんは、

ビリヤードインストラクション界の

「導師」、Dr. Daveから答えを得ます。

 

それは、

 

「的球に対して左右どちらかに

かすめるように手球を当てると、

その時手球にヒネリが入っていなくても、

的球は回転を帯びる」

 

ということ。

これも中〜上級者であれば、

経験上あるいは研究上

知っていることでしょう。

 

ということで、この動画の結論は、

「的球の左側に手球を当てたら、

的球は左ヒネリを帯びたので、

3クッションバンクが成功した」

となります。

 

しかし、そもそも、

ウィリアムズさんが

はじめのうちにやっていたように、

手球の右を撞いて

的球の左側に当てたら、

 

「歯車伝達」のスピンと

「かすめた時に発生する」スピンが

相殺することになるのでしょうか

(だから失敗続きだったのでしょうか)。

 

このあたりはBDもよくわかりません……。

 

 

…………

 

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