〈BD〉高くて厚い世界の壁。キャロムプロ・森雄介が振り返る2018年

 

2018年、日本のビリヤード選手の中で、

最も多く海外遠征に出たのは、

この人ではないでしょうか。

 

キャロムプロプレイヤー(JPBF)、

森雄介。

 

遠征回数「11回」。

全てスリークッションの海外大会です。

 

その多くで、

メイントーナメント(ベスト32)に

入るかどうかというところで

敗れてしまいましたが、

 

3 Cushion Challenge』という

イベントでは5位タイになりました。

 

また、国内では2年連続の

JPBF 3Cプロランキング2位。

日本のトッププロの一人です。

 

プロ生活6年目となる2019年も

国内外での活躍が期待される森プロに、

 

2018年を振り返ってもらいながら、

「世界との差」や

「勢いづく世界のキャロムシーン」に

ついて語っていただきました。

 

…………

 

語り手:森雄介

聞き手:BD

 

 

――2018年を振り返ると?

 

「後半失速したので、イマイチでした。前半は、成績は良くなかったですけど、海外戦ではそこそこ撞けていて、自分では『行けるな』という手応えがあった。だけど後半は、国内では2位や3位があって成績はまずまずでしたけど、海外で当ててなくて、自分の納得度としてもイマイチでした」

 

――2018年は、国内では優勝なし、プロ3C年間ランキングは2年連続2位、アベレージは1.355でした。

 

「もちろん1位を獲りたいのは獲りたいですけど、そこがゴールではないですし、国内の順位は気にしてないです。ただ、アベレージは気にしてます。2018年は『1.45』ぐらいを目標にしていて、前半はそのぐらいあったと思いますが、後半崩れてしまって最終的に1.355。これは『やってしまった』ですね」

 

――2018年、海外戦には11回出ました(『ワールドカップ』7戦、『世界選手権』、『世界タッグ』、『アジア選手権』『3CC』。最高成績は3CCの5位タイ)。心身のコンディションの維持も大変だったのでは?

 

「1年でこれだけ海外遠征に出たのは初めてで、結構キツかったです。後半失速したのは疲労もあったと思います。もともと身体は強い方じゃなくて、海外に行くと毎回お腹壊したりしてます(笑)。でも、ワールドトップ達は、僕の倍ぐらいは海外の試合やイベントをこなしてます。僕よりもっとキツいはずですけど、20~30年と続けてきて慣れもあるんでしょうし、彼らは優勝や入賞が出来るレベルなので、負け続けている人とは疲れの感じ方も違うんだと思います」

 

――プロになって5年が過ぎました。今の実績や実力はプロ入り当時に想像していたようなものでしょうか?

 

「思ったよりも時間がかかったなと思います。それは海外のレベルが想像以上のスピードで上がったことも関係があります。この5年でさらに世界の選手層が厚くなり、競技レベルが上がったなと。韓国・ベトナム・トルコがより強くなったこともそうだし、最近はヨーロッパ勢の復活組も健闘している。大会賞金が上がってから、また試合に出るようになった人達が結構います。そんな中で、僕は2018年の前半はそこそこ戦えていたと思いますが、後半はダメでした」

 

――海外トップ達との差とは?

 

「やっぱり実力が足りてないですね。一発勝負なら僕がトップランカーに勝つこともあると思います。だけど、平均値が違いすぎる。それはトーナメントを勝ち上がる上では大きな差になって現れます。日本でアベレージ1.5ぐらい出せる力があれば、海外でも結果は別として勝負にはなると思います」

 

――技術や知識のレベルは?

 

「それはもう全然違います。自分に出来ないことを彼らがやっている訳じゃないですが、それ以前のところで、まるで球に対する理解度が違うと感じます。例えば、世界トップのF・コードロンは技術レベルが高いだけでなく、球の理解度も高い。だから、再現性が高くてアベレージも伴っています」

 

――そこに追い付くためには?

 

「経験を積むしかないですね。特にキャロムビリヤードはキャリア……知識を蓄えて理解を深めていくことが重要なので、それには場数を踏むしかない。でも、知識が足りてないから勝てないとも言い切れないのが試合なので、とにかく高いレベルで長くやり続けるしかないです。そういうのは、僕の性格に合っているなとも思います」

 

――どういうことでしょうか?

 

「今トップ選手と呼ばれる人達も、大きく分ければ、キャリアの早い段階でから華々しく活躍してきた人と、頑張って継続した後に勝てるようになった人と、2つのタイプがあると思います。僕自身は後者だと思ってます。今までのキャリアがそうでした。だから、何年もかかるだろうけど、諦めずにやり続けるしかないなと。趙明優(韓国)とか見てると羨ましいですけどね。あの年齢(20歳)で大きな試合であれだけ撞けるというのは」

 

――反対に『ここは通用しているかな』と感じる部分とは?

 

「もし自分が気持ち良く……というか、普段通りに撞けたとしたら、格上のプレイヤーとでも勝負にはなるなとは思っています。その『普段通り』を続けるのが難しいんですけどね。ちょっとでも狂いが出てしまうとすぐ負けます」

 

――今、世界の競技キャロムシーンは韓国を軸に活況を呈しています。森プロの目から見ると?

 

「今はすごく良い状況だと思います。全て韓国のおかげですが(笑)、大会が増え、賞金が高くなり、競技レベルが上っている。単純な話ですが、お金が動くから人が動く。2018年にコードロンが試合で稼いだ賞金額は3,000万円以上になるそうです。他のイベント出演やスポンサー収入を入れたらもっと行きます。そりゃあ辞めた人・休んでた人も復帰してきますよね(笑)。ヨーロッパでは今また若い選手の育成に力を入れている国もいくつかあります」

 

――森プロは韓国修行経験もあり、今後も何かと韓国と縁がありそうですね。

 

「普段は韓国の人達に良くしてもらってますし、良い関係を築けていますけど、いちプレイヤーとしては、韓国側が『敵』として認めてくれるぐらいの力を早く付けたいですね。やっぱり『日韓戦』は盛り上がるじゃないですか、興行としても。『日本の森雄介を倒してやろう』って思われるような、完全な『敵』になりたいです」

 

――最後に、2019年の目標とは?

 

「国内では年間アベレージ1.45を目指します。そこは最低限のラインです。そして『全日本選手権』で勝ちたいです。それは世界ランキングに繋がるから。海外では『ワールドカップ』などのメジャーイベントで、『メイントーナメント(ベスト32)を撞くのが当たり前』という感覚になれるようになりたいです。実際はメイントーナメントに上がるのも大変なんですけど、そういう感覚になれれば、上がりやすくもなるだろうし、そこから先、結果が続けて出るような『良い循環』に入って行けそうな気がしています」

 

(了)

 

 

 

Yusuke Mori

2014年JPBF入会

JPBF最年少プロ 

1993年10月15日生・O型・天秤座

アマ時代戦績:

2012年全日本アマ3C準優勝

2012年全関東アマ優勝 

世界ジュニア3C・8回出場(最高位はベスト8)

プロ戦績:

2014年全関東バンド選手権優勝

2014年全関東3C 3位

2014年全日本バンド選手権優勝

2015年3Cプロマスターズ・アカデミーZ戦 3位

2016年東京オープン 3位

2017年全関東3C 準優勝

2017年PRO 3-Cushion Tournament GLANZ戦優勝

2017年全日本プロバンド選手権優勝

2017年&2018年 JPBFプロ3Cランキング2位

使用キューはADAM JAPAN(ケースは3 seconds)

東京『アレナ』所属

Just Do It所属

 

 

 

 

…………

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

1月15日までビリヤード用品ウィンターセール開催! BAGUS

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン

4月に大阪市淀川区西中島で移転リニューアルオープン!日勝亭

オウルグローブ新モデル「+」(プラス)発売中。SHOP FLANNEL

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

 

………… 

 

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 

 

<<<前の記事