〈BD〉スーパースロー動画で見る「トビ」と「カーブ」by F・コーラー

 

トリックショットアーティスト、

F・コーラーが、

 

アメリカのビリヤード用品ショップ

『PoolDawg』とタッグを組んで、

様々なスローモーション動画を

制作・発表しています。

 

中には、純粋に映像作品として

楽しむタイプの番組もあれば

(→ 例えばこちら)、

 

プレイヤー向けの実践的な

内容の動画もあります。

 

ここでご紹介するのは後者。

 

「UNDERSTANDING CUE BALL DEFLECTION & ENGLISH」

という動画です

(※トリックショットは

全く関係ありません)。

 

日本語だと「ヒネリとトビの関係」

とでも言えば良いでしょうか。↓

 

 

ポケットビリヤードを始めて

しばらくすると、

多くの人が「ポジションプレー」の

楽しさに目覚めます。

 

C〜Bクラスぐらいになると、

手球の左右を撞いて

横の回転(サイドスピン)をかける、

「ヒネリ」(イングリッシュ)

というテクニックを覚え、

使うようになるでしょう。

 

……と同時に、

その難しさも知ることになります。

 

キュー(シャフト)とタップの

性能・性質や撞き方にもよりますが、

 

ボールの右を撞けば左に、

左を撞けば右に、

大なり小なりボールの

進行方向が逸(そ)れることは

物理的に避けられないからです。

 

つまり、ヒネリを使うと、

狙った厚みに手球を運ぶのが

難しくなるということ。

 

この”逸れ”(それ)のことを

英語で"Deflection"と言い、

 

日本のビリヤード用語では

「トビ」(ズレ)と言います。

 

(※さらに言うと、

「トビを見越して撞く必要がある」

というところから、

トビのことを慣例的に「見越し」と

言うプレイヤーは今も多いです)

 

この動画では、

”それ”(トビ)の度合いを

スローでわかりやすく見せてくれます。

 

動画中のコーラーの

ナレーションを意訳すると……、

 

…………

 

コーラー談:

 

「ビリヤードでは

“Deflection”(それ。=トビ)は

重要な単語ですが、

難しくはありません。

 

手球の右を撞けば左に、

左を撞けば右に、

手球は”squirt”(発射)されます。

 

ポジションプレーでは

ヒネリが欠かせないからこそ、

 

手球の左右を撞いた時

(ヒネった時)に、

どのぐらい”それ”(トビ)が

出るのかを知っておくことが大事です。

 

では、実際に”それ”(トビ)が

どのようにして

発生するのか見てみましょう」

 

――スロー映像始まる 0:55――

 

「手球の左を撞いたので、

手球が本来の狙いのラインより

数度右側に向けて、

”squirt”(発射)されています。

これが”それ”(トビ)の始まりです。

 

この発射角度は、

どれだけ手球の端の方を撞いたか、

と、道具の性質、

特にタップとシャフトの性質に

よって決まります。

 

タップとシャフトが高性能なものなら

(=トビを低減するタイプのものなら)、

発射角度は小さくなります。

 

クールなことに、

キュースピードの速い・遅い

(力加減の強い・弱い)は、

発射角度の大小には影響しません。

 

キュースピード(力加減)が

影響を及ぼすのは、

 

”swerve”(カーブ)の出方、

つまり、本来の狙いのラインに

手球が戻って来る動きです。

 

キュースピードが遅ければ、

手球に掛けられたスピン

(※動画では左回転)が、

ラシャを早く掴み始め、

 

左方向への”swerve”(カーブ)が

早く現れます。

 

反対にキュースピードが速ければ、

それほど早く”swerve”(カーブ)は

現れません。

 

(※キュー角度〈傾斜〉、

キューの撞き出し方向、そして、

どれだけ手球の端を撞いているかも、

”swerve”〈カーブ〉の度合いに

影響します)」

 

――Deflection(それ。トビ)の比較 1:36――

 

力加減は一定で……

 

◯ Low Deflection

(トビの少ないシャフト、または撞き方):

横方向への”squirt”(発射)の角度は小さい

 

◯ Medium Deflection

(中間的なトビの出るシャフト、または撞き方):

”squirt”(発射)の角度は中間的

 

◯ High Deflection

(トビがよく出るシャフト、または撞き方):

”squirt”(発射)の角度は大きい

 

――映像、終了――

 

…………

 

以下、BDの私見です。

 

この映像では、

“Deflection”(それ。トビ)の現象を

スローで見せてくれいて、

それだけで十分に有益なのですが、

 

その解決方法、すなわち

「トビを見越して撞く方法」

には言及されていません。

 

それこそは

ビリヤードの最も奥深く、難しく、

面白くもあるところで、

 

ヒネって撞く時の

狙いの付け方については

ざっくりとしたものが

各種ガイドブックなどに

記載されてはいますが、

 

身も蓋もない言い方をすると、

 

上級者の大半は、

自分のキュー性能や撞き方によって

生じる“Deflection”(それ。トビ)の

度合いを、

 

膨大な反復作業の中で

身体的に(経験値として)覚え、

 

トビの見越し方を感覚的に

体得してきているので、

 

明確に見越しの取り方について

「これ」と言える定石はなく、

映像化は一筋縄ではいかない

だろうと思います。

 

さらに言うと、

 

テーブルコンディション

(ラシャの種類や摩耗状態)に

よっても、

“Deflection”(それ。トビ)の

出方は異なるため、

 

「いつもこう撞けば(狙えば)良い」

というものはありません。

 

(※試合で使うテーブルの

コンディションへの適応術や

適応の早さが、プロプレイヤーたちの

腕の見せ所でもあります)

 

もちろん、定量的な研究と

それを軸にした訓練によって、

トビの見越し方をロジカルに

覚えたという人も

少なからずいるだろうと思いますし、

 

そういった指導に長けた

インストラクターもいるかもしれません。

 

(※そのメソッドを簡潔明瞭に教えられる

人がいれば、かなり稼げると思います)

 

何が言いたいかというと……、

 

この動画の続編があるならば、

ぜひその手掛かりとなるところまで

やってくれたら良いなと、

 

まるっきり人任せであることは

承知の上で、期待しています。

 

 

…………

 

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