〈BD〉カスタムの輝き・「ジナ」編。その4

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画。

 

(※過去記事はこちら

 

今回は久しぶりに

『Gina』(ジナ)をご紹介します。

 

代表はErnie Gutierrez

(アーニー・ギュテレス)。

 

1960年代からキュー製作を始め、

休止期間を挟んで

1980年代後半から製作を再開。

 

50年を超えるキャリアで

数多くの名モデルを生み出した巨匠であり、

今も世界的に人気を博しています。

 

2013年に50周年記念モデルを発表し、

それ以降、大々的に新作を発表することはなく、

事実上の引退状態にあると言われています。

 

…………

 

今回ご紹介するのは、

アーニー・ギュテレスが休止期間に入る前、

1970年代初頭に作られたと思われるモデル。

 

銘の意匠が近年のものとは異なり、

糸巻きのすぐ下側に「GINACUE」と

入れられています。

 

フォアアームは、

バーズアイメイプルをベースに

エボニーの長短6剣ハギ。

 

一見するとシンプルですが、

短剣の内側には、明るい茶色の木材で

組んだ「矢羽」がインレイされており、

ワンポイントアクセントになっています。

 

スリーブはエボニーをベースに、

ダイヤ型インレイと矢羽インレイが

3つずつ入れられています。

 

黒ベークライトとメイプルステッチで

作られたリングには素朴な味わいがあります。

 

 

大原氏・談:

 

「これはその昔、

長矢賢治プロ(JPBA)が一時期使った後に

私の弟子に譲ったキューで、

2000年代に入ってから私の手元に来ました。

 

シャフトは恐らくオリジナルではなく、

ADAM JAPANで作られたものだと思います。

 

シャフトの写真をアーニー本人に送ったところ、

『私が作ったものではないと思う』

という回答が来ました。

 

キュー尻のゴム(バンパー)も、

ADAM JAPANのものだろうと思います。

 

そんな経緯があり、

私自身、長矢プロのことを尊敬しているので、

自分で持っていようと思ったキューです。

 

というか、売れないだろうと思い込み、

頭から抜け落ちていたので、

人に見せる機会もほとんどなく、

この連載で取り上げることを

考えてもみませんでした(笑)。

 

先日、キューを整理していた時に出てきて、

『おや、これは……』と。

 

この背景を理解してくださり、

長矢プロに敬意を表してくださる方になら

売ることも考えるけれど……という品です。

 

このキューにはいくつか特徴がありますが、

まず、ジナの『6剣ハギ』は珍しいですね。

 

剣先はクローバーデザインになっています。

これはもともと剣の長さが揃っていないのを

隠すために用いられたテクニック。

このキューでもそういう用途で

使われているのかもしれません。

 

あとは『矢羽』ですね。

 

矢羽インレイは、ご存知のように

TADキューでよく見られます。

 

ジナとタッド、先に矢羽を使い始めたのは

どちらなのかと論争になったこともあります。

 

本人たちがこの件について公言したのを

私は聞いたことはありません。

 

これは結構手間のかかる部分なので、

外注パーツなのではないかとも言われてきました。

 

2人が同じ所から買っていたとしても

おかしくはなく、だから互いに

何も語らない……という可能性もあります。

 

もちろん両者とも、

自分の工房で矢羽を作っている

可能性も無きにしもあらずですが、

何人かのアメリカのディーラーが

『あれは外注だよ』と口を揃えて

いたのを覚えています。

 

パーツの外注というのは

メーカーとしては企業秘密の部分でもあるので、

基本的に表に出てきません。

そこを想像する楽しみもまたあります。

 

このキューのデザインは恐らく、

当時のカタログに載っていたデザインを

もとにアレンジをしたモデルでしょう。

 

アーニーは昔から、

オーダーデザインのカタログを用意していました。

 

車のグレードやオプションと同じで、

基本となるデザインがあり、

それを土台にしてユーザー側が料金を追加して

自分好みのアレンジを加えていきます。

 

そういう仕組みがわからない人、

例えば言葉がわからなかった日本人などは、

カタログのままのスタンダードモデルを買う、

ということをしていました。

 

もちろん私は人と違うものにしたかったので、

色々と組み合わせてオーダーしていました。

 

このキューも恐らく誰かが

そうやって注文したものだろうと思います。

 

シャフトがオリジナルだったなら、

今のアメリカの市場でも

6,000~8,000ドルになるんじゃないでしょうか。

 

そういう意味では、私の所に来た時に

すぐアーニーにシャフトを作ってもらえば

良かったのかもしれませんが(笑)、

 

私は長矢プロのファンでもあるので、

尊敬するプレイヤーが使っていた道具を

ありのままの状態で所有するのも

悪くないなと思っています」

 

(了)

 

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※ジナその1 ベースギターインレイ for ヒデオ

※ジナその2 50周年モデル

※ジナその3 ブルーカシケ・ヒデオアレンジ

 

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