フィリピンのエース、カルロ・ビアドが、
同じくフィリピンのロランド・ガルシアを
破って初優勝を飾った、
今年の『9ボール世界選手権』。
表彰式直後の、ファイナリストの
短いコメントをお届けします。
聞き手はWPA広報担当、T・ラーナー。
彼が書いたプレスリリースの抄訳です。
まずは優勝したビアドから。
ビアド談：
「今はとても幸せな気分だよ。
ここに来るまで本当に長かった。
ずっと努力を重ねてきたし、
落ち込むこともたくさんあった。
そして、遂にこのタイトルを
手にすることが出来たんだ。
準決勝（vs 呉坤霖）では
少しプレッシャーを感じていた。
でも、バンクで狙ってミスした球が
別のポケットに入ったり、ツキもあった。
準決勝に比べると
決勝戦ではさほどプレッシャーは感じなかった。
もし僕が勝てなかったとしても、
フィリピン人がタイトルを獲ることに変わりはない。
だから気持ちよくプレー出来たし、
プレー内容も良かったんだと思う。
それと、ブレイクショット後の配置に恵まれたのも
勝因だったと思う。
今年の『ワールドゲームズ』（ポーランド）で
金メダルを獲った時は
今回よりも大きなプレッシャーを感じていた。
たくさんの人が注目していたからね。
でも、決勝戦でJ・ショウに勝つことが出来て
素晴らしい気分だったし、
あれ以降、他の大会でもより強い自信を持って
プレーできるようになったんだ。
ワールドゲームズがもたらしたものは計り知れないし、
間違いなくあそこで得た経験と自信が
今大会で生きたと思う。
（フィリピンの偉大な先輩たち――
レイズ、ブスタマンテ、パグラヤン、
アルカノと同じタイトルを手にしたことについて）
彼らの仲間入りが出来たことを本当に誇りに思うよ。
自分にとってそれが一番大きなことだと思う。
何年もハードワークを続けてきて
やっと今夢が叶ったんだ」
…………
次に準優勝のガルシアです。
ガルシア談：
「負けてしまったけど、それでも
この最も権威あるプールイベントの
一員でいられたことは素晴らしい気分だ。
友人であり、同胞である
カルロが優勝したということは、
自分が優勝したのに等しい。
心からカルロを誇らしく思うし、
僕以上にカルロは
このタイトルにふさわしいと思う。
ファイナルがフィリピン人対決となり、
様々な感情が胸のうちにあった。
決して楽な気分ではなかったよ。
ただ、ここまでの他の試合のような
プレッシャーはなかった。
もちろん僕も世界チャンピオンになるために
懸命にやっていたけど、
僕がいくつか序盤でミスをしてしまい、
彼がそれをものにしていった。
それが全てだった。
ともかく僕は本当に満足している。
この大会に出たのは初めてだし
（※開催地がドーハになってから初登場。
2006年フィリピン大会には出ており、
グループラウンド敗退）、
ここまでやり遂げることができた。
この経験を来年に活かして、
今後のトーナメントで成功を収めることが
出来れば良いなと思っているよ」
（了）
ちなみに、T・ラーナーによると、
ガルシアは直近2年間はタイのビリヤード場で
ハウスプロの仕事に就いていたそうです
（今もそうなのかもしれません）。
BDは10月の『グリ国際9ボール』で
ガルシアを見ていますが、あの時からすると
今回はまるで別人……とまでは言いませんが、
ネットライブを見る限りでは、
自信に満ちたプレーだったと思います。
国際イベントでの優勝・入賞歴は
これまでありませんでしたが、
フィリピン国内ではマネーゲームの強さで
高い評価を得ているようですし、
この先もっと活躍してもおかしくありません。
※ 決勝戦の試合動画。↓
