2017年

1月

10日

〈BD〉「完全無欠のキュー保管方法はある?」――Detective “K” episode 06

 

オレの名は、K。探偵屋だ。

 

だから皆オレのことをDetective "K"と呼んでいる。

 

ビリヤードの道具、キューの調査なら任せてくれ。

 

新しい年を迎えたが、探偵の仕事は変わらない。

つまり、ヒマだ。

 

ぷるぷるぷる……。

 

うん? 新年初、BDからの電話だ。

「キューの保管方法について調べてもらえますか?」

 

あ? BD、そいつはあまりにフツーだぜ?

使わない時はしまっておくんだ。

 

「そんな答えは期待していませんよ。

多数のキューを所有するコレクターにとっての、

完全無欠な保管方法です」

 

なるほど、本数が多くなればなるほど、

貴重なキューも増える。

 

それをどう保管するのか、だな。

 

「……なんだか今年は、

物わかりが良くて助かります」

 

わかった、オレはキュー探偵。

 

引き受けるぜ、その依頼。

 

*****

 

キューの主な材料は「木」、天然素材だ。

 

おまけに、貝殻や石、

金属やプラスチック、皮革など、

木材とは異質なパーツが組み合わされている。

 

それゆえ、環境の変化、

特に温度と湿度には敏感だ。

 

キューの曲がりや収縮という

変化を抑えるためには、温度と湿度が

一定の環境に保管するのが理想だ。

 

キューケースに収納して保管することは、

キューを環境変化から守る、

という点で理屈に合っている。

 

*****

 

数十本のキューを保有するコレクターは

ケースの数もそれなりに必要となる。

 

ケースの数を節約し、整理しやすくするため、

コレクターは大容量のキューケースを好む。

 

「大容量」とは、正確な定義はないが、

まぁ10本以上のキューが収納できるものと

考えればいいだろう。

 

ケースのサイズは、バットとシャフト

それぞれの収納数で表示する。

 

例えば、16本のバットと32本のシャフトなら

”16x32”と表す。

 

それに従えば、

24x48、32x64、48x96などのケースがある。

 

もともとこれは、

キューメーカーやキューディーラー向け、

つまり業務用だ。

 

肩に担いで球屋に行くことは、

もとより想定していないシロモノ。

 

コレクターは、

保管を目的としているから問題ないんだがな。

 

この手のケースを見ると、

コレクターは「中に何が入っているか」を

想像してコーフン……いや違った、

ワクワクするものさ。

 

*****

 

しかし、

それでは不十分と考える連中がいる。

 

数百本を所有する

アメリカのビッグコレクターたちだ。

 

ヤツらのスケールはハンパじゃねぇ。

居間の壁にキューラックを取り付けるなんて、

ヤワなもんじゃねぇ。

 

コレクション収納用の部屋を作ってしまうんだ。

 

あるコレクターは、

環境変化を最小限に止めるため、

 

温度はおよそ22℃、湿度は45%前後に保つよう

空調設備を持つ保管室を作った。

 

また、別のコレクターは

特注のショーケースを作り、

電動で回転するキューラックを中に入れた。

 

 

一定の方向に力をかけ続けていると、

キューは曲がることがあるから、立てて保管し、

かつ少しでも動きを与えるのは良い発想だ。

 

しかも凝ったデザインのキューを、

全方向から鑑賞することも出来る。

 

広い土地の広い家だからこそ、

可能な保管方法だな。

 

ナニ?

それだけの設備を整える金があったら、

買いたいキューが山ほどある?

 

ふっ、

そんなことを考えているうちは、

ビッグコレクターにはなれないんだ(微笑)。

 

*****

 

それでも、それが究極の保管方法か?

といえば、そうじゃねぇ。

 

高価なキューのセキュリティまで

考えているコレクターもいるんだ。

 

わずかな本数であればどうとでもなるが、

多数のキューを守るためには工夫がいる。

 

手っ取り早いのが、

自宅以外の安全な場所に保管し、

その所在を明らかにしないこと。

 

キューの価値がわかるのは、

キューに詳しい知り合いだからな。

自宅に置くことのリスクはわかるだろう。

 

日本でも、マンションの一室を

丸ごと保管スペースとして、

一定の環境に維持しているコレクターがいた。

もちろん住所非公開でな。

 

この方法のデメリットは、

保管しているキューを

すぐには手に出来ないことだ。

自宅の隣だったら意味ないからな。

 

*****

 

では、究極の保管方法はあるのか?

 

空調を備え、思い立ったら

すぐに取り出すことが出来て、

かつセキュリティ万全な部屋は可能なのか?

 

それが存在する。

 

 

アメリカの某ビッグコレクターは、

家を改築しキューコレクションルームを作った。

 

部屋自体が金庫仕様で、

防犯・防災対策が施されている。

 

しかも特に貴重なキューは、

2000年代半ば、ごく少数だけ製作された

キュー専用金庫を購入し、

そこに入れているので、

二重に保護されている。

 

通常のキューコレクターが持つ

大容量ケースもあるが、

あくまでも運搬用と割り切っている。

 

キューケースは1x2を大量に購入し、

一本ずつ保管しているんだ。

 

「大切なキューには、

それぞれに合わせたケースを用意して保管。

プレーするなら、そのケースごと持ってゆく」

 

ということらしい。

 

オレも一度だけ招かれて中に入ったが、

それは夢のようだったな。

 

そのキュー金庫部屋に閉じ込められたとしても、

1か月ぐらいは平気だ。

仮にそこで息絶えても本望だと思ったぜ。

 

*****

 

このようにキューの保管には、際限がない。

 

完璧を期しても、

キューに使われている塗装や材料自体が、

時間の経過とともに変化することは避けられない。

 

結局のところ、

キューにとって一番良い保管方法は、

「プレーに使うこと」だ。

 

道具として作られている以上、

使わないことが実は一番よくない。

 

大切なキューであればあるほど、

実際にそれで球を撞いて、

感触を確かめ、プレーを楽しむこと。

 

「プレーを通じて、キューに命を吹き込む」

 

ことこそ、究極の保管方法だとオレは思う。

 

それがわかっていながら出来ないのが、

コレクターの因果なところだがな。

 

またなんかあったら調べるぜ。

よろしくね、BD!

 

(to be continued…)

 

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