〈BD〉「普段通りに撞けたのが大きかった」――GPW-4でプロ入り初優勝・稲川雄一の談話

Yuichi Inagawa won JPBA Grand Prix West stop #4, photo courtesy of On the hill !
Yuichi Inagawa won JPBA Grand Prix West stop #4, photo courtesy of On the hill !

 

日曜日に京都で行われた

 『グランプリウェスト第4戦』(GPW-4)。


優勝した稲川雄一プロの談話をお届けします。


初のBD登場となります。


実は稲川プロが優勝したその日、

お祖父様が亡くなられたとのこと。


葬儀などで立て込んでおられた

さなかにも関わらず、

快く談話取材に応じていただきました。

ありがとうございました。


…………

 

現在32歳、プロ6年目の稲川プロ。


これまでの最高成績は、

ベスト8×4回でした。


セミ・ファイナル進出が初めてなら

ファイナルを撞くのも初めて。


USTREAMで観る限り、

そんな風には見えず、

一定の良いリズムで自信を持って

撞いているように映りました。


アマ時代は

GPBC(岐阜ポケットビリヤードクラブ)所属。


さらに遡ると、

ジュニア時代の18歳の時、


『全日本ジュニア』で優勝し、


日本代表選手として

『世界ジュニア』にも出場しています。


「世界ジュニアでは、

当時13歳だった呉珈慶に負けて

予選ラウンドで終了でした。


もちろん彼もまだ有名ではない時です。


その後、呉が16歳で

世界選手権(2005年)に勝った時、


『あの時、僕に勝った子や!』と(笑)」


…………


Yuichi Inagawa


JPBA44期生

1983年9月25日生

岐阜県出身・岐阜県在住

『ANY』(岐阜県大垣市)所属

使用キューはHAYAKAWA


Result(ベスト16から)

7-2 松尾武司

7-3 田中雅明

7-5 大井直幸

7-1 佐藤正行

 

今年の『全日本ローテーション』にて
今年の『全日本ローテーション』にて


――優勝から一晩経ちました。

今のお気持ちを。


「周囲の方やスポンサーさんなどから、

お祝いのメッセージや電話を頂いて、


『やっと1勝できたんだな』と

実感できたところです。


家族やお世話になった方々に

良い報告ができて良かったです。


昨日はまだ実感できてなかったですね。


『やったな』とは思ったし、

嬉しかったんですけど、


『本当に勝っちゃったのかな』みたいな、

半信半疑な状態でした」


――まずお聞きしますが、

ご自身は勝因はなんだったと思いますか?


「昨日は一日を通して、

気負わずに撞けました。

それが良かったのかなと思います。


僕は気負ってしまうと

ミスをするタイプですから。


もちろん『優勝したい』という気持ちは

いつも持ってやっていますが、


周りのレベルも高いですし、

自分に対してそこまで自信を持っていた

訳でもありません。


昨日は普段通りに撞けたのが

大きかったと思います」


――その「普段通り」の力が

底上げされてきていたのでしょうか?


「そうですね。


多少ですけど、

最近は手応えを感じられるように

なってきてはいました。


その上で今回は、

ちょっと気楽に向かっていこうかなと。


それが良い方に出たんだと思います。


僕はこれまで、

競った場面で失敗してしまうことが

多かったんですが、

今回はそういう時でも、

思い詰めないようにしていました。


ですから、プレーの内容的に

『これを変えた』というような

特別なものはないです。


色々と少しずつやってきたことが、

一つの形にはまったような感じでした」


――ベスト8ではトッププロの一人、

田中雅明プロと当たりました。


「途中でマスワリ4連発が出て

走ることができました。


田中プロに勝ったのは初めてです。


これまでトップの方を相手にすると

呑まれるパターンが多かったですが、


さっきも言ったように

『普段やっているようにやろう』

『思ったように撞いてみよう』


ということを心がけてプレーしました。


自分らしいミスもあったし、

自分にしてはできすぎなところもありましたが、


全体的には上手く噛み合っていたと思います」


――そして、準決勝の相手は

国内トップの大井直幸プロ。


「大井プロにも初勝利でした。


今までだいぶやられてます。


最近では『北陸オープン』のベスト32で

きっちりいかれました。


そういう相手なので、

序盤は呑まれていたと思います。


でも、ここでも『普段通り』を

心がけていたら、

途中から頭も体も動くようになってきました。


追い上げ体勢に入った時の自分は

いつもの自分だったと思います」


――それでも、最後の1ラックの取り切りは

だいぶ緊張感があったのでは?


「ありました。


『大井プロに初めて勝てるかも』

というのと

『ここを取ったら決勝だ』

というので、


もうガチガチでした(笑)。


それで出しミスしたりしましたが、

結果として別の穴に上手く取れる形に

なったりして……運もありました」


――そして、初めてのファイナル。


「始まる前はかなりドキドキしてました。


自分で『大丈夫かな』と思うぐらいに。


でも、始まってからは

ほどよい緊張感というか、


良い意味で、『決勝戦を撞いてる』

という風には感じなかったです。


右手も動いていましたし、

頭の中もすっきりしていました。


第1ラックはスリーファウルで

佐藤(正行)プロに1点取られましたが、


あそこは自分としては納得ずくの

選択だったので、

全く引きずることもなかったですし、

すぐ切り替えられていました。


今思うと、

相手に1点は取られましたけど、

スタートがああいう形になったことは

大きかったと思います。


頭をちゃんと使った上で、

結果に対しても納得できていたので。


試合中、

『普通に撞けているな』という風に、

自分自身のことが冷静に見えていました。


これまでの自分なら、

もっとおかしくなっていても

不思議ではない局面で、


今回は普通に頭を働かせるだけの

余裕がありました


――『行けるかも』と思った時は

ありましたか?


「そうですね……。


自分が6-1でリーチをかけた時に

佐藤プロがタイムアウトを取りましたよね。


あの時に、

『自分らしく撞けている』ことを

認識できていたことは大きかったですね。


できれば、この1ラックで上がりたい。


でも、仮にこの1ラックで上がれなくても、

もし、もう一度、あるいは二度、

チャンスがあるなら、


今の自分の状態なら行けるんじゃないかなと

考えていました」


――ゲームボールを入れた瞬間は?


「その一瞬だけ、頭が真っ白になって、

周りから拍手が聞こえて来ていました。


今振り返ると、

決勝戦の配置はあまり覚えていません。


一球一球夢中で撞いていたんだと思います


――これで「1勝」を手にしました。

プロ6年目での初優勝です。


「この5年、好きなことのプロをやってきて、

それで応援もしてもらっていた。


それに応えたかったですし、

焦りがなかった訳ではないですが、


自分の性格的に、

あまり気負ってもダメになると思ってました。


なので気長にやってきたつもりですが、


ダラダラきてしまった感もあります


――気の早い話ですが、次の目標は?


「まだ試合が終わったばかりなので、

具体的には見えていません。


今回、優勝はできたけど、

ミスもしていますし、

展開的に危ないところもありました。


まずは全日本選手権まで、

今回と同じように調整をしていって、


自分に納得できる状態で

試合に挑みたいと思います」


(了)


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