2014年

4月

07日

〈BD〉12時間越えの死闘。大坪和史、再び球聖位に

大坪和史
大坪和史

 

12時間越え。

 

サシ(1対1)で戦う公式試合としては、

 

恐らく日本ビリヤード史上トップクラスの

長さだったことでしょう。

 

昨日、埼玉県で行われていた

アマチュアナインボール王決定戦の

球聖戦』は、

 

最終第9セットの

最終第13ラックまでもつれ込む大接戦。

 

文字通りの「死闘」となりました。

 

挑戦者の大坪和史選手(広島)が、

 

球聖の喜島安広選手(埼玉)を破って、

自身2度目の「球聖」タイトルを奪取。

 

大坪選手側の視点で言うと、

 

前半戦で大きく先行し、

 

しかし、終盤に追い付かれ、

 

一度はハナ差で逆転を許したものの、

 

また抜き返してハナ差でゴール、

 

……という展開でした。

 

間違いなく言えるのは、

 

両者とも諦めなかったということです。

 

最高にスリリングな試合でした。

 

喜島安広。Photo : On the hill !
喜島安広。Photo : On the hill !

 

喜島選手は、

昨年の防衛戦がそうであったように、

 

埼玉(SPA)の大応援を背に、

セットカウント0-3ビハインドの状態から

ものすごい気迫で逆襲に転じ、

 

事実、終盤に大坪選手に追い付き、

一度は追い抜きました。

 

僕も昨年のあのアツいドラマをイメージしました。

 

一方、相手のホームグラウンド・埼玉に、

ほとんど単身で乗り込んできた

ビジターの大坪選手にとっては、

 

中盤〜終盤にかけて

喜島選手が息を吹き返して来た時に、

 

仮定の話ですが、

苦しかったら走るのをやめちゃっても

いいだけの条件は揃っていたと思います。

 

単純にロングゲームゆえの肉体的精神的疲労、

 

一時はセットカウント4-1と大きくリードし

存在感を示すことはできていたこと、

 

常に相手の応援団の声が聞こえ、

祈るようにして見守っている姿が目に入ること、

 

その応援を背に猛烈に巻き返してくる相手、

 

……などなど。

 

これらは僕の勝手な想像の中の条件ですし、

全部ハズレてるかもしれません。

 

でも、読みたくて読む訳じゃなくても、

いわゆる「アウェイの空気」を読んでしまうことも

あってもおかしくはないはずです。

 

単にスタミナが切れていてもおかしくない。

 

それでも、大坪選手は足を止めることはなかった。

最後の最後に抜き返した。

 

もちろんそれを可能にするだけの

技量と経験があったというのが前提ですが、

 

あの相手リーチの最終局面で、

果たして大坪選手は、

喜島選手と戦っていたのでしょうか?

 

恐らくそうではなく、

 

きっと「やめちゃっても良いんだよ。

相手のホームで十分ここまでよくやったじゃない」

と囁く「自分」と戦っていたんだと思います。

 

大げさかもしれませんが、

ビリヤードにおいて「己に打ち克つ」とは

どういうことなのかを、

 

特に最終2ラックの取り切りとマスワリで

ありありと見せてくれたように思います。

 

極限の状況にあって、

あんなに見事に縦バンクやコンビを絡めて

取り切れるものなんでしょうか。

 

感服しました。

 

おめでとうございます。

 

そして、両選手ともお疲れ様でした。

 

 

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GPE-2の終了後、球聖戦のUSTREAMを観るプロ達
GPE-2の終了後、球聖戦のUSTREAMを観るプロ達