〈BD〉いぶし銀、山本久司、復調著しく

山本久司(JPBA)
山本久司(JPBA)

 

「カーリー」こと

赤狩山幸男プロ(JPBA)が優勝した

一昨日の『GPE-1』。

 

(※本人談話は昨日のエントリにて。 

大会のフォトギャラリーはここ

 

出場16名の中で

久しぶりの復活優勝なるか!? と

 

地元・千葉のビリヤードファンから

熱い声援を送られていたのが、

 

「いぶし銀のベテラン」山本久司プロです

(キューはEXCEED)。

 

現在48歳でプロ歴が約25年。

 

2003年にはJPBA全国ランキング1位にも

輝いています。

 

ですが、試合に出ていない時期もしばらくあり、

記録によれば2006年以来優勝がありません。

 

しかし、昨年のGPE-6では、

セミ・ファイナルで昇り龍・

土方隼斗プロを破って、久しぶりにファイナル進出。

 

最後は栗林達プロに

完封負けを喫してしまいましたが、

復活の狼煙を上げました。

 

そして今回、

またファイナルまで登ってきた山本プロは、

赤狩山プロと対戦。

 

勝負は7-7のヒルヒルにまでもつれ込み、

(両者ともにあと1点の状態。hill-hill)

 

山本プロがブレイクをしたものの、

ここで出てしまったブレイクスクラッチ。

 

フリーボールから取り切り体勢に入った

赤狩山プロは、しかし、6番でまさかのミス。

 

台上には5球。

 

山本プロにとって、

これが正真正銘のラストチャンスでしたが、

 

6を入れた手球は無情にもスクラッチ……。

 

劇的な幕引きとなりました。

 

…………

 

実はファイナルを戦ったこの両名、

 

重なっていた期間は短かったようですが、

大阪のビリヤード場で

一緒に勤務していた時期があります。

 

「20年ぐらい前になりますね。

 

僕が山本プロの後釜で入ったような形で、

1ヶ月ぐらいは重なっていたのかな。

 

山本さんはすでにプロで、

僕はまだまだのアマチュア。

 

よく一緒に撞いてもらって

ずっと負けてましたよ、僕が(笑)。

 

やっぱり上手い方ですから」

 

と、赤狩山プロ。

 

その後、

2人はプロ公式戦で度々当たっていますが、

 

ファイナルで当たるのは

今回が初めてだったようです。

 

両名の脳裏をそんなことがよぎった

……かどうかはわかりませんが、

 

ゲームボールを沈めた赤狩山プロは

ガッツポーズをすることはなく、

 

ラストラックを綺麗に上がりきれなかった

気恥ずかしさを苦笑に滲ませてから、

 

山本プロに向き直って

丁寧に一礼したのでした。

 

…………

 

山本プロのプレーの特徴と言えば、

 

ショット力に頼るのではなく、

 

撞きやすい力加減で球なりに取っていく

組み立ての巧さです。

 

そして、配置がほどけた時のスピード感。

 

ランキング1位に輝いた2003年の頃は、

 

テーブル上でさらさらっと

一筆書きをするかのような取り切りを

何ラックも続けて見たものです。

 

今回のGPE-1、

特にショットクロックが入った

セミ・ファイナルとファイナルでの

パフォーマンスは、

 

往時の姿と重なるものがありました。

 

(※白眉は、高野智央プロを完封した

セミ・ファイナルでしたね)。

 

競技への熱い想い(=勝利への執着)を抱き続け、

しっかりと腕も身体も調整して臨んでいる

その姿勢がまさにプロフェッショナル。

 

今後の試合が非常に楽しみです。

 

 

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左から、3位・高野智央、2位・山本久司、優勝・赤狩山幸男、3位・塙圭介
左から、3位・高野智央、2位・山本久司、優勝・赤狩山幸男、3位・塙圭介