平口結貴・第8期女流球聖

元"北海道ビリヤード女子高生"。18歳で日本女子アマNo.1に

2016年4月

Yuki Hiraguchi photo :  Akira TAKATA
Yuki Hiraguchi photo : Akira TAKATA

  

ニューヒロイン、

ヤングスターの誕生だ。

 

この春、"北海道のビリヤード女子高生"を

卒業したばかりの平口結貴が、

遂に"女子アマ日本一"へ。

 

ラストステージで涙を呑んだ

第6期女流球聖戦からわずか2年。

 

より大きく強くなって帰って来た

"進撃の小娘"は誰にも止められなかった。

 

大会翌日、地元・北海道に戻った

平口選手にインタビュー。

 

写真提供:Akira Takata

取材・文:BD

 

…………

 

ひらぐち・ゆうき

Yuki Hiraguchi

1997年7月11日生

北海道出身・在住

Vivapool(北海道)所属

ビリヤード歴は約12年

2013年『全日本ジュニア』

(JOCジュニアオリンピックカップ)優勝

2013年『世界ジュニア』(南アフリカ開催)準優勝

2014年『女流球聖戦』挑戦者(東日本代表)

2015年『アマナイン』優勝

2015年『アジア選手権』ジュニア女子の部3位

2016年『第8女流球聖戦』球聖位

使用キューはMEZZ / EXCEED

 

「想定」と「覚悟」があったので戦えたんだと思います

 

――球聖になった今の気持ちは?

 

「肩の荷が下りた感じでホッとしています。お母さんが遠征に付いて来てくれるのはこれが最後だったんで、目の前で勝てて嬉しかったです。それと、同じ日にコーチの鳴海さん(大蔵プロ)も試合があって(『GPE-2』in 千葉)、少しそちらも気になってたんですね。鳴海さんも3位入賞しましたし、同じ日に2人で良い成績が出せて良かったと思います」

 

――まず、土曜日(「挑戦者決定戦」。vs 妹尾恵子〈大阪〉)について。セットカウント3-1で勝ちましたが、自己評価は?

 

「終わってみると気負い過ぎていたと思いますし、それがそのまま試合に出てしまってました。気持ちのコントロールが上手くできてなかったですね。私が第1セットを取りましたけど、本当はそこまで状態は良くないのに……私の周りでは『ウソのり』って言ってるんですけど、良いと思い込んで撞いてた状態でした。

 

そうしたらやっぱり、第2、第3セットはメンタルの不安定さが出て、どんどんおかしくなってしまって……。でも、第3セット後の休憩時間に鳴海さんと電話で話したり、お母さんとも話をして、ようやく落ち着きを取り戻せたと思います。最後の第4セットは、内容はともかく、気持ちを整理して、テーマだった『台に向かう』ことが出来ました」

 

――では、日曜日(「球聖位決定戦」。vs 佐原弘子〈千葉〉)は?

 

「最初(第1セット)の入り方は良かったと思いますけど、ヒルヒル(6-6)が続いた第2~4の3セットは良くはありませんでした。私が2ポイント以上の差を付けられる場面で何度もミスをしてましたし、そうすると佐原さんは必ずすっと取ってくる。それでシーソーゲームになりました。あの時の私のミスは、早く差を広げたいとか早く終わらせようということを意識しちゃったから出たんだと思います。

 

ただ、土曜も同じでしたけど、リードされることもヒルヒルになることも想定できていたから、焦らずプレーできてました。第2、3セットを取れたのはそれが大きかったと思います」

 

――覚悟があったから、ヒルヒルが続いても落ち着いていた?

 

「落ち着きはなかったと思いますけど(笑)、どんなことも先に想定しておけば安心です。想定してなかったら、『こんなことになっちゃった』っていう理解から入らなくちゃいけないから。でも……、第4セットの佐原さんは本当にすごかった。どんな配置でも絶対どうにかするっていうのが伝わってきた。あれをオーラと言うんですね」

 

――最後の第5セットを7-5で取って勝利。

 

「『フルセットになってもいい』という覚悟もできていたので、ミスしても引きずらずに撞けたと思います。今回もたくさんミスをしたし、技術的に上手くなかったし、精神面も上がったり下がったりで……あっ、私ダメダメじゃないですか。なんて言えば良いかわからないけど、『想定』と『覚悟』があったので戦えたんだと思います」

 

フォームを見付けたことと試合経験で向上できました

 

――土曜も日曜も、平口選手が主導権を握っている時間が長かったように映りました。

 

「自分で『主導権握る』と言えるほど上手くないですけど(笑)、ちゃんとセーフティも織り交ぜてゲームを作っていきたいというのもテーマの一つでした。だから、『攻めたいけど、これはダメだ!』ってセーフティを選んだ場面もありました。

 

それと、私は早く撞く練習もしていたこともあって、土曜日は構え直すことがほとんどなかったんですけど、思った以上に早く、急ぎめに撞いてしまったなと反省したので、日曜日は構え直すべき場面では構え直すようにしてました」

 

――2014年の「球聖位決定戦」で敗れてから2年。どんなところが成長できたと思いますか?

 

「自分に合った撞きやすいフォームを見付けられたことと、試合経験だと思います。

 

フォームはこの2年で本当に色々と試してきて、合わないものもありました。スタンス、構え方、顔の高さ、ストロークの仕方とかずっと試行錯誤していて、最近やっとまとまり始めた感じです。以前はどんな球も同じフォームで撞こうとしてたんですけど、この球ではこう撞くのが良いっていうのもわかってきたところです。

 

それと経験。2年前はこの球聖戦が、私の国内での初めてのビッグイベントでしたけど、それからの2年間で国内でも海外でも色んな大会に出て経験を積むことができたから、今回ちょっとは落ち着いて撞くことができたのかなって思います。練習でどんなにやりたい球をやりたいように撞いてたって、試合で緊張したらすぐできなくなるじゃないですか。そういうことに気付けて練習から取り組んできたので、向上できたのかなと思います」

 

――18歳で日本一の女子アマタイトルを獲りました。

 

「前から、日本で一番すごいタイトルだと思ってたのが女流球聖だったから、今は『ああ、球聖なんだな……』って思うんですけど、私はすごいすごいと言われるとすぐ天狗になっちゃうから、それだけは気を付けようと思います。来月の『アマナイン』で連覇したいと思っているので、気持ちを切り替えてまた練習します。

 

最後に、身の回りの人、北海道の人、応援・支援してくれた方々の存在はとても大きなものでした。私のことを観てくれたり、気にかけてくれて嬉しく思っています。ありがとうございました」

 

(了)

 

 

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