〈BD〉進化する“極東”キュー 【Far East Cues特集 前編】~工場再訪編

 

東の果て=極東の国=日本を意味する

「Far East」をその名に冠した

国産カスタムキューブランド、

Far East Cues

(ファーイーストキューズ。以下FE)。

 

もともとキャロムキューの

イメージが強かったFEですが、

近年FEを使うポケットプレイヤーも

よく見掛けるようになりました。

 

『球聖戦』と『ジャパンオープン』の覇者である

日本トップアマの小宮鐘之介選手や、

積極的に国際大会と武者修行に

出ている田代亮太プロ(JPBA)などが

使っているキューとしても有名です。

 

BDは2023年に、

埼玉県入間市にあったFE工場を訪れ、

特集記事を掲載しました。

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その後、FEは2025年9月に移転。

より広く、より快適になったと聞き、

新工場にお邪魔しました。

その模様を2回に分けてお届けします。

 

まず前編となる本稿では、

新工場と新ビリヤードスペース、

そして、FEキューの進化に迫ります。

 

近日公開の後編では、2026年完成の

新キュー&シャフトを紹介します。

 

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FEの新工場は埼玉県狭山市にあります。

 

狭山茶のお店『服部園』と

棟続きのスペースです(画像の右側)。

 

以前ここは『服部園』が

製茶や商品の梱包で使っていた作業場でした。

外壁には「茶」の一文字がありますが、

今ここではキューが作られています。

 

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工場内は以前の入間時代より明らかに広く、

かなりゆったりとしていて、

明るくクリーンな作業場という印象です。

 

工作機械や作業ブースの数もスタッフ人数も

増えていました。

 

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自動化・機械化できるところは進めつつ、

熟練した職人の手作業に委ねられる工程も

相変わらずたくさんあります。

 

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シャフト材、バット材、各種銘木、

色板(ベニア)、インレイ材などの

ストックも増えた印象。

 

1Fのメイン作業場だけでなく、

2Fの保管スペースにもたくさんの

材料が置かれていました。

 

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製作途中のキューやシャフト、

そして、完成したばかりのキュー達。

 

デザインがさらに進化・深化を遂げ、

全体的にインレイやリングなどの装飾が増え、

その一つ一つが細かく凝ったものになっています。

 

それでいてテーマカラーやモチーフが明確で、

全体のバランスが整っている。

それがFEキューに共通する魅力です。

 

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以前の工場の2Fにあった

ビリヤードスペース(『ミヤデラホール』)は、

新工場でも健在です。

 

住所にちなんで『ホリガネホール』。

 

テーブルはポケット1・キャロム1の計2台。

以前と同じく常駐スタッフのいない

セミセルフビリヤードスペースです。

 

新製品や試作品のテストプレーや

研究開発の場としても使われています。

 

以前は24時間利用可能でしたが、

ここは建物が『服部園』と

共用の構造になっているため、

夜間は利用できません。

朝8時半から夜7時ぐらいまで利用可能とのこと。

 

料金は黒板の画像の通りです。

会員制ということではないので、

新規の方はまず電話でお問い合わせを

(電話:04-2937-4102)。

 

※運営方針や利用時のルールは

以前の『ミヤデラホール』と同じなので、

こちらの記事もご覧ください。

 

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最後に、代表の猿山さんに

FEの近況と「FEらしいキューづくり」に

ついてお聞きしました。

 

 

――いつこの場所に移って来たのでしょうか?

 

猿山:去年(2025年)の9月です。前の場所は大家さん側の都合で出ないといけなくなりました。去年の3月頃から本腰を入れて物件を探し始めて、見付けたのがここです。

 

――中は広く、使い勝手が良さそうですね。

 

猿山:工作機械を搬入する関係で、間口を広げたりシャッターを作ったりしましたが、1Fはそのぐらいしかいじってません。2Fはビリヤード場(ホリガネホール)/応接室/工場拡張スペース(現在工事中)という3エリアに仕切るために壁を作りました。そういう改造もOKだったのは助かりました。実はここのオーナーさんは昔ビリヤードをやっていて、あるメーカーにキューを頼んだこともあるとのことでした。ビリヤードやキューというものに理解があったのも良かったです。移転当初はオーナーさんがよく工場に覗きに来てました。

 

――前の場所に比べて作業スペースやブースが広がり、工作機械や材料ストックなども増え、キューメーカーとして発展している印象を受けました。

 

猿山:単純に以前よりだいぶ快適な製作環境になりました。エアコンも効きやすいですし(笑)。おっしゃる通り全てが前より増えましたね。人もです。以前は僕含めて3人でしたけど、今は5人。5人目の方はまだ最近入ったばかりなので、生産力が上がるのはこれからかなとは思います。

 

――今、オーダーキューの完成までの期間は?

 

猿山:以前は半年~1年ぐらいでした。FEの知名度がまだ低かったですし、ご注文もそんなに多くなかったので、すぐ取り掛かれることが多かったです。今はおかげさまで国内や韓国や中国でも知名度が上がり、オーダーが増えてきていまして、完成まで2~3年かかるものもあります。

 

――国内のオーダーも増えているのはなによりです。それはポケットキューのオーダーが以前よりも増えてきたということでしょうか。

 

猿山:はい。国内のご注文は前回の記事の頃(2023年)から比べると3~4倍になっています。FEはキャロムキューのイメージを持たれていたと思いますが、ポケットでも知名度が高まってきたのかなと。元々が少なかったので今も本数的には大したことはないんですが、「キャロムもポケットも両方作ってるメーカー」という認知が進んで、ご注文が増えたことは有難いことですし、オーダーキューの選択肢の中にFEが入って来ているのは嬉しいです。

 

――前回の記事の頃は生産量では「キャロムとポケットが半々ぐらい」と言っていましたが、今は?

 

猿山:ポケットの方が多くなりました。それは中国パワーもあります。チャイニーズプールのプレイヤーによくご購入いただいています。キャロムのメインは韓国なんですけど、そちらはちょっと落ち着いてきているイメージです。

 

――月産本数は?

 

猿山:約15本なので、本数としては3年前とあまり変わらないかもしれません。ただ、以前よりも手の込んだデザインのご依頼が増えていますので、時間と工程数はかかっています。特に中国の方からは細かいデザインをよくオーダーいただきます。ハギに加えてインレイもプラスしたり。だから、派手になりますし、価格帯も上がっています。

 

――派手なキューにもFEらしさを感じます。以前も話されていた「よそにはない自分達らしいキューの追求」を今も意識されているのでしょうか。

 

猿山:そう感じていただけたのでしたら嬉しいです。そして、基本姿勢は今も全く変わりません。そして、「作っている自分達が楽しいと思えるキューにしたい」という思いを常に持っています。ハギでもインレイでもリングでも、何か新しい材料や色の組み合わせが出来ないかと考えています。FEのスタッフは皆、「作ることを面白がれるキュー」を手掛けている実感はあります。「こういうの、あったら面白いんじゃない?」「これ、かっこいいんじゃない?」って。まあ、失敗することもありますけど(笑)。

 

――中国の方は派手でこってりとしたものを望む方が多いイメージですが、そういうキューも楽しんで作っている?

 

猿山:はい。もろに中国寄りになりすぎないように意識はしていますが、デザインやスタイルの幅を広げられる機会でもあるので、出来る限りリクエストを踏まえて、どこかにちゃんとFEらしさが感じられるものになれば良いなと思って作っています。

 

――デザイン以外の部分、テクノロジーや製作工法などで前より進化したところとは?

 

猿山:まだ色々と試している最中ですが、バットの芯材の研究がだいぶ進んでいます。材料やサイズを変えることで、打感やバランスのリクエストに前よりも応えられるようになってきました。それはキャロムの船木耕司プロ(FE契約プロ)のおかげでもあります。船木モデルを作る上で、バット構造についてやり取りを重ねながら研究をしてきました。最終的にすごく気に入っていただけました。

 

あとは、シャフトの開発も進んでいます。半年ぐらい前に『捌式(Type-8)』シャフトの製作販売を始めました。しっかりめの打感が特徴で、チャイニーズプールのプレイヤーを中心に評判が良いです。さらにシャフトについて言うと、『竹シャフト』と『カーボンシャフト』がほぼ完成に近付いています。

 

――それは興味深いです。

 

猿山:『竹シャフト』は、昨年あるアマ公式戦の会場に試作品を持って行ったところ、関係者や名だたるプレイヤーの方々が試してくださって、皆さんから高い評価をいただきました。それで自分達も本気になりました(笑)。カーボンシャフトに関しては2、3年前から試作を続けています。やっぱり木と違って、こちらの思うような性能で製品化するのはなかなか大変です。完成まではまだ少し時間がかかると思いますが、試打してくださった方々からは良い反応をいただいてます。カーボンシャフトはすでに多くのメーカーさんから出ていますので、FEとしてはむしろ焦らずにいいものを追求していこうという考えです。

 

――わかりました。この先もFEの新商品や新企画を楽しみにしています。

 

猿山:ありがとうございます。最近国内の方からの問い合わせが増えてきていますが、「どうやってオーダーしていいかわからない」という声もいただいています。 カスタムオーダーをご希望でしたら、まずFE公式サイトの「コンタクト」からご連絡ください。具体的なデザインや仕様のご要望があれば、参考写真やイメージ図を添付してもらえたらと思います。FEのキューはInstagramやFacebookにも載せていますので、そちらも参考にしてください。ざっくりとしたご希望で構いませんので方向性をお知らせいただければ、こちらでイメージサンプルを作成します。それをご確認いただいてデザインを決め込んで、見積もりをお出しするという流れです。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

(了)

 

※近日公開の【後編】に続く。

 

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◇ Far East Cuesサイト&SNS

公式サイト:https://fareastcues.com/

WEBストア:https://fareastcues.stores.jp/

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