2006年『第15回 アジア競技大会』
(カタール・ドーハ)の
ビリヤード競技で金メダルを獲得した
梅田竜二(キャロム・スリークッション)と
川端聡(プール・8ボール)。
金メダリスト2名の20周年特別対談が実現。
ドーハの思い出から現在の競技活動まで
たっぷり語ってもらいました。
【後編】をお届けします。
Supported by ADAM JAPAN
画像提供:On the hill !
資料提供:BILLIARD WALKER
取材協力:ビリヤード ヤマニ
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【後編】ベテランの現在地、そして未来
――金メダル以降のこの20年間はプレイヤーとしてどう進化・成長してきたと思いますか?
梅田:ドーハをきっかけに世界のランキング上位に行けたと思います。あれが大きなステップだったのかなと。金メダルを目標に相当練習してきて、その流れのまま世界に出られたという気はします(翌2007年に3C世界選手権優勝)。
川端:僕もドーハ以降、頻繁に海外に行くようになりました。最高でベスト8ぐらいであんまり上位には行けなかったですけど、いろんな経験をさせてもらいましたし、そのおかげで日本のランキングでは長く上の方にいられているのかなと思います。でも、ドーハの何年後かにキューが出なくなって10年ぐらい苦しみました。最近それを克服できてもう一度色々と頑張れるようになって、今またビリヤードが楽しくなりました。
――お2人とも「ベテラン」と表現される年齢ですが、そう呼ばれることに抵抗感は?
川端:ベテラン、言われますね。もう受け入れてるし、どっちか言ったら教える立場になるような年齢なのかなって。それに、『JPBAシニアオープン』にも出てますしね(2025年大会で優勝。出場資格は満55歳以上)。
梅田:3Cの『全日本シニア』の出場資格は60歳からですね。でも、僕が60歳になってすぐ出たらブーイングでしょう(笑)。
川端:梅田さんが出たらヤバいです。ダメです(笑)。あと2年で出られるんですか?
梅田:そう、あと2年で出られるけど、60を越えても出ない人は結構います。70ぐらいになったら出てもいいかなって気はしますけどね。
――梅田プロはベテランと表現されることについては?
梅田:まあしょうがないですよね。僕よりも上の人と対戦することが少なくなってきましたから。今試合で上位に入る年上の選手は新井さん(達雄プロ)ぐらい。あとはだいたい年下ですからね。
川端:新井さんもすごいですよね。
梅田:新井さん、この5月で68だ。すごいです。
――以前からお2人のお話を聞いていると、フィジカルや体力について触れることも度々ありました。昔から重要性を認識し、身体づくりをしていたのでしょうか。
川端:僕はドーハの頃、いや、ドーハの前あたりからずっとやってました。それが必要だと思ってましたし、単純に走ってると嫌なことを全て忘れられるので。
――ウエイトトレーニングや筋トレなども?
川端:本気じゃないですけど、腕立てとか腹筋とかはちょっとずつやってました。今でも続けてます。
――梅田プロは?
梅田:ドーハぐらいまでは結構身体づくりをしてたんですけど、その後世界ランキングが上がっていろんな国際大会にシードで出られるようになったら時間がなくなってしまって。海外に行って帰って来て日本で試合して、また海外に行く……というのが何年も続くうちにサボっちゃいました。でも、コロナ禍の時はお店を開けられず、やることがなくなったのでウォーキングをするようになり、そのうち走り出して、楽しくなってきてだんだん距離が長くなりました。72キロあった体重が58キロになっちゃって。
川端:それは絞りすぎですね。
梅田:その頃は10km走ってたんです。ある時鏡を見たらマラソン選手みたいな身体になっちゃって、椅子に座るとお尻が痛いんですよ。これはまずいなと思って、まず太るところ、お尻を大きくするにはどうするかみたいなところから始めました。今で64~65kgですけど、そこまで戻すのに2、3年かかりましたね。今はもう痩せない程度にしか走らないです。ビリヤードのトップ選手ってだいたいビョーキだから、やりだすとやりすぎちゃうし、やりすぎないと気が付かない(笑)。
川端:(笑)やらないとムズムズする、みたいな。僕はコロナ禍でめっちゃ太って、74kgぐらいまで行った時にこれはヤバいなと。そこでちょっと運動を頑張ったら63kgぐらいまで落ちました。最近みんなに「大丈夫ですか?」って言われます(※川端プロが急激に痩せたように感じられたので心配する人が多くいた)。
梅田:これぐらいの年齢になると痩せちゃまずいんですよね。痩せだしたら止まらないんで、そうないように気を付けないといけない。なので、夜ご飯は絶対炭水化物を食べようとか。
川端:僕も米は絶対食べようって。
梅田:いくらお酒を飲んでも炭水化物はしっかり取ろうと。
――食事に関しても研究や実践をしているんでしょうか?
川端:僕は食事に関してはうちの奥さんに任せています。厳しく管理してはいないですけど、油物はちょっと抑えたりとか。あとはいつも弁当を作ってもらってそれを持って仕事に行ってます。
梅田:素晴らしい奥さんだなぁ。僕は基本的に自分で作ることが多いですね。昼と夜はここ(ヤマニ)で自分で作ります。外食することもありますけど、コンビニのものとかファストフードはできるだけ食べないようにしています。高血圧なんで、毎月病院に行って先生に食事のことも話しています。「お酒をこれぐらい飲んでるんだけど大丈夫?」とか。
――またお酒ですか(笑)。
梅田:「走ってたら大丈夫です」って(笑)。1日30分運動してればだいたい大丈夫かな。
2枚目:2026年ADAM OPEN
3枚目:2026年関東オープンに
――今も第一線で活躍するお2人ですが、活動テーマや目標にしていることとは?
梅田:僕は51歳になった時に「70歳になっても同じプレーができるようにしたい」と思ったんですよ。なのでそのための努力をしています。プレー内容が変わるのはしょうがないんですけど、体力的に1日何時間でも試合ができる状態でいたいし、それを保てるようにしたいと思っています。
――今58歳。良い感じでしょうか。
梅田:まあそうですね。球は上手くなってるんですけど、当たるかどうか、ポケットなら入るかどうか、つまり勝てるかどうかはまた別の話かなと。でも、できれば70歳でも今と同じぐらいのアベレージでいたいと思ってます。
――3C含むキャロム競技は年齢層が幅広くて、ワールドトップクラスの方々も息の長い活躍をされていますね。
梅田:今の3Cの世界トップの人達は僕よりも先輩が何人もいます。T・ブロムダール(スウェーデン)やM・ザネッティ(イタリア)は現役バリバリだし、プレーを見てると「どうなってんのかな」って本当に思いますよ。彼らを見てるとまだまだ辞める訳にはいかないなって思います。
――川端プロはいかがでしょう。
川端:最近ポケットの日本選手も上手な人、強い人がたくさん出てきているので、やっぱり勝つのは難しくなってきてると思います。世界を見ても若い子がどんどん出て来てます。そんな中で今大井くん(大井直幸プロ)が頑張ってますけど、あれはすごい刺激になってますね。自分もまた海外でやってみたいなって気持ちもあります。あとは梅田さんとだいたい一緒ですね。あとどれぐらいできるのかな、あと10年頑張れたらいいかなとか考えますね。
――ポケットで川端プロより上の世代で今も活躍している世界の選手となると、F・ブスタマンテ(フィリピン)やスーケー(ドイツ)ですね。
川端:そう、1週間ぐらい前にブスタマンテさんが『SUN』に来てくれて、エキシビションマッチをやらせていただいたんですけど、以前の迫力に上手さが加わってました。昨年はエフレン(・レイズ)さんともやったけど、やっぱり上手い、上手すぎでした。「この人たちやっぱすげえな」って。ああいう人達と撞けるのは楽しいし、良いビリヤード人生だなと思います。
――さて、2030年には再びアジア大会がドーハで開かれ、ビリヤードが競技種目に戻る予定ですが、また出たいと思いますか?
梅田:チャンスがあれば代表選考会に出たいし、もし代表に選ばれたらもちろん金メダルを目指します。
川端:僕も代表選考会があれば出たいです。でも、コーチやスタッフとして行きたくはないですね。僕自身アジア大会では日本のコーチにすごくお世話になりましたけど、あの仕事はとても僕にはできないなと(笑)。
梅田:あれは本当に大変ですよね、ずっと気を遣って動いていて。そういえば、ドーハって選手村にお酒が持ち込めなかったじゃないですか(※カタールはイスラム教のため飲酒が厳格に制限されている。認可された外国人向けの飲食店やバーだけで提供されている)。それも大変でしたね。でも、なぜかある日、選手村の冷蔵庫にお酒が入ってたんですよ。日本の別競技のチームのものだったと思うんですけど。
川端:あ、それはひょっとすると………(小声になる)。
(了)
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梅田竜二×川端聡 2006ドーハ・アジア大会 金メダル20周年記念対談
・【前編】
・【中編】
・【後編】
・【番外編】
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◇ ADAM JAPAN関連記事はこちら
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