〈BD〉「最後の9番は厚みではなくタッチだけを意識してました」――関東オープン2度目の優勝・栗林美幸の談話

 

11日~12日(土―日)に開催された

関東レディースオープン』。

 

大会2度目の優勝を飾った

栗林美幸の談話をお届けします。

大会翌日に聞きました。

 

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――関東オープン2度目の優勝。感想は?

 

栗林:すごく集中出来ていたと思います。自分にとっては難しいテーブルコンディションだったんですけど、常に頭を回しながら撞くことができました。

 

――「難しいテーブル」とは?

 

栗林:重くて手球が引けなかったですね。だから、どうやって取るかを考え続ける必要がありました。

 

――ポケットサイズも狭めでしたが、それは問題ではなく?

 

栗林:大丈夫でした。というか、私はこのぐらいの穴幅がいいですね。甘い撞き方や甘い考えが通用しないので、しっかり考えないといけないし、自分がちゃんと撞ければ取れると思ってました。

 

――2日間で8試合プレーしました。全体的な自己評価は?

 

栗林:めちゃくちゃ良かった訳じゃないですけど、優勝出来たので60~70点ぐらいですかね。

 

――予選ラウンド勝者最終(vs 谷山和子)で敗れて、敗者側からの勝ち残りでした。

 

栗林:相手がナイスでした。4回マスワリされましたから。私も3回マスワリしましたけど、1回ブレイククラッチしたのが大きかったです。負けたけどハイレベルでめっちゃナイスゲームでした。

 

――その後、ベスト16で谷山プロと再戦してリベンジ。最終日(ベスト8)進出を決めました。最終日はどんなプレーを心掛けていましたか?

 

栗林:「引けるといいな」ぐらいです(笑)。でも、始まってみたらやっぱり引け……いや、引けないことはないんですけど、重いので回転が届きづらいイメージで。男子選手はそれでも引けるんでしょうけど、私にはなかなか難しいなと感じましたね。

 

――ベスト8(vs 久保田知子)と準決勝(vs 平口結貴)を振り返ると?

 

栗林:ベスト8は、だいぶ私がセーフティを失敗してたんで苦しい時間帯が長かったです。2-3でリードされてた時に、久保田プロが取り出しの厚い1番を――あれはスキッドだったと思うんですけど――引き切れず、難しくなった2番をミスしたんですけど、そのあたりから流れが変わったというか、チャンスがよく来ていたので頑張れました。

 

――準決勝は?

 

栗林:2019年から9試合連続で負けていた平口プロにやっと勝てました(笑)。でも、私がすごく良かったというより、平口プロのブレイクが良くなかったからだと思います。ノーイン2回に、ウィングが入らず1番だけが入ってたのが1回あったので、あれはきっとラックですね。

 

――決勝戦では河原千尋プロと対戦。河原プロともよく当たりますね。

 

栗林:はい、上の方でよく当たります。ずっと勝ったり負けたりで、トータルでは少し私が負け越してます。試合後に周りから聞いたのは、決勝戦で当たった時は私が直近4回連続で勝っていて、今回で5回連続になったみたいです。

 

――序盤から栗林プロがリードしていました。

 

栗林:スコアや展開は全く意識してなかったですね。1月の『関西オープン』準決勝では、私の3-0リードから河原プロにまくられて負けてますし。

 

――この頃にはテーブルコンディションには対応出来ていたのでしょうか?

 

栗林:そうですね。あのテーブルで撞くのはこの日2回目で、前日も1回撞いていたので、なんとなく「こんな感じ」というのはわかりながら撞いてました。

 

――結果的には7-2で勝利しました。

 

栗林:決勝戦も自分の出来がすごく良かったというよりは、展開に恵まれてたなと思います。2度の9番ミスを含めて私が何度かミスをしましたけど、失敗した球が難しく残って、相手がお付き合いのミスをしてくれて、その後私が入れる、みたいな。

 

――ありましたね。

 

栗林:第6ラックかな、お互いに2回ずつ9番をミスして結局私が入れたのがあったじゃないですか(※栗林5-1河原になった)。あれが象徴的な場面ですよね。あと、上がりの場面もそうでした。私の5番セーフティがオープンになったけど、手球が撞きづらくなったから河原プロは空クッションを選んだ。結果5番が穴前に残ったことはラッキーでした。

 

 

――あの5番からの最後の取り切りは見事でした。難しい配置だったのでどこかでセーフティを挟むのかと筆者は思いましたが、守らずに行き切りました。

 

栗林:すごく難しかったです。特に7番8番9番の位置が絶妙すぎて(笑)。7番はぎりぎりサイドに取れるんですけど、そのためには5番→6番を厚く出して、6番→7番はほぼ真っ直ぐが理想でした。そしたら7番にド真っ直ぐに出てしまって、むしろ8番へのポジションが難しくなり(苦笑)。後からクリ先生(夫の栗林達プロ)には「逆をヒネれば1クッションで8番に厚く出せたよ」と言われたんですけど、ホントになんとも言えない絶妙な真っ直ぐ具合と距離だったんで、逆はヒネれなかったです。

 

――たしかに7番は距離もありました。

 

栗林:そう、近かったら逆ヒネリを使えたかもしれないですけど。だから、8番にフリが付くのは覚悟の上で7番はストップショット。当然この時点で9番も薄くなることはわかってます。というか、もう「9番は薄くていいや」と思ってます。でも、8番を入れたら思ったより手球が転がってしまって。引きのスピンがほどけて横にダラダラと流れちゃった感じですね。

 

――しかし、難球となった9番もスパッと入れました。

 

栗林:距離はともかくあの薄さは想定内だったので迷いはなかったです。難しすぎたから逆に集中しやすかったのかもしれません。もう厚みは見てなくて、撞き方というかタッチだけを意識して撞きました。かなり集中してたので、入れた時にガッツポーズをするのを忘れてました(笑)。

 

――2026年女子プロシーズン3戦目での優勝。やはり一つ勝つと安堵感があるでしょうか?

 

栗林:ありますね。ホッとしました。

 

――2026年ももう4月ですが、今シーズンはどんなテーマで戦っていきますか?

 

栗林:これからどんどん暖かくなって湿度も上がので、テーブルコンディションも難しくなります。そうするとイメージよくスンスンスンって撞ける訳じゃないので、どうやって攻略するか、どう戦うかっていう「頭」の部分がすごく大事になります。だから、常に考えて撞くことを意識したいです。

 

――それは日頃の練習から心掛けるところですか?

 

栗林:そうですね。うちのお店(栗林プロ夫妻が営む東京『KULICKS』)のテーブルは難しいので良い練習になります。私の中ではやっぱり引き球をイメージ通りに撞けるかどうかが一つの判断基準です。引きのイメージが合わないテーブルは難しい。時期的にそんなテーブルで試合をすることが増えていくと思うので、イメージが悪くても戦えるようにすること。それも技術だと思ってます。

 

――最後に、応援してくれている人達に一言。

 

栗林:今回夫婦揃って決勝ラウンドに進んだこともあって、お店のお客さんがたくさん応援に来てくれました。私は近くで見てもらえるのは力になるタイプですし、皆の前で優勝できて嬉しかったです。そして、いつも応援してくださっているスポンサー様、ファンの方々、家族にも感謝しています。半年ぶりの優勝報告ができことにもホッとしました。引き続き応援よろしくお願いします。

 

(了)

 

Miyuki Kuribayashi

JPBA37期生

1979年1月13日生

香川県出身・東京都在住

2007年・2008年・2016年『ジャパンオープン』優勝

『関西オープン』6勝(3連覇含む)

『東海グランプリ』3勝

『北陸オープン』3勝

『大阪クイーンズオープン』4勝(※前身大会合わせて)

『九州レディースオープン』3連覇(通算4勝)

『全日本女子プロツアー』7勝

『第1回 CPBA Queens Open in 札幌』優勝

『関東レディースオープン』2勝

2017年『全日本選手権』準優勝

他、優勝・上位入賞多数

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所属・スポンサー:(株)三木、(株)JUST DO IT、(株)NAOLLY

 

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