全日本ローテ覇者・稲川雄一プロが勝負どころだったと語る最後の取り切りの中の12番→13番の引き球。頭の中は談話記事で。 pic.twitter.com/5ZdhVxv2Be
— Billiards Days (@BD_koba_ta11) March 17, 2026
14日~15日(土―日)の
『全日本ローテーション』で
初優勝を飾った稲川雄一の談話です。
昨年は優勝まであと2球で痛恨のミス。
今回はきっちり取り切って上がり、
見事に雪辱を果たしました。
最後の取り切りの12番が
勝負どころだったとのこと。
そこも含めて大会を振り返ってもらいました。
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――全日本ローテ初制覇。感想をお願いします。
稲川:昨年は決勝戦で残り2球で失敗したので、そのリベンジができて良かったなと思います。ローテーションは結構好きな種目でもありますし、最後の相手が尊敬する川端(聡)プロだったので勝てて嬉しかったです。
――もともとローテーションは好きだったのですね。
稲川:はい、アマチュアの頃はクラブ員(岐阜。GPBC)で結構プレーする機会があったので好きですね。『都道府県対抗』も何回か出ました。
――ローテーションの魅力や好きな理由とは?
稲川:ローテーションって上がりが近そうに見えて近くない時が割とある感じがして、そこが面白いなと思ってます。例えば、どちらかがあと1点とか2点で上がりっていう場面でも、なかなか上がれない時もよくあるじゃないですか。点差が開いてるように見えても一気にまくられることもありますし。僕はそういうところが好きですね。
――昨年12月に『GPW-6 in 佐賀 session』で優勝してから3ヶ月ほど経ちますが、球の調子は維持出来ていますか?
稲川:調子自体は良かったり悪かったりがあるんですけど、気持ちの面ではちゃんとやれてるな、試合に挑めてるなっていう実感があります。それも大きいと思います。
――今回2日間、全体的によく撞けたと思いますか?
稲川:そうですね。練習の時からイメージは掴めてましたし、全体的には良い方でした。ただ、ダメな部分も結構あったので、「良かったか」と言われたらそこまで良くはなかったかなって。はっきりと「優勝、行ける!」というほどではなかったです。
――ライブ配信のあったベスト16(vs 金澤蒼生)は大接戦でした。序盤は互いに硬さが見られましたね。
稲川:ああ、そうでしたね。あの試合はお互いあんまり良くなかったというか、ちょっとドロドロでしたよね。蒼生くんに先にラスト9点まで行かれて、最後で追い抜けたんですけど、そこまでは失敗が多すぎて何やったかも覚えてないぐらい(苦笑)。内容が酷かったなっていうのは覚えてます。
――ご自身では今大会の勝因は何だったと思いますか?
稲川:大事な所はちゃんと取れたことですかね。どの試合も上がり際とかその辺りの局面でのミスはだいぶ少なく行けたなとは思います。
――決勝戦直前はどんな心境でしたか?
稲川:昨年決勝戦で取りこぼしてるんで、自分の中ではこの試合にかける思いは他の選手よりもあったと思いますし、高いテンションで試合に入って行けたと思います。もちろん川端さんが強いのはわかってますけど、ずっと日本のトップでやっておられる方にここで勝てたら最高だなとも思ってました。
――決勝戦は序盤~中盤とずっと相手にリードされる展開でした。どんなことを考えていましたか?
稲川:そんなに焦りとかはなかったですね。川端さんも状態が良さそうで、最初は「上手いな」と思いながら見てた感じでした。あのまま行かれちゃったらしょうがないかなって。気楽だった訳ではないですけど、落ち着いてはいたのかなと。それに、やっぱりローテーションはワンチャンで100点や200点ぐらい走れる時もあるんで、点差を気にしてもしょうがないと思ってました。自分で失敗して相手に離されるのは嫌ですけど、今回はそういう展開でもなかったかなと思います。
――チャンスが来たら自分も行けるだろうと。
稲川:はい、ローテーションはブレイクの配置がよっぽど良くならない限りは、1回か2回はクッションなり何なりでターンが回って来ると思ってたんで、相手に先に行かれてもいいから、急にチャンスが来た時にしっかり撞けるように、とは思ってました。集中を切らすことだけはないようにと。
――最後は相手の1番ジャンプファウルでチャンスを得て、1番センターショットから14番まで取り切り。105点ランで逆転勝利を収めました(361-344)。しっかりとキューを出していてダイナミックな取り切りでした。良い精神状態で撞けていたのでしょうか?
稲川:はい。「嫌だな」とか「気持ち悪いな」っていうのはなかったです。ただ、9番がかなり厚くなったので、(10番への引き球は)ちょっとパワープレー気味でしたね。それと、12番が真っ直ぐになってしまった時は「また今年もここでやらかすのか…」と一瞬頭によぎりました。周りの人達もあそこで(ミスの可能性が)よぎったと言ってました。
――プレッシャーがかかる球でしたね。
稲川:めちゃくちゃ嫌でしたけど、15個の球を取り切って行くには必ず1回2回はそういう状況が来るんで、「これをこなさないと勝ちはないよな」と思ってました。だから、小細工するというよりは自分の思う一番イメージの良いショットで腹をくくって行こうと。「これなら絶対大丈夫」というところまでちゃんと頭の中を整えて撞けば何とかなるだろうと思って構えました。それでも絶対手球をあそこに出せるという確信はなかったですけど。
――しっかりと引き球で13番に出しました。ちょっとポケットで振った(穴フリをした)んですか?
稲川:そうです。真っ直ぐ引いたら13番に当たるかサイドポケットにスクラッチしそうでした。なので、ポケットの左側いっぱいを狙って、叩き気味に引いたら「ギリ出せるかな」って。あそこは勝負に行った感じですね。そうしたら手球が最高な所に出たんで、良すぎて13番はちょっと緊張しました(笑)。
――そして、13番、14番と入れて上がりました。ゲームボールを入れた瞬間に思ったことは?
稲川:なんだろう……、昨年決勝戦で負けてたから今年はリベンジするぞと思ってたんですけど、もちろんそんなに上手くは行かないだろうなとも思ってたんで、嬉しいよりも先にちょっとビックリしましたね。
――昨年末のインタビューでは「2026年は2つ、3つと優勝したいなと思ってます」と語っていました。早速今回1つ優勝しましたが、この先どういう目標やテーマを持って戦っていきますか?
稲川:とりあえず「西G3」(JPBA西日本のグレード3の大会。グランプリウエストと今大会が該当)では3回優勝できましたので、今年はもっと頑張って「G2」以上のタイトル(全国オープン戦)を獲りたいと思ってます。昨年G2以上の大会ではたしか3位が4回あったので(G2の関西オープン、関東オープン、北陸オープンとG1のジャパンオープンで3位)、やっぱり全国オープンタイトルが欲しいですね。まずは来月の『関東オープン』、頑張ります!
(了)
Yuichi Inagawa
JPBA44期生
生年月日:1983年9月25日生
出身・在住:岐阜県
所属店:岐阜県大垣市『ANY』
主な戦績:
2015年『グランプリウエスト第4戦 in 京都 サンク』優勝
2025年『グランプリウエスト第6戦 in 佐賀 session』優勝
2026年『全日本ローテーション』優勝
他、入賞多数
キュー一式:早川工房(プレーシャフトはSAIGEN、タップはNAVIGATOR)
スポンサー:東海テック株式会社、早川工房、NAVIGATOR
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