〈BD〉「決勝戦終盤は今まで体感したことのない精神状態でした」――全日本3C選手権35年ぶりのアマ王者・板井篤信の談話

 

9日(月・祝)に閉幕した

寛仁親王杯 第83回 全日本スリークッション選手権大会』。

 

歴代優勝者3名をはじめとする

トップアマ・プロ達を次々に破り、

見事に第83代選手権者となった

板井篤信(いたい あつのぶ)の

談話をお届けします。

 

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――優勝から一晩経ちました。実感は?

 

板井:まだ全然実感はないんですけど、お祝いのメッセージが止まらないので「すごいことをやったんだな」という感覚はあります。

 

――最後ワンモアを当てた時に「っしゃ!」と声を出し、キューを高く掲げていました。

 

板井:すごく興奮してました。最後は難易度の高くない球だったんで「当てれるやろう」とは思ってましたけど、当たった瞬間に感情が爆発しました。あんなに声が出たことは今までないです(笑)。ただ、もともと僕は試合でテンションが上がるタイプで、ベスト32(vs 船木耕司)でも同じような感じでワンモアを当ててキューを掲げてました。

 

――偉業を成し遂げたという感覚もまだないですか?

 

板井:すごいことをしたんだなというのはわかってますけど、「まさか自分が」です。今まで全日本選手権に8回出ていて(今回が9回目)、ベスト8(5位タイ)が2回あるので、今回も「ベスト8に行けたらナイスやな」ぐらいで、優勝まではイメージしてませんでした。長年やってきて自分の実力もわかってますし、周りのプロ選手達がとんでもなく上手いこともわかってますから。

 

――でも、試合は試合です。

 

板井:はい。「試合はわからない」ということは僕もわかってますけど、もしオッズが付いていたら高いオッズ(=ダークホース)だったと思いますし、僕でも自分には賭けないです(笑)。特に梅田(竜二)プロにはこれまで何回も叩かれてますし、実力はよくわかってます。ただ、今回は決勝戦の途中で「ひょっとしたら」と感じる瞬間がありました。結構チャンスが巡って来ていたと思います。

 

――今大会では7試合プレーしました。全体を振り返ると?

 

板井:予選リーグの1試合目(vs 稲見伸介)で勝てて良いスタートが切れたんですけど、2試合目(vs 桒原昭彦)は敗戦。1勝1敗で予選は通過できましたけど、負けた試合の内容があまりに酷かったので、試合映像を見直して何が悪かったのかを確認しました。決勝トーナメントに入ってからは思った以上によく撞けました。

 

――決勝トーナメントはベスト32から5試合全て強豪プロとの対戦。全日本選手権者も3名いました(船木耕司、森陽一郎、梅田竜二)。

 

板井:はい。相手は皆トッププロ。ダメもとでぶつかっていける気持ちになれたのが良かったと思います。いつも以上に良い感じで撞けました。正直、こちらは負けても「なんで?」と言われることがない立場じゃないですか。「絶対勝たなあかん」ってプレッシャーもないのは心理的に楽でしたし、試合が楽しかったです。それが気持ちが乗れた原因です。

 

――緊張感は?

 

板井:もともとあまり緊張しないんですが、今回もそうでした。どちらかと言うと興奮して壊れることがあります(苦笑)。今回、途中途中で見えない精神的な揺れというか、「また同じ失敗をしてるな」と思う時もありましたけど、きっちり狙えてる球はきっちり当たってくれたので、基本的には良い精神状態のまま撞けていたと思います。

 

――「良い精神状態」は最後までプレーに現れているように思いました。一定の早めのテンポでしっかり撞いていて。

 

板井:普段からちょっと早撞きで、景色で決めてパッパッパッと行く方です。今回はそこを少し抑え気味に、慎重にやるようにしていたんですけど、それで上手いこと当たってくれてたと思います。

 

――今大会のテーブルはコンディションが難しいという声も聞きますが、板井選手はどうでしたか?

 

板井:僕は周りの方々が言うほど難しくは感じてなかったです。ボールの違いもあるかもしれません。以前ダイナスフィアを使っていた時は難しく感じましたけど、今回はアラミスで、だいたい自分が思ったような動きをしてました。

 

――決勝戦はずっと競り合ったまま進みました。

 

板井:前半は僕が勢いで行けて先に20点取れましたけど(板井20-18梅田でインターバル〈休憩〉に入った)、後半、互いに30点を超えた辺りからはあまり覚えてないです。なんだろう、目に見えない大きなものがだんだん現れてきた気がして……。

 

――緊迫感のある終盤でした。

 

板井:何回も対戦してるからわかるんですけど、梅田プロの圧もすごい。「ここから来るやろう」という圧をずっと感じてました。それでも僕にチャンスが来てたので「ひょっとして行けるんちゃうか」とも感じてました。緊張、梅田プロの圧、そして興奮……全てが一緒になって今までに体感したことのない精神状態でした。

 

――そうだったんですね。

 

板井:味わったことのないものでした。普段僕は試合の球をよく覚えてるんですけど、今回の決勝戦の30点以降はほとんど記憶になくて、最後のワンモアしか覚えてません。そういうこともあって勝った瞬間もろに感情が出たのかなと思います。

 

――選手権者になった今、これからの目標や展望は?

 

板井:今まで通りです。プロ入りのお誘いもいただいてますけど、自分は一般の会社員で、ビリヤード場をやっている訳でもないし、3Cプロ公式戦の少ない関西ではプロとしてやっていくことをあまりイメージできなくて……というのが今の正直な気持ちです。

 

――例年通りアマ3C公式戦に出て行くと。

 

板井:そうですね。それと、今僕は『関西アマチュア3C連盟』の理事をやらせてもらっていて、スリークッションを広めていく活動に取り組んでいます。以前から連盟はあったんですけど、ほぼ活動休止状態だったので2年前に体制を改めて再出発しました。自分はその理事として動いていて、ポケットの試合会場にも伺っています。ポケット選手の皆さんとも交流を深めてスリークッションの面白さを知っていただき、撞いていただけたらいいなと思っています。もともとポケット選手にも知り合いが多いんですけど、さらに良い関係を築いてともに業界を盛り上げていきたいと思っています。今までは僕が試合会場に伺っても「誰だろう」と思われていたと思いますが、今回こういった大きなタイトルを獲ることができましたので、ちょっとは顔と名前が売れたかなと思っています。

 

(了)

 

Atsunobu Itai

生年月日:1971年12月28日

出身・在住:兵庫県

所属店:『Palms!』(大阪府門真市)

職業:会社員

使用キュー:MUSASHI(ADAM JAPAN)シャフトはA.C.S.S Pro、タップはNAOLLY

主な戦績:

2011年『都道府県選手権大会』(岐阜国体記念大会)優勝

2025年『全国アマ3C都市対抗戦』優勝

2026年『全日本3C選手権』優勝

『全関西3C選手権』6連覇中

 

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