〈BD〉「あの瞬間こそ本当の『最高」だし『幸せ』だなって」――カラバオインターナショナルオープン優勝・大井直幸の談話

https://www.instagram.com/carabaointernationalopen/
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4日~8日、

インドネシア・ジャカルタで開催された、

WNT.(ワールドナインボールツアー)

ランキング対象イベント(ゴールドグレード)、

カラバオインターナショナルオープン』。

 

大会を通してトップフォームを維持し、

攻撃的なプレーとユーモラスなアクションで

会場を沸かせながら自身2つ目となる

WNT.ランキングタイトルを射止めた大井直幸。

 

インドネシアからアメリカへの移動の途中、

乗継地の羽田空港にいるタイミングで

コメントをいただきました。

 

この後大井プロはアメリカに向かい、

 

・2月14日~

『テキサスオープン10ボール』(※独立イベント)

※ワンポケットの部(11日〜)にも

出場予定でしたが、

カラバオオープン決勝戦の開始時刻が遅くなり、

セレモニーも長引いた影響で

フライトに間に合わず10ボールのみに

概要・ライブスコアなど

 

・2月18日~

『PBS ラスベガスラウンド』(※WPA系)

① 男子ラスベガスオープン 18日~

② ミックスダブルスターボ 22日のみ

③ WPA チーム10ボール世界選手権 24日~

紹介記事

 

というイベントに出場予定です。

 

ーーーーーー

 

――インドネシアはジャカルタの地で圧巻のプレーで優勝。すっかり現地プールファンや観客のハートを掴んでいる様子が映像から伝わってきました。

 

大井:僕もますますインドネシアが好きになりました。あの素晴らしい舞台でプレー出来て最高でした。セレモニー(表彰~閉会式)はとんでもなかったです。100人じゃきかないぐらいたくさんの観客やスタッフさんと写真を撮った気がします。なかなか終わらなかったね(笑)。インドネシアのプールファンとギャラリーは活気があり、皆さん暖かく応援してくれて、まるでホームのような雰囲気でした。インドネシアの皆さん、ありがとう!

 

――ゴールデンブレイク(ブレイクエース)で優勝を決めた後、テーブルに上がってセレブレーション(勝利パフォーマンス)をしました。直前に靴を脱いでいたことが「日本人らしい」とSNSで話題になっていました。

 

大井:特設会場で行うWNT. (マッチルームが主催するワールドナインボールツアー)系の大会では、優勝決定直後にチャンピオンがテーブルに上がり、会場をあおって盛り上げて締めるっていうのがお約束になってるので、僕もやらせてもらいました。前もって言われてた訳じゃないけど、大事なシーンだとわかっているので。仕事として……と言うのも変だけど、まあチャンピオンの恒例行事みたいなもんですよね。だから、今後またWNT.の大きな試合で優勝したらやると思います。個人的に土足のままテーブルに上がるのは好きじゃなかったので靴は脱ぎました。ひょっとしたら公の場で靴を脱ぐことがNGな国があるかもしれないから、毎回脱ぐかどうかはわからないですけど。

 

――ギャラリーも熱烈に大井プロを祝福し、台上の大井プロとの束の間のコール&レスポンスを楽しんでいました。

 

大井:「生きてて良かった~!」と思いました(笑)。僕は「最高」「幸せ」って言葉をしょっちゅう使うけど、あの瞬間こそ本当の「最高」だし「幸せ」だなって。あの気持ち良さは優勝することでしか味わえないし、あれを一度味わったらやめられない。もう一度優勝を目指す上で最高のエネルギー源になりますね。賞金を得ることはもちろん大事だけど、金額がどうとかじゃなくて、大会のポジティブな空気とか会場とお客さんの雰囲気みたいなものが大事だと思ってます。今大会はその全てがあったから気持ち良くテーブルに上がれたのかもしれません。あと、海外の特設会場で勝ったのは初めてだったから、中継映像を通して「日本の皆さん、見てくれてますか? 一緒に喜んでくれてたらいいな」っていう気持ちもありました。自分一人だけで海外で競技活動は出来ない。日本の皆に支えられているから続けられているんだなとつくづく感じているので。

 

――話は逸れますが、今大会の主催・メインスポンサーであるカラバオ社はインドネシアのビリヤード企業。今大会は、社長のヘンドラ・カラバオ氏のやりたいことを形にした大会だったように感じました。

 

大井:間違いないですね。カラバオさんが中心になって、私財をなげうってじゃないけど、たくさんお金も使って、インドネシアでもっとビリヤードを盛り上げるためにやったんだと思います。それは色々な場面で感じました。ジュニアの部やセレブリティの部(一般アマ男子の部と女子の部)も同時開催だったし、この大会が多くの人の憧れの舞台になるように立ち上げたんだろうなって。当然ビジネスのことも考えているとは思うけど、まず先に夢の実現にフォーカスを当てている感じがしました。そういう夢を持った人が主催者やスポンサーさんの側にいてくださるのは、僕らプレイヤーからすると本当にありがたいこと。日本にもそういう方々がいらっしゃいますけど、規模的にその世界バージョンを見た思いでした。

 

 

▶ 大井直幸 Road to Victory.

・予選ラウンド(ダブルイリミネーション

◯ 9-3 vs K・アルガムディ(サウジアラビア)

◯ 9-2 vs M・ティパワン(フィリピン)

・決勝ラウンド(シングルトーナメント)ベスト64より

◯ 10-0 vs G・ウアノ(フィリピン)

◯ 10-9 vs I・カディル(インドネシア)

◯ 10-4 vs vs  P・ガリート(フィリピン)

◯ 10-8 vs R・ナラウナン(フィリピン)

◯ 11-3 vs M・アシス(フィリピン)

◯ 13-3 vs I・ナスション(インドネシア)

 

 

 

――今大会のテーブルコンディションはどうでしたか?

 

大井:そんなに難しくはなかったですね。国際大会基準で言えば「普通」ぐらいで、僕はかなり撞きやすかった。基本的に皆よく球を入れてるんだけど、プレッシャーがかかってきてイメージが悪くなると外れ始める感じで、今の僕にはそのぐらいのコンディションだと自分に分が良いというか少しアドバンテージを感じます。僕はプレッシャーがかかってもあのコンディションなら球を飛ばす気はしなかったから。ほとんどの試合で、細かいところを突いて相手にプレッシャーを蓄積させていって、そこで一押しできたら、相手の方が先にミスってくれそうな雰囲気を感じました。

 

――「ほとんどの試合」ということは、そうではない相手もいたと。

 

大井:ミスってくれそうな雰囲気がなかったのはベスト8で当たったR・ナラウナン(フィリピン)。アイツはやっぱりきつかった。僕が5-2でリードしていたところから、ナラウナンは取り切り+マスワリ5連発を出してきた。トップクラスはそういうゲームをしてきます。ナラウナンも含めてフィリピンのレベルは上がり続けてますよね。

 

――ええ。そして、地元・インドネシア勢も各世代に強豪がいますね。

 

大井:そうですね。インドネシア選手も前から上手い人はいたけど、最近急激に良い若手が増えてきてるし、今のトップ選手達は誰でもWNT.イベントの上位に入れる力があると思います。

 

――決勝戦(vs I・ナスション〈インドネシア〉)ではいきなり大井プロが11点連取。11-0として優勝まであと2点に迫りました。

 

大井:11点までほぼ完璧な内容で撞けたんじゃないかな。自分でも「こんなことがあるのか」って(笑)。ベスト64も似た感じでしたね(10-0 vs G・ウアノ〈フィリピン〉)。あの試合は僕が取り切り+マスワリ7連発で上がったのかな。他の試合を振り返っても、今大会を通してミスらしいミスの記憶があまりないです。台が甘めだったからだとは思うけど、ミスの記憶がないまま大会を終えられたのは我ながら大したものだと思います。

 

――決勝戦の終盤、11-0から相手に3点取られました。点差もありましたし動揺することはなかったと思いますが……。

 

大井:いやいや、動揺してましたよ。僕は「自分がこれだけポイント連取できるなら相手にもできるだろう。負ける可能性は常にある」と思うので。同じ人間であり同じ選手だから、自分に出来ることは相手にも出来るもんだと思ってます。もし立場が逆だったとして、決勝戦で相手に0-11でリードされていても、僕はワンチャンスで8点連取するぐらいのイメージはできます。だから、3点続けて取られると「もしかして」と動揺はします。……でも、こう話してて思うけど、僕でも決勝戦で11-0まで走れた訳だから、今の世界基準で言う「ワンサイドゲーム」って11点連取ぐらいは当たり前になってきていて、今後は下手したら15点連取とかを指すようになるのかなって思いました。

 

――最後はゴールデンブレイク(ブレイクエース)で勝利。今までに大きな大会でエースで優勝を決めたことは?

 

大井:ないないない(笑)。いやぁ、あのブレイクはなんか夢の中にいるみたいでほんとに面白かった。9番が手球・8番・2番に続けて弾かれてパチンコ玉みたいな動きをしてて、穴に入りそうで入らなさそうでやっぱり入ったぁ、みたいな。「あ、あっ、あぁ~!」って興奮しちゃいました(笑)。あれはもうギフトですよね。

 

――頑張ったご褒美ですね。

 

大井:ホントそう。頑張ったご褒美をやっともらえたなと。……いや、そんなものがあるなら、もっと早くよこしてくれよっていう思いもあるけどね(笑)。今まで大きな大会の決勝戦で何度も負けて悔しい思いをしてきてるから、その分を返してもらった感覚は少しあります。そして、優勝して思ったことは……、

 

――なんでしょう。

 

大井:残念ながら、僕はそんなに優れた人間じゃないから、失敗を繰り返していかないと成果を得られないし、勝てる理由がわからないんだなって。今はプールの世界でも、失敗の経験をほとんどしないで育ってきた「できる子」達がどんどん増えてきてるじゃないですか。もちろん少ない失敗経験で多い成功体験を得られるのが理想なのは間違いない。だから、今後ますますそういう選手達が増えていくでしょうし、彼らと競争する機会も増えていく。僕は「それもまた新しい経験値を積めて面白そうだな」って思うんですよね。彼らと僕では戦い方がまるで違うけど、負ける気はしてないし、負けても何度でも挑んで行きます。勝負するのが楽しみな自分がいます。

 

――昨年末のインタビューで「2026年は優勝を目指す」と明言していました。早くも有言実行した訳ですが、ここからは?

 

大井:そう、明言してすぐ出来てしまったから、「言ったことは何でもまたすぐ出来るんじゃないか」って思い始めてるよね(笑)。それはともかく、やることは変わらないですよ。自分の中で「ここをクリアしたらもうちょっと良くなれるんじゃないかな」っていう部分ははっきりしてるんで、そこをどのぐらい追求したらどう進化できるのかが自分でも楽しみです。最近は世界のベスト8~ベスト4あたりまで行けることが増えてきてアベレージが上がってるのは間違いない。そこには何か理由があるはずだし、更にその上も目指せるなというのを今回の優勝で改めて感じました。少なくとももうちょっと我慢強さを出せたら、もっと勝てるんじゃないかなとはずっと思ってます。そこを次のアメリカ遠征までに……と言ってもすぐ始まりますけど、意識して取り組みたいと思ってます。

 

(了)

 

▶ 大井直幸 ロングインタビュー(2025年年末)

 

Naoyuki Oi

JPBA40期生/1983年1月10日生/東京都出身

JPBA年間ランキング1位・6回(2006年、2012年、2014年、2015年、2017年、2018年)

2007年『ワールドカップオブプール』3位

2012年『9ボール世界選手権』3位

2014年『全日本選手権』準優勝

2015年『ワールドカップオブプール』3位

2017年&2018年『ジャパンオープン』準優勝

2017年『ワールドゲームズ・ヴロツワフ大会』銅メダル

2017年『USオープン9ボール』5-6位

2018年『CBSAツアー 中国・密雲戦』優勝

2019年『ジャパンオープン』優勝

2021年『チャンピオンシップリーグプール』5位

2021年&2024年『10ボール世界選手権』準優勝

2021年『USオープン』3位

2023年『プレミアリーグプール』3位

2024年『ヘルシンキオープン』優勝

2025年『ヨーロピアンオープン』準優勝

2025年『カタールワールドカップ10ボール』3位

2026年『カラバオインターナショナルオープン』優勝

他、優勝・入賞多数(2024年11月現在国内44勝。こちらへ)

使用グローブはOWL

使用プレーキューはHOW(ハオ) 

使用ブレイクキュー、ジャンプキューはUnlimited(アンリミテッド)

使用タップは斬(ZAN)

所属:Shop FLANNEL、Flannel Pool Studio

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