1月31日
初優勝を飾った平口結貴の談話です。
決勝戦直後にコメントをいただきました。
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――遂に初海外タイトル獲得です。
平口:なんでしょう……ああ、良かったなぁって。初めて国際大会の決勝戦を撞いて、初めてアジアタイトルを獲れましたけど、「すごく嬉しい」「やったー!」というよりも、良い方向へ進んで来られていることへの安堵と周りの方々への感謝の気持ちが一番です。この2年ぐらい思うような結果が出ずに苦しんでいた中で、色々思うところもあって練習の仕方や取り組み方を見直し始めていました。その最中での優勝だったので、「この方向で良いんだな」と少しホッとした気持ちです。ただ、同時に「世界のレベルはやっぱり高いな」ということを改めて目の当たりにしましたし、考えさせられる大会でした。
――日本女子選手初の「アジアチャンピオン」です。
平口:「アジアチャンピオン」という称号をいただけたのは大きなことです。今回は何名かのトップ中国勢・トップ台湾勢がいなかったので、もしフルメンバーが揃っていたとしたら、もっと厳しい戦いになっていたと思います。でも、ソソア選手(現9ボール世界女王)、フィリピンの2人(R・アミットとC・センテノ〈ともに元10ボール世界女王〉)、河原さん(河原千尋。現チャイナオープン覇者)というメジャータイトルホルダー達がいましたし、各国代表選手たちは皆レベルが高いなと眼の前で見ながら思ってました。
――平口プロも今大会で良いプレーを継続できていたのでは?
平口:そうですね。私はどっちかと言うと勢いに乗って4、5試合ぐらい一気にばーっとプレーしたいなと思う方なんですけど、今大会は基本1日1試合だったので、毎日ブレないプレースタイルを築いていくことが大事だと思ってました。どの試合でもミスはあったんですけど、ミス後に気持ちを切り替えることや自分に弱音を吐かないというところは、最近の大会では一番出来ていたと思います。
――技術面で良かったところとは?
平口:先日『WPA ヘイボールワールドカップ』(オーストラリア開催。中国式8ボール)に日本代表チームとして出させていただいて、その前からヘイボールを結構練習してたんですけど、おかげで的球の狙い方を考え直す機会があり、より良い狙い方ができるようになったと思います。それが今大会でも活かせていたなと。あとは、技術に限った話ではないですけど、これまで何度も海外大会に行かせてもらった中で自分なりに足りてない部分はよく見えていたので、そこも意識していました。
――決勝戦の前夜や当日の朝は「優勝」を意識していましたか?
平口:しちゃってました(笑)。今まで何度も「優勝するとしないとでは大違い」という経験をしてきているから、やっぱり「勝ちたいな」って。前日のベスト8と準決勝ではまだ先のことはあまり考えず、自分のスタイルからブレず、やるべきテーマだけを意識して準備とプレーが出来ていたと思います。準決勝の後、宿に戻ってからもルームシェアしていた河原さんと小西(さみあ)さんと和やかな雰囲気で過ごせてリラックスできてたんですけど、その後あまりよく眠れなかったですね。
――たかぶっていたのかもしれないですね。
平口:翌朝すごく早く目覚めてしまったし、身体が重くて咳も出るし、朝のコンディションは最悪でした。試合の1時間前から練習できたのは良かったんですけど、初めはストップショットもままならないレベルで(苦笑)。でも、練習時間内でしっかり集中して身体と頭を目覚めさせていきながら、最終的にはなんとか「問題ないな」というところまで持っていけました。悪い緊張感も先にそこで味わうことができた気もするので、早く練習に行って良かったなと思います。
――それでもまだ決勝戦(vs 江水淨)の第1〜2ラックあたりは硬さが残っていた印象です。
平口:そうなんです(苦笑)。立ち上がりの硬さは自分の課題ですね。たまたま第2ラックで相手が10番をミスをして回してくれたのは、私にとってかなり大きなことでした。あれで落ち着きました。
――そこから、相手のミスから確実に取り切り続けるという理想的な戦いができていたように思います。6連取で6-1とリード。
平口:はい、今回のテーマの一つとして「良い状態の自分を維持していく」というのがあったんですけど、それは決勝戦でも発揮できていたかなと思います。
――その後、平口プロの4番クッションファウルと8番ミスから相手に2点取られましたが焦りは?
平口:ちょっと焦ってきてました。私は今までも上がりそこねることが結構あったので、「早く取りたい」と勝ち急ぐ気持ちが出てきて。でも、それは良くないよという話を河原さんもしてくださいましたし、せっかく多くの方に支えられてこの場にいるんだから、焦って自分の球が撞けなくなるのが一番残念なことだなと心の底から思えていたので、最後の最後のところで落ち着いていられたのかなと思います。
▶ アジア10ボール選手権 女子の部(36名ダブルイリミ→16名シングルトーナメント)
・平口結貴
◯ 6-2 vs N・プラヴィーン(インド)
◯ 6-1 vs 洪欣妤(台湾)
予選ラウンド通過
◯ 7-4 vs F・マスム(インドネシア)
◯ 7-4 vs 奥田玲生
◯ 7-5 vs R・コンスタンティノ(フィリピン)
◯ 8-3 vs 江水淨(台湾。チアンシュイチン)
優勝!
※平口の左隣は男子の部優勝のC・ビアド(フィリピン)、
さらにその隣はU19男子(9ボール)優勝のF・フェルディス(インドネシア)。
大会結果記事はこちら
――第11ラックの上がりの場面。残り4球で7番から8番はナイスなドローショットでした。あれはイメージ通りですか?
平口:自分でも100点満点のショットができたんじゃないかなと思います。スピード・引き加減・(左ヒネリの)トビ具合、その全てがマッチしないとあの出しは出来ないと思いますし、ああいう流れの中であんなショットを決められたことはあまりないです。今回は「気持ちを落ち着かせきるまで撞かない」というのもテーマの一つでしたけど、あの球に関しては以前感覚でやってきた部分が活きたというか、感覚でカバーした球だったと思います。最初は配置を見て一瞬“切り返し”も考えたんですけど、出しのラインをよく考えてドローにしました。結果的に良い判断だったと思いますけど、35秒ルールがあったので、もっと早くドローで行くと決められていたらもっと心の余裕を持って撞けたのかなと思います。頭の回転を早くするというのも今後の課題の一つです。
――ゲームボール(10番)は土手撞きになりましたが、身体を残してしっかり入れました。
平口:今までだったらああいう土手撞きのゲームボールは、ちゃんと先球を捉えられてないまま、感覚やニュアンスで撞いてたんじゃないかと思うんですけど、今回はしっかり撞点とスピードを決め切り、厚みから目を飛ばすこともなく狙えました。
――ゲームボールを入れた瞬間の心境は?
平口:さっきも言った通りですけど、「すごく嬉しい」という感情ではなくてただただ安堵と感謝の気持ちでした。この数年苦しかったけど「まだ頑張れるな」という安心感と、テーブルのすぐ近くで応援してくれていた方々や日本から応援してくれた方々の思いもしっかりと伝わってきていたので、本当に皆さんに「ありがとう」という気持ちでした。
――それだけ2024年~2025年が苦しかった。
平口:はい、2024年と2025年はかなりしんどかったです。思ったような活躍が出来ず、「頑張れてないのかな」「頑張り方が違っているのかな」と自分を疑う日々でした。最近テーマと方向性を設定し直して動き始めていて、その過程で今回優勝できたという感じです。
――平口プロはジュニア・アマ時代からビッグイベントでの活躍が目を引きます。陳腐な表現ですが、色々な意味で「持っている」なと。
平口:(笑)そうですよね。以前から周りにそう言われることがありましたけど、心の中では「いや、違うし」と認められない時もありました。でも、今回はそうなのかもしれないですね。終わってみると、周りの方々にたくさん助けられ、支えられてインドネシアまで来て勝つことができたんだなと実感しています。とても良い環境で試合に臨むことができていたんだな、恵まれてるなって。大会期間中、河原さんと小西さんと過ごしながら色々な話をさせていただきましたし、ファンの方、スポンサーさん、家族や身の回りの方からたくさん応援していただいていることも感じていました。
――2年前、2024年は「海外戦に専念する」という活動方針でした。そして2025年からはまた国内・国外両方に出ています。
平口:はい、今改めて思うのは、結果がなかなか出ていない中で、それでも2025年以降もずっと海外に行かせてもらえている環境は普通じゃないんだなと。本当にそれがありがたくて……もちろん試合が始まったらそんなふうに感情的になることはないんですけど、今回の決勝戦の前は全てに感謝しながらテーブルに向かいました。今大会最後までしっかり戦いきることができたのは、「皆に支えられている以上、弱音を吐く訳にはいかないし、どんなことが起きても気持ちを強く持って自分で乗り越えて行かないといけない」と自分に言い聞かせていたからだと思います。
――2026年、最高のスタートを切りました。ここからの展望は?
平口:『関西オープン』5位タイ、『アジア10ボール選手権』優勝と良いスタートを切れたと思います。今、日本から世界に挑む選手も増え、日本女子のレベルも向上心もどんどん上がってきていると思うので、私もその波に乗ってさらにレベルアップできるように励みます。今回の優勝はとても大きな糧になりますが、課題もたくさんあったので、それに取り組みながら2月の『ラスベガスオープン』(PBSラスベガスラウンド)に向けて準備していきます。今のこの意識や姿勢を維持しながらやっていけば、もっと強い自分になれるんじゃないかと思います。
(了)
Yuki Hiraguchi
JPBA50期生(2016年プロ入り)
1997年7月11日生
北海道出身・東京都在住
主な戦績:
アマ時代:
2013年『全日本ジュニア』
(JOCジュニアオリンピックカップ)優勝
2013年『世界ジュニア』(南アフリカ開催)準優勝
2015年『アマナイン』優勝
2015年『アジア選手権』ジュニア女子の部3位
2016年『第8女流球聖戦』球聖位
プロ入り(2016年7月)以降:
2016年・2020年『関東レディースオープン』優勝(2016年は最年少優勝記録)
2017年『ジャパンオープン』優勝(女子の部最年少記録)
2018年『東海グランプリ』優勝
2019年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝
2019年 中国『CBSAツアー 泰順戦』3位、同『北京 密雲戦』3位
2022年『大阪クイーンズオープン』優勝
2022年『ワールドゲームズ2022 バーミングハム』プール女子9ボール銅メダル
2023年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝
2023年『全日本選手権』優勝
2025年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝
2026年『アジア10ボール選手権』優勝
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