〈BD〉「初心の気持ちで挑みました」――GPW-4優勝・吉岡正登の談話

 

28日(日)の

グランプリウエスト第4戦 in 佐賀 session

(GPW-4)で優勝した吉岡正登の談話です。

 

吉岡プロは大会の翌日にベトナム・ダナンへ。

明日10月1日から始まる

WNT.系『ペリオープン』に出場します

(※日本選手多数出場。競技は2日から。

別記事でまとめます)。

 

飛行機の乗り継ぎのタイミングで

話を聞きました。

 

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――優勝の感想を。

 

吉岡:久しぶりの優勝でとてもホッとしています。

 

――前回の優勝(2019年『GPW-2』)から気付けば6年経っていました。

 

吉岡:そうですね。前回優勝した年(2019年。国内2勝&『10ボール世界選手権』3位)にJPBA男子統一ランキング1位を取れて、そこから海外戦へのシード枠が回って来ました。コロナ禍の休戦を挟むような形で海外戦に行けるチャンスが延長され、その中でマッチルームランキングを上げることができてWNT.プロにも登録出来ました。そこからは国内戦と海外戦の狭間でもがく日々だったと思います。海外戦でも結果が出ないし、国内戦でも勝てなくなって。どこか「もう一生勝てないのではないか」という焦燥感に駆られていました。

 

――そうだったのですね。その気持ちのまま今大会を迎えたのですか?

 

吉岡:実は2週間前の『ジャパンオープン』で初日敗退(勝ち→負け→負けで129位タイ)してからより一層自信をなくしていたんです。あの敗戦はショックでした。ある程度自信もあり、最終日のニューピアホールで撞くイメージも持っていましたから。直近のアメリカ遠征で自分のレベルアップを実感していたところでの不甲斐ない結果だったので……。振り返ると、ジャパンオープンは全く集中ができず戦えてなかったですね。

 

決して国内戦を軽んじている訳ではないのですが、一つの要因としてテーブル(ポケット幅)の差はあると思うんです。国内の甘いテーブルでは誰もが恐れずガンガン攻めて決めてくる。あのテーブルでは逆にチャンスがないように感じていました。ビリヤードはコンディションの違いで全く別の戦いになります。もちろん海外と日本、両方に順応していかないといけないのですが……。だから、今回に関しては、いつ誰にどのように負けても気にせず、臆することなく自分の精一杯をぶつける。言うなれば初心の気持ちで挑みました。

 

――初戦のベスト64から準決勝までを振り返ると?

 

吉岡:ベスト64で勝てた時に負の連鎖が断ち切れた感はありましたけど、やっぱりベスト64~ベスト32あたりは自信がないまま戦ってましたね。色々な不安要素がありました。

 

――不安の一つを挙げていただくと?

 

吉岡:実は、ジャパンオープンの敗戦もあったから、新たな変化を求めて大会前にタップを新しいものに替えたんです。僕は前から柔らかめのタップが好みだったんですが、今回は親しいプロからの推薦もあって全く異なる性質の、自分としては硬いと感じるタップにしました。付けてみたらフィーリングは良いし、硬いタップならではのメリットも感じましたけど、替えて日が浅いのでさすがに試合では毎ショット不安の連続でしたし、実際にミスも出ていました。やっぱり実戦になると、スローショット、殺す球、土手撞きなんかではタッチを出しにくい。でも、反対に助けられた球もたくさんありましたし、勝利の要因にもなっていると思います。

 

――だんだんと自信を持てるようになったのはいつ頃でしたか?

 

吉岡:ベスト16(vs 浅野正人)は展開にも恵まれて自分が終始リードして勝てましたし、あのあたりから少し不安が薄れ、集中が高まってきたと思います。あとは、準決勝(vs 金澤蒼生アマ)の前半と決勝戦(vs 稲川雄一)の前半はかなり良い感じで集中できていたと思います。当然相手も強いですけど、そこまで行ったら勝ちたいし、100%の力を出したいなという気持ちでした。

 

――決勝戦の終盤は上がり損なう場面が数回見られました。

 

吉岡:決勝戦の上がり際は少し勝ち急いだような形になり、何度もチャンスをふいにしてしまいました。最後の方は持ち時間を使い切ってショットクロックに移ったのですが、「1ショット25秒」は焦りを増長させましたね(苦笑)。

 

――吉岡プロはどちらかと言えばスピーディーに判断とショットをする方だと思いますが……。

 

吉岡:今回はタップのこともあったので、ちゃんと決め切ってから撞かないと不安でした。だから、いつもよりはスローペースで撞いていて、どの試合も持ち時間を使い切っていたと思います。それは仕方ないなと思いながらやってましたし、むしろ普段以上に丁寧に撞けて良かった面もあったと思います。

 

――上がりのラック、2番から取り切って行き、一度ゲームボール(10番)が外れました。あれも新しいタップによるタッチのズレがあったのですか?

 

吉岡:そうですね。まず、その前の9番から10番への引き加減が合ってなくて土手球にしてしまいました。それに対する自分への憤りや「この1球で優勝できる」という思い、そしてショットクロックのカウントダウンとで身体が硬くなって10番が外れてしまったんだと思います。

 

――相手がセーフティした後、縦バンクで10番を決めました。

 

吉岡:あの形を見た時、2019年『ワールドプールマスターズ』でスペインのD・アルカイデ選手が決めたゲームボールの縦バンクがパッと頭に浮かびました。そして、そのイメージでショットしたら入りました。でも、その前に1回10番を外してますから、「なんかもうすみません」って感じもありました(苦笑)。

 

――今日(29日)ベトナム・ダナンに入りました。10月2日からWNT.系『ペリオープン』が始まり、7日からはWNT.メジャーイベント『ハノイオープン』が控えています。

 

吉岡:ベトナム2連戦はとても楽しみです。新しいタップでどれだけ自分の力を上げられるのか、そして、現地の渋いテーブルコンディションでどれだけ撞けるか。そのあたりは探り探りになると思いますが、今回良い結果が付いてきたことで、海外でも戦えるイメージは一層強くなりました。メンツも世界級ですし、一筋縄ではいかないですけど、2大会とも良い結果を出せるように全力を尽くします。

 

――応援してくれている人たちへ一言。

 

吉岡:いつも支援・応援していただいているスポンサー様、レッスン生の皆様や家族に久々に良い報告ができてまずは一安心です。これからも高みを目指して挑戦していきますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

 

(了)

 

Masato Yoshioka

1985年10月2日生

JPBA43期生(2009年プロ入り)

京都府出身・大阪府在住

2012年『8ボールオープン』優勝

2014年『全日本14-1』優勝

2019年『関西オープン』優勝

2019年『グランプリウエスト第2戦』優勝

2019年『10ボール世界選手権』3位

2019年JPBA年間ランキング1位

2025年『グランプリウエスト第4戦』優勝

他、上位入賞多数

使用キュー・キューケース・グローブ:CUETEC

ビリヤードレッスン場『Poche』(ポッシュ。大阪)代表

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JPAプロスタッフ 

 

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