日本の2大国際プール大会の一つ、
『第38回 ジャパンオープン』の開催まで
あと1週間となりました。
8月13日の【ジャパンオープン特集 前編】、
8月29日の【同 中編】に続き、
【後編】をお届けします。
今回もビリヤードデータ専門ウェブサイト
『ビリヤードウォーカー』の
タカタアキラさんが、
「JOを見る。数字で見るJO」と題して、
男子の部のデータを分析・解説して
くださいます。
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◇ タカタアキラ(Billiards Walker)・記:
こんにちは、『ビリヤード・ウォーカー(ビリヲカ)』を主宰しているタカタアキラです。
国内ポケットオープン戦の最高峰である『ジャパンオープン』(以下、JO。)まであと1週間となりました。
前回の中編(女子編)に続いて、後編となる今回は、JO男子の数字にまつわる話をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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◇男子のJO表彰台経験者は81名!
JO男子は、前回紹介した女子の部からさかのぼること1年前の1988年に始まった。これまで全35回開催ということで、表彰台(ベスト4)の枠は延べ140人。ここに名を残した選手が81名。数字だけではピンとこない点も多いが、データをヒントに掘り下げていこう。
このJO表彰台ランキングでまず目を引いたのが、最多タイ(7回)の利川章雲と川端聡の大阪コンビで計14回入賞している点、つまり表彰台の1割を2人で独占していたという計算になる。これはさすがに驚いた。西日本グランプリじゃないんだから。
次に表彰台回数で3位タイにつけたのが、“GOAT”(史上最高選手)の異名を持つ奥村健。しかも最多優勝(4回)のオマケ付き。ただし。奥村が『全日本選手権』で4連覇を達成したのが1979年から1982年のことで、JOの創設より前の話。もしJOが10年早く開催されていたら……。
さらに大井直幸、羅立文、栗林達が4回で、3回の土方隼斗を加えると計15回。これには東日本上位陣の盤石ぶりが窺える。
またコロナ禍明けにJO2連覇を達成した飯間智也にも注目。2022年にJO決勝会場のニューピアホールで“ダイヤモンド”テーブルが採用されて以降、同ホールでの戦績は8勝0敗と、まさに「Mr. DIAMOND」な活躍(3年目の昨年は特設進出ならず)。
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◇国別の表彰台データを集計
つづいて今回は、国別の表彰台回数を抽出してみた。JPBA所属の選手は、国籍に限らず日本とした。すると日本勢が最多の84回と、ジャスト60%を占有。率直なところ、「ホッ」とした。“ジャパン”オープンの面目躍如という気持ちで。
次に多かったのは、フィリピンの39回で、約28%に相当する。やっぱりか。続いて台湾の10回で、これは7%相当に値する。残るは5%。集計上は「その他」になるであろう諸国の内訳は、アメリカとメキシコが各2回、さらにドイツ、韓国、ポーランドが各1回でコンプリート。
ただし優勝回数で見ると、日本とフィリピンが15回ずつで並んでいる。今気づいたばかりなので、前のめりで記すのは恥ずかしいが、昨年にジェフリー・イグナシオが優勝したことで並ばれていたのだ。今年の日本vsフィリピンのJO覇権争いは、注目ポイントの1つになるだろう。
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◇男子のJO初表彰台候補は?
前回の中編でも記したが、JOの表彰台に立ったことがあるか否かは、「国内トッププロ」と呼ばれる目安のひとつ。また、冒頭で示した歴代表彰台リストを見れば、歴代トッププロと呼ばれた名手は“ほぼ”網羅されている。
JO表彰台未到達の歴代猛者を強いて挙げるとしたら、2001年日本ランキング1位の桧山春義(故人)、2011年ナインボール世界王者である赤狩山幸男、2018年全日本選手権者の高野智央といった面々か。なお、東日本注目の若手である杉山功起と神箸渓心は既にJO表彰台に立っている。
ここで今年の「JO初表彰台」候補を紹介していこう。前出の赤狩山、高野に加えて、鈴木清司、塙圭介、吉岡正登、杉原匡らが、実績から有力候補に。また直近の戦闘値を見ると、林武志、ジュリアン・セラディラの2人は外せない。
さらには「JO表彰台を経験して殻を破る」ことに期待が寄せられる層が相当数いる。しかし、ここで列挙することは控えて、読者の皆さまの希望と期待を入れ込めて、埋めていただくこととしたい。
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◇あとがき
前回に続いてJO表彰台をテーマに記した今回の記事は、どのような発見があったでしょう? 個人的には、国別優勝回数で日本とフィリピンがちょうど15回ずつで並んでいたことが、今年の見どころの1つとして惹かれました。ちなみにですが、残りの5回は台湾勢が4回、メキシコ選手が1回でした。台湾の4回は、やや少なく感じますね。
記事作成にあたり過去の数字を探ってみた今回、JOは「バランスの良い日本開催の国際試合」という印象を受けました。表彰台ランキングの表を見てもお分かりいただける通り、歴代の国内プロたちが、総力を挙げてJOの表彰台を守ってきたことが感じられます。
ただし、「表彰台」と記すことは簡単ですが、そのハードルは極めて高いものです。男子の場合だと、シングルになる「ベスト128」から負けは許されないので、ここから5連勝することが、表彰台に立つ条件になります。ちょっと気が遠くなる世界ですね(笑)。
皆さまの「推し」選手が、今年のJOでどのような活躍を見せてくれるのか? ビリヲカが供給しているライブスコアシステムも稼働予定ですので、現地へ足を運ぶことが叶わない方は、こちらでもお楽しみいただけたら幸いです。私もニューピアホールから400kmほど離れたこの地から、奮闘する日本人選手にエールを贈りたいと思います。
最後までお読みいただいた皆さまと、このようなデータにまつわる記事を書く機会をいただいたBDさんに感謝の気持ちを記して、今回のJOシリーズを締めさせていただきます。ありがとうございました!
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タカタアキラさん、ありがとうございました!
・2025 ジャパンオープン特集・前編はこちら
・同 中編はこちら
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