アメリカ・バージニア州ロアノークで
開催されたWNT.ランキングイベント、
『バトルオブザブル』
(Battle of the Bull)は、
J・チュア(フィリピン)が優勝。
→ 結果記事はこちら
大会に参加していた
日本人WNT.プロ、吉岡正登プロより
現地の様子を教えていただきました。
吉岡プロはこの8月、
大井直幸プロとともに
『フロリダオープン』
『バトルオブザブル』
『USオープン』
というWNT.の3大会を巡ります。
その遠征記の第2弾です。
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吉岡正登・記:
こんにちは。バージニア・ロアノーク滞在最終日を迎えた吉岡です。バトルオブザブル参戦記をお届けします。
◇ 移動日:フロリダ州オーランド~シカゴ経由~バージニア州ロアノーク
『フロリダオープン』開催地のフロリダ州オーランドから、次の大会『バトルオブザブル』開催地のバージニア州ロアノークに移動します。移動手段は空路と陸路があり、僕たちは空路を選択。
羅立文プロを含む台湾チームは、人数が多いこともありレンタカーで移動するとのことでした。11時間の道のりなので2日掛かりとのこと。
滞在していたホテル『カリブロイヤル』最寄りのオーランド国際空港からロアノークへの直行便はないので、少し遠回りになりますが、より安いシカゴ経由を選択。シカゴまで3時間、そこからロアノークまで2時間のフライトでした。
おかげでお昼にオーランドを出て夜9時ロアノーク到着になり、大井プロがエントリーしていたワンポケット部門の1回戦に間に合うかどうかギリギリの時間に。事前に連絡はしており、間に合えばその日、間に合わなければ次の日の朝に試合時刻を調整してくれるとのことでした。
この後の『USオープン』が開催されるニュージャージー州アトランティックシティまでの移動も考慮して、ロアノークに着いてすぐにレンタカーを借りることにしました。結果的にこの判断は大当たり。と言うのも、ロアノークはとても田舎なので車移動が基本で、歩道もあまり整備されてなかったから。
ただし、少し問題が。今回大井プロの国外運転免許の申請が間に合わず、アメリカ初運転となる僕しかドライバーがいないということ。車線を間違えるのだけは気を付けないと(汗)。
ロアノーク空港に到着してすぐにレンタカー各社が並ぶカウンターへ向かいました。今回利用する「Budget」という会社のカウンターでパスポート、免許証、国外運転免許証、そして支払いをするクレジットカードを提出。返却場所などの確認をしてものの10分で車のキーを渡され、あっという間に手続き完了。日本のように車体の傷の有無などのチェックはありませんでした。
ロアノークの宿はホテルではなくエアビー(Airbnb。民泊)を予約済みで、空港からは車で5分の距離。しかし、まず先に試合会場の『Wolf’s Den』(ウルフズデン)へ向かわなければならず、少し緊張しながら車線を確認して発進。会場も空港から車で10分とかなり近い距離にあります。というより、この街はおそらく1時間も車を走らせれば1周できる程の規模です。
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◇ 会場のWolf’s Den
会場に到着。広々とした店内ではすでにワンポケットの部の試合が進行中でした。急いで行きましたが、大井プロの試合はすでに相手プレイヤーの了承のもと翌日朝に回してくれていました。
このWolf’s Denは、中央の1段上がったギャラリーエリアを囲うように9フィートテーブルが11台、7フィートテーブルが10台が置かれたかなり大きなお店なのですが、加えてその設備がすごかったです。
7フィートテーブルも含めて全てのテーブルに大小2つのモニターが付いていて、小モニター(画像1枚目)でプレイヤーがスコアを付けると大モニター(2枚目)に大きく映し出される仕組み。しかも全台にカメラが付いていて有料配信も行っていました。
周りを山に囲まれた小さな街にここまでお金がかかっているビリヤード場があるのは少し奇妙な気もするので、今大会のために取り付けられた可能性もあるかもしれません。しかし、翌朝早くに会場入りしたら、少なくとも4台のルンバがテーブル上を掃除していました(※働くルンバたちの姿は上掲動画の終わりの方にあります)。うむ、やはりこのお店は元々設備が整ったお店なのか……。
テーブルは全台ダイヤモンドでラシャはおそらくシモニス。ポケットサイズは通常のダイヤモンドテーブルで、甘くもなく渋くもない感じ。ただし、4インチテーブルに慣れたワールドクラスの選手たちからすればかなりのビッグポケット。ブレイクも入りやすいですし、連マスを喰らう確率はかなりアップします。ルンバで手入れするぐらいなので基本的に全台ラシャは綺麗めでしたし、コンディションは良かったです。
フードメニューも充実していますし、普段から賑わっているお店なのが何となく伝わりました。ただし、トイレが難問。どっちが男性用か少し迷って何とか正解を選びました。皆さんは分かりますか?
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◇ ロアノークのAirbnb
この遠征で唯一のAirbnb。前後のメジャー2大会(『フロリダオープン』『USオープン』)は、いずれも会場となるホテルに泊まらないといけません。
やはりホテルの室内で缶詰になるよりかはこのようにAirbnbで一軒家などに泊まれる方がストレスが少ないです。キッチンがあるので炊事ができるのはもちろん、洗濯もできますし、2人以上で泊まる場合はアメリカではホテルより値段が安い場合がほとんどです。
今回のAirbnbも大正解。とても大きな一軒家の一階部分を使えるのですが、それぞれの間取りが広くて驚きました。おそらく過去一番快適なお家でした。
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◇ ロアノークでトレッキング
ロアノークは本当にのどかな街です。気候はとても良く、大体晴れていて、気温は最高32℃、最低20℃ぐらいなのでとても過ごしやすかったです。治安も良いと思われます。
せっかく周りを山々に囲まれているならとトレッキングに出掛けてみました。「中級者コース」と書いてあったのですが、まさにそんな感じでした。なかなかの山道をジグザグに進みます。40分ほど登って頂上へ。
天気も良く気温もそこまで高くなかったので、ほど良く汗をかいて気持ち良かったですが、かなりハードに感じました。山トレもたまには良いなと思いました。野生の鹿も発見しました。
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◇ 遠征ご飯 in ロアノーク
Airbnbにはしっかりとしたキッチンが付いているので大井シェフの腕が鳴ります。到着するなりフライパンを振ってくれていました。豚の生姜焼きに角煮、鮭の照り焼き、ソーキそば、パエリア、チャーハン……と得意料理がたくさん。
外食はなぜかこのエリアで多かったベトナムのフォーとメキシコのタコスを食べました。中でもタコスが気に入り2軒行きましたが、どちらも絶品でした。
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◇ Day1
9ボールより先に始まっていたワンポケットは参加人数も少なく、本当に「ハウストーナメント」の雰囲気が出ていました。みんなTシャツに短パンとラフな格好ですし、バンキングではなくコイントスで先攻後攻を決めているテーブルもありました。イヤホンを付けながら(音楽を聴きながら?)プレーする選手も複数。
しかし、9ボールになると観客も一気に増えて盛り上がってきました。ただ、服装は、上はプレーシャツになりましたが、下は短パンの選手が多くて逆に新鮮でした。
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◇ ワンポケット観戦
僕はワンポケット部門には出場しなかったのですが、今回初めてじっくり観戦することができました。3ラック先取ですが、短ければ30分、長ければ3時間以上かかる試合も。そして、大体オープニングブレイク(セーフティ)をしたプレイヤーが展開を優位に進めます。先手有利な将棋や囲碁と似た感じでしょうか。
しかし、1球でもミスをすれば形勢が一気に逆転。ただ、そのミスというのは熟練した者同士でしか判断できないような細かなミスです。かなり練習しないとこの場では通用しないと感じました。ですが、技術も身に付くし、アメリカのワンポケット大会は賞金がかなり大きいとのことなので、少し嗜んでみたいと思いました。
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◇ 自分の試合は……
↑自分プレー画像がないので大井プロのプレー姿を
迎えた9ボール初日。参加者128名の内、半分以上が『フロリダオープン』からの移動組。ということはレベルが半端じゃなく高い。組み合わせ的にはまずまずの相手だったのですが、初戦ギリシャのA・カカリス選手、そして敗者側ではポーランドのS・クラル選手に連敗して終了となりました。
カカリス選手とは初対戦でしたが、彼は『フロリダオープン』で元世界王者のF・サンチェスルイス選手(スペイン)に勝っていたので気を引き締めて相対しました。なかなか流れが掴めないまま終始リードされて、後半もこちらにミスが出てしまいました。『フロリダオープン』とはテーブルコンディションが全く違うので少し違和感はあったのですが、それ以上に気になったのはタップの硬さ。試合後に変えるとプレーのイメージは良くなりました。
そして、クラル選手との敗者戦に向かったのですが……今度はプレーは良いのにブレイクは不調に陥りました。6回ブレイクして4回ブレイクスクラッチ。ブレイクに関してもこのコンディションに対応するために色々と工夫していたのですが、それが裏目に出る形に。
早く終了してしまったのは残念ですが、原因は掴めているので、もう少し調整してこの後の『USオープン』に向かいたいと思います!
(了)
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※吉岡プロのSNSでも現地情報が発信されています。
※吉岡プロが運営するビリヤードレッスン ポッシュ(大阪)
※吉岡プロの海外遠征裏側シリーズはこちら
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◇ Battle of the Bull関連記事
8/17 ヨハン・チュアが優勝。羅は17位タイ
8/16 羅、敗者最終へ。大井は終了。Day3
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