アメリカ・フロリダ州オーランドで
開催されたWNT.新メジャーイベント、
『フロリダオープン』は、
A・ヤップ(シンガポール)が
初代チャンピオンに輝きました。
→ 結果記事はこちら
大会に参加していた
日本人WNT.プロ、吉岡正登プロより
現地の様子を教えていただきました。
吉岡プロは大井直幸プロとともに
『フロリダオープン』
『バトルオブザブル』
『USオープン』
というWNT.の3大会を巡ります。
その遠征記の第1弾です。
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吉岡正登・記:
こんにちは。フロリダ・オーランドからバージニア・ロアノークへ移動してきた吉岡です。アメリカ遠征の模様を今回から3回お届けします。
◇ 大阪~成田~トロント~オーランド
まず、初開催の『フロリダオープン』に出るためにオーランドへ。日本からフロリダへの直行便はありません。アメリカ国内での乗り継ぎもできますが、今回は安いカナダ・トロント経由を選択。関西からまず成田へ移動するところから始まり、トータル30時間以上かかりました。成田からは大井(直幸)プロも一緒でした。
カナダは乗り継ぎの際にも入国電子ビザが必要なので少し面倒です。加えてエアカナダは定時運航率が50%という説もあり、今回もそれは危惧していました。というのも、過去に24時間近くエアカナダが遅延して、トロントで1泊する羽目になったことがあるからです。
やはり今回も遅延。ただし、3時間ほどで、しかもお詫びのミールバウチャー(食事券)が発行されたので、レストランで時間を潰せました。……なんですが、2人合わせて30ドルの割引きがあったとしても、海外の空港で食事をすると結構な支払い額に。メイプルハバネロも含めて美味しかったですが、結局余計な出費になりました。
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今回も海外スタバで名前を伝える時にお馴染みのミスを……。「マサコ」(Masaco)て。分かりやすいアメリカンネームが欲しいところ。
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フロリダ州オーランドに到着。ここはテーマパークの街。ディズニーワールドやユニバーサルスタジオなどが売りなので、空港内からミッキーやハリーポッターなどがそこかしこに。
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フロリダではUber(ウーバー)よりもLyft(リフト)という配車アプリが安かったです。空港で手配した車のフロントガラスにはお迎えの「MASATO」の文字が。こんな車には初めて乗りましたが、UberやLyftの運転手もアメリカではれっきとした職業なのか、車もそれ仕様になっている様子。
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◇ ザ・「フロリダのリゾートホテル」
試合開始2日前の深夜に到着。明けて試合前日(8月4日)、まずはホテル内を散策。今までアメリカのメジャー大会の会場は全てカジノホテルでしたが、こちらの『カリブロイヤル』にはカジノはなく完全にリゾートホテル。プールも3つあり、フィットネスジムも2階建ての立派なものがありました。
他にも、ホテルの敷地内に桟橋エリアがあって釣りができたり、レンタサイクルや様々な球技ができるコートがあったりとアクティビティがたくさん。
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部屋には寝室とは別に寛げるリビングルームがあり、なんと電子レンジも備え付け。下手すると冷蔵庫もないカジノホテルの部屋とは比べ物になりません。
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◇ Day0
18時から会場練習ができるので、それまでスーパーへ買い出しに。行きは30分掛けて徒歩で向かいましたが、歩道がほとんどない道で交通量も多く、日中は35℃と暑いので、この後から外出時は毎回Lyftを使いました。
アメリカではお馴染みのウォルマートというビッグスーパーマーケット。世界最大のチェーン店だそうです。そして、やはりここにもミッキーなどのグッズがたくさん。その中に大井プロが今お気に入りの鬼滅の刃グッズを発見! でも、よく見たらハリーポッターのキャラでした(笑)。
そして、ここでシェフ大井の閃きにより炊飯器をお手頃価格でゲット。これが後に万能調理器具に変身しました(※食事の画像は後述)
スーパーでひと通り飲み物などの買い出しを終え、ジムで一汗流してプールサイドで日光浴。最高な環境です。
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時間になったので、ホテルの客室タワーと屋根付きの通路で繋がっている隣のコンベンションセンターへ。この巨大なコンベンションセンターの一角が今回の試合会場です。
コンベンションセンター内もとても綺麗で、今までの試合会場で一番良いホテルだと感じました。プレイヤー登録の順番待ちをしている間に大井プロはインタビューに応えたり(5枚目の画像)と注目されていました。
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広々とした会場内に28台のテーブルがゆったり設置されていました。これまでのメジャーイベントとは違い、配信テーブルの4台がワンブロックにまとめられていて(4枚目の画像。※Day1に撮影)、その区画を囲うように観客席が用意されていました。練習用テーブルも6台あったので、空き時間の練習もいつもよりできました。
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◇ Day4
場面は4日目に飛びます。この日『フロリダジュニアオープン』がスタート。日本の奥村海斗選手が参戦していました。奧村選手は3連勝した後、ベスト8でアメリカのトップ女子ジュニア、ソフィア・マスト選手に負けてしまいました(※3枚目)。
奧村選手はサンディエゴ在住の14歳。今回はお父様と一緒にオーランドに来ていました。ビリヤードを始めたきっかけがAPAのジュニア対象のイベントだったということなので、JPAプロスタッフとして自分も日本で何かできないかと思いました。
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◇ 遠征ご飯 in フロリダ
基本的にホテルの部屋で食事を摂っていました。大井シェフが炊飯器をフル活用して、ざるそば、鮭チャーハン、鶏肉とじゃがいもの煮物、カレーなどを作ってくれました。どれもとても美味しかったです。外食するとかなり高いので経費削減にも大助かりです。
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決勝トーナメント進出が決まったDay3の夜はステーキを食べに出掛けました。そこは想像よりもリーズナブルでした。
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大会後半には大井プロのアメリカのお友達であるジョンさん達が応援に来てくれて、食事にも連れて行ってくれました。ジョンさん、マックさん、カナダのジョン・モラ選手、女子プレイヤーのシャネル・ロレイン選手というメンバー。
「神戸ジャパニーズステーキ」と銘打っていますが、ここは完全にアメリカンエンターテインメント鉄板焼き。確か沖縄にもこういうスタイルのお店があったので逆輸入版鉄板焼きですね。
各テーブルに絶対に誕生日の人がいる(いなくても誰かが仕立てられる)という設定。今回はモラ選手が指名されて帽子をかぶります。太鼓でハッピーバースデーを鳴らされるという一幕も(笑)。食事はガーリックライスから始まり、焼き野菜、焼きそば、とここでもうすでに満腹になる量。さらにエビとテリヤキチキン、サーロインをいただき大満足でした。
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そうそう、ホテルの向かいのお土産物屋さんには日本のアニメキャラもあり、そこにはしっかりと鬼滅キャラも。
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季節的なものなのか滞在期間中、1日1回は雷雨がありました。大井プロのベスト32の上がり際(上の動画)でも雷が鳴り、8番を撞く時にびっくりしていました。
雷雨があること以外は、気温は日本よりも全体的に少し低く、朝晩はとても過ごしやすくて街も安全。外食もカジノ街よりも安いです。今までアメリカのいくつかの都市を訪れていますが、フロリダはサンディエゴに次ぐお勧めスポットになりました。
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◇ 試合の振り返り
初戦はここ最近よく当たるオーストリアのM・レヒナー選手。初戦ということもあり、相手もミスをしていましたが、なかなか展開が掴めず先行を許しました。自分のブレイクのイメージは良く、4-7ビハインドぐらいでも逆転に向けて頑張れそうでしたが、最後も相手にそつなくプレーされて5-9で負け。
フロリダは湿気がすごく高く、それはテーブルコンディションにも顕著に表れていました。特に平(ひら。ラシャ面)が重く、加減がショートすることが多くなりました。その辺りは練習の時に感じていたのである程度調整はできました。
敗者1回戦はアメリカのシニアプレイヤー(M・マグワイア)に勝って、敗者2回戦で早くも山場が訪れます。相手はドイツの注目株、17歳のF・フォーゲル選手。しかし、こちらのプレーが終始ハマりまくって8-2で勝てました。
そして、敗者3回戦はアメリカのL・マルチネス選手。彼も18歳と若く、アメリカのジュニアチャンピオンだとのこと。敗者2回戦でポーランドの強豪、M・フォルトゥンスキ選手に勝っていましたので、序盤から集中して入りました。すると前戦の調子そのままに5-0スタート。相手もジワジワと追い上げてきて危なくなりかけましたが、8-5で勝利できました。
決勝トーナメントまで残り1勝。ダブルイリミネーションラウンド敗者最終戦の相手はイギリスのD・シールズ選手。レーティングは同じぐらいなのでここは頑張りたい。しかし、スヌーカースタイルのシールズ選手に堅くプレーされて2-5でリードされる展開。そこから徐々に流れがこちらに傾き逆転。そのまま押し切って9-6で勝利!
久々の決勝トーナメント進出を喜んだのも束の間。抽選で初戦(ベスト64)の相手はキャプテンアメリカ、シェーン・バンボーニング選手に。過去個人戦は2戦2敗でどちらも完敗しています。
今回こそはと気合い十分で臨んだのですが、見事に空回り。ライブ配信で使われているTable 1(TVテーブル)は昨日までのイメージでショットしても全て届かない(※スピンが手前でほどけてしまう)という、さらに重いコンディションでした。
少しヒネりたい球をことごとく薄くミス。合わせているつもりでも、ショットした瞬間すぐにカーブして転がるので想像以上に難しいコンディションでした。他のトップ選手もTVテーブルではミスが目立っていたので納得はしたのですが、バンボーニング選手はノーミス。TVテーブルを経験済みだったこともあるでしょうが、全てに余裕を感じました。
もう少しこの台で撞き慣れたいと思っても、回って来るシチュエーションの全てが大事な場面、加えて30秒ショットクロックでは頭と体をマッチさせる余裕がありませんでした。
大井プロも「配信テーブルは使用頻度が少なく、他のテーブルとはコンディションが別物になる」とよく話しています。何回そこでプレーできるか……それが優勝するために鍵になると。今回の敗戦も良い経験とするしかありませんが、精神的には問題なく立ち向かえていたのでとても悔しかったです。
余談ですが、ダブルイリミネーションラウンドで対戦した若手2選手は共に僕と同じCUETEC(キューテック)キュープレイヤー。プレデタープレイヤー一色だった数年前からすると、キューテックプレイヤーもかなり拡大していっていると感じました。
次は『バトルオブザブル』(WNT.ランキング対象。13日〜。バージニア州ロアノーク)に出場します。
(了)
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※吉岡プロのSNSでも現地情報が発信されています。
※吉岡プロが運営するビリヤードレッスン ポッシュ(大阪)
※吉岡プロの海外遠征裏側シリーズはこちら
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◇ 2025 フロリダオープン関連記事
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