15日に行われたJPAのKTC(関東エリアチームチャンピオンシップ)の、3部門の決勝戦(各3台)が同時進行している様子。 pic.twitter.com/7hq7nQTpl9
— Billiards Days (@BD_koba_ta11) June 18, 2025
5月31日、6月1日、 14日、15日の
4日間にわたり開催されていた、
アマチュアビリヤードリーグ、
JPAの1年の総決算、
「KTC」こと、
『第17回 JPA関東エリアチームチャンピオンシップ 2025』
(17th JPA Kanto area Team Championships 2025)と、
「8TC」こと、
『8ボールチームチャンピオンシップ』
(13rd JPA 8-Ball Team Championship 2025)。
結果はこちらの記事でまとめていますが、
最終日(Day4)の様子を
もう少し詳しくお伝えします。
※下の方にはフォトギャラリーもあります
(全出場者の5割ぐらいの写真あり)。
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【舞台はBAGUS川崎店】
今年のKTC & 8TCに参加したのは、
9ボールAトーナメント=39チーム、
同Bトーナメント=39チーム、
8ボール=21チームの計99チーム。
そのうち、最終日(15日)の舞台、
『BAGUS 川崎店』にやってきたのは、
8+8+5の21チームでした。
外は雨が止み、
一気に蒸し暑くなってきた朝8時、
JPAリーグオペレーターの
楠城規之氏が開会を告げました。
円陣を組んだり、
拳を突き合わせたり、
はっぱをかけたり、
ニッコリ笑ったり……、
試合直前の儀式はチームそれぞれ。
ピリつき感とお祭り感が
ミックスされた雰囲気と、
テーブルを焦がすような熱気は
KTC最終日の朝ならではのものです。
ちなみに、前日(14日)には、
今年からJPA契約プロプレイヤーになった
平口結貴プロがレフェリーを務めていました。
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【丁寧に狙う、測る】
KTC & 8TCの最終日に勝ち進むチームは、
他と何が違うんだろうと
考えることがあります。
「戦術」「個のタレント」
「JPA慣れ・KTC慣れ」も
あるとは思いますが、
毎年のように取材に来ていて思うのは、
それ以上に
「当たり前を当たり前にやる」が
メンバーに浸透しているということです。
「当たり前のこと」とは、例えば、
「丁寧に狙う」「横着せずに構える」
という基本的なこと。
JPAだけに限りませんが、
ビリヤードの試合では、
たった1球の成否が
チームの勝敗を左右することがあるので、
1球たりとも気を抜けません。
勝てるチームは、
そのプレッシャーにさらされていても
メンバーが横着をせずに丁寧に
球に向かうことが当たり前になっている。
だから、ここ一番でも普段通りの
(あるいはそれ以上の)力を発揮でき、
しなくてもいいミスやファウルという
無用のリスクを避けられているとも感じます。
キューでシュートラインを測ったり、
手球の出しのラインを指差し確認したり、
片目をつぶって厚みを覗き込んだり、
フリーボールの置き場所を微調整したり。
勝てるチームは
こういうところで妥協していない。
それがチームのベースに
なっているのではないかと思います。
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【こまめにチョークを塗る】
「当たり前のこと」で言えばもう一つ。
どのチームもチョークを
しっかり塗って撞くことを徹底していて、
SL(スキルレベル)が低いプレイヤーでも、
塗りながらショットを考える姿が
ナチュラルで様になっています。
そういえば、KTCでは1日を通して
キューミスの音を聞くことが
それほど多くはありません。
こういった初歩的なところも
各プレイヤーがおろそかにしていませんし、
声を掛け合うチームもあります。
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【可能性を1%でも上げるコーチング】
勝ち上がって行くチームは
コーチングも一切手を抜きません。
はたから見ていると
「これはプロでも難しいな」
と思う球もよくありますが、
キャプテン(やキャプテン代理)は、
メンバーそれぞれの習熟度に合わせて
1分で的確に最善手を授けます。
結果、失敗してしまうこともありますが、
「1点でも多く取る。
一つでもファウルを減らす」ために
1%でも確率を上げる努力を怠りません。
きっと普段のリーグから
こうなんだろうなと想像できます。
最後の画像は、
SAMUIRAI-J(東京・ステラ)の
ジョーダンさんがコーチングしている場面。
アメリカ時代にAPAでのプレー経験がある
ジョーダンさん。
会場では日本語も口にしていましたが、
コーチングは基本オールイングリッシュ。
メンバーも慣れた様子で言われた通りに
ショットしていました。
ミスしたチームメイトには
「ドンマイドンマイ」と声をかける
ジョーダンさん。和製英語も上手かったです。
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【責任重大。スコア&タイム】
少し脱線しますが、
スコアラー(タイムキーパー)は
なかなかの重労働で、
責任の大きな仕事だと思います。
特に勝てば勝つほど試合が続き、
1点を巡る緊迫感の強いトーナメントでは。
チームの誰かが
スコアラーを担当するのですが、
自チームのメンバーの動向や勝敗に
一喜一憂しながら、
それでも冷静に任務を遂行しなければならない。
二人格が求められます。
9ボールAで優勝した
HideOut Zero(東京・ハイドアウト池袋)の
キャプテン・平澤礼子さんは、
今回は試合に出ずスコアラーをやっていましたが、
様々な思いが胸をよぎったのでしょう、
優勝確定の瞬間から涙が溢れ、
しばらく止まりませんでした。
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【歓喜のグータッチ、殊勲の抱擁】
フィストバンプ、
グータッチ、
ハイファイブ、
ハイタッチ、
ガッツポーズ、
抱擁、ハグ……
表現は色々とありあますが、
喜びや達成を示すジェスチャーほど
尊いものはありません。
「個人競技」と言われるビリヤードですが、
チーム戦にはチーム戦の魅力があります。
年齢・生い立ち・レベル・ビリヤード歴を
超えて、ビリヤードで一つにまとまり、
喜怒哀楽をともにできるのは、
JPA(APA)チームリーグだからこそ。
そして、KTC & 8TCで優勝した
3チームの戦いは
ここで終わりではありません。
8月のラスベガス大会
(『APA World Pool Championships 2025』)でも、
存分にチームワークを発揮して、
一つでも多く勝ち進んでもらいたいと思います。
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最後に、ラスベガス行きを叶えた
3チームの代表者のコメントを
お届けします。

● 9-Ball A Tournament(出場チーム:39)
優勝:HideOut Zero(東京・ハイドアウト池袋)
平澤礼子さん(前列中央)・談
「今回は自分は試合に出ないことを選び、不安もありましたが、本当にチームの皆、特に若いメンバーがよくやってくれたということに尽きます。皆の頑張りに感動しっぱなしでした。ラスベガスでの目標は、あの素晴らしい『チャンピオンシップアリーナ』(決勝戦などのライブ配信を行う特別なTVテーブル)で撞くこと。私を含めラスベガス出場経験のあるメンバーもいますが、あそこで撞いたことはないので、今回ぜひ撞きたいです」
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● 9-Ball B Tournament(出場チーム:39)
優勝:Esprit(東京・アドバンス)
松本昌悟さん(前列中央)・談
「すごく嬉しいです。このチームはもう5年目になるんですが、今は『やっと勝った!』という気持ちでいっぱいです。勝因は……やっぱりチームワークの勝利だったと思います。もともとメンバーの仲が良いですし、今大会でも常に皆で声掛けをしながら戦っていました。実は僕は海外に行くこと自体初めてなんですが(笑)、チーム初のラスベガス、まず皆で楽しめたらいいなと思います。もちろん試合は団結して頑張りたいです」
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● 8-Ball Tournament(出場チーム:21)
優勝:Oops! From Scratch(東京・Oops!)
大野耀太郎さん(前列左2)・談
「チームの皆が事前の練習も含めて一生懸命頑張ってくれたから優勝できたと思います。彼女(高梨愛さん)もすごく頑張ってくれました。僕自身、8ボールリーグは今回が初めてだったので、ルールや戦い方を色々と学び、メンバーに伝えながらやっていましたが、皆で試合をしながら成長できたと思います。KTCで1試合しか出してあげられなかったメンバーもいますので、8月までに全員でもっと8ボールの実力を身に付けて、ラスベガスでもチーム一丸で戦いたいです」
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最後に、
JPAリーグオペレーター・楠城規之さんに、
2025 KTC & 8TCを振り返っていただきました。
JPAリーグオペレーター・楠城規之氏・談:
「まず初めに、KTCにご協賛・ご協力いただいた各社企業様、会場のBAGUS川崎店様、今年もありがとうございました。おかげさまで今年もKTCを無事に開催することができました。
毎年同じような感想になってしまいますが、ラスベガス行きをかけた最後の戦いということで、ピリピリとした雰囲気の中、チームスピリットで懸命にプレーする各チームの姿がとても輝いて見えました。対戦相手に敬意を払いながらも、チームの勝利のために全力でテーブルに向かい、励まし合い、勝利やナイスプレーを一緒に喜ぶ姿を見て、我々JPAスタッフも感動してました。
個人的には、初めてKTC最終日まで勝ち進んで来た学生チーム『Kirakawa』(山水)の、のびのびはつらつとしたプレーぶりが印象に残っています。結果は9ボールA・準決勝敗退(3位)でしたが、もし優勝していたらJPAの学生チームとしては史上3チーム目のラスベガスでした。Kirakawaのような若くて比較的経験の浅いチームでも、頑張ればラスベガスに行けるチャンスがあるというところもJPAの魅力の一つではないかと思います。
今日優勝した3チームと、来週末(6月21日~22日)行われる『WTC』の優勝チーム、合わせて4チームが8月にラスベガス(『APA World Pool Championships 2025』)に向かいます。あのスケールと空気感には我々も毎回圧倒されていますし、全てのJPAメンバーに一度は体感してもらいたいと常に思っています。これからもJPAを楽しんでいただき、またKTCに挑んでいただきたいと思います」
(了)
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◆ 2025 KTC結果記事はこちら
◆ 2025 KTC決勝戦(3部門)のライブ配信動画アーカイブはこちら
◆ JPA公式ブログはこちら
◆ Day1(5/31)のミニフォトギャラリーはこちら
◆ BDのJPA関連記事はこちら
◆ Day4(6/15)のフォトギャラリーは以下で↓
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