〈BD〉MUSASHI 雁木 林武志プロモデル誕生――林武志インタビュー【後編】

 

プロ2年目の今年、シーズン開幕から

上位進出を続けている林武志(JPBA)。

その好調の秘密を探るインタビュー。

 

4月4日に公開した【前編】では、

林プロの近況や今後の展望を聞きました。

 

今回の【後編】では、

一般発売(抽選販売)が始まった

林プロのシグネチャーモデルキュー、

ADAM JAPAN『MUSASHI 雁木-GANGI-「305-101」林武志プロ使用モデル』

を紹介します。

 

ADAM JAPANの担当スタッフからも

コメントをいただきました。

 

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◇ MUSASHI 雁木-GANGI- 「305-101」林武志プロ使用モデル

 

 

シャフト長:743mm

バット長:730mm

重さ:18.5~19.0オンス

バット材料:黒檀

バット構造(工法):MUSASHI構造 角芯

ジョイント:10山フラット

グリップ:革巻き

標準装備シャフト(販売用キュー):ACSS PROⅡ

タップ:カムイブラックS

先角:PMMA 10mm

参考ページ:https://www.newart.co.jp/239086.html

 

 

長らくADAM JAPANキューの

フラグシップシリーズとして

人気を博している『MUSASHI』(ムサシ)。

 

そのデザインは多岐に渡り、

数々の名キューが生まれてきましたが、

昨年ADAM JAPANは、

大きく2つのスタイルを打ち出しました。

 

王道・伝統の剣ハギスタイルを

『矢倉』(やぐら)。

 

ハギとインレイを融合させた

緻密さと革新性のあるスタイルを

『雁木』(がんぎ)と規定。

 

この林武志プロモデルMUSASHIは、

『雁木』スタイルで設計されたキュー。

 

黒檀をベースに「剣」とインレイが

広範囲に繊細に入れられていて、

プレミアム感が漂います。

 

色数自体は、黒、茶、白、

ゴールド(リング)と決して多くはなく、

全体で見ると派手すぎないデザインです。

 

林プロ自身はこのバットに

以前から愛用しているノーマルシャフトを

合わせて使っていますが、

販売用キューには『ACSS PROⅡ』が

標準装備されています。

 

このキューを使って約2ヶ月。

林プロにADAM JAPANとの関係性や

キューの使用感をお聞きしました。

 

 

――ADAM JAPANのキューはいつから使ってますか?

 

林:中学校に入る頃、12歳の時からMUSASHIを使わせてもらっています。

 

――あのMUSASHIは、メイプルベースで黒の剣ハギが入っていましたね。

 

林:そうです。あれは以前父が使っていて家に飾ってあったものなんですけど、デザインに一目惚れして僕が勝手に使い始めました(笑)。初めは性能のことは全くわかってなかったですけど、使っていくうちに高い性能を備えたキューだということにも気付きました。結局、途中でシャフトは1回変えてますけど、B級からプロのルーキーイヤーまでの12年間をあれ1本で通しました。

 

――正式にADAM JAPAN契約プロプレイヤーになったのは?

 

林:ありがたいことに2024年にプロになってすぐ契約のお話をいただきました。僕モデルのMUSASHIも作ってくださることになり、どういうものにするかというお話もさせていただきました。それから1年弱でこのキューが完成しました。

 

――林プロからADAM JAPANにリクエストは?

 

林:前のMUSASHIに慣れきっていてデザインも気に入っていたので、初めは「前のキューに近い感じの方向性で」とお伝えしました。その後父にこの話をしたところ、父はクラシックスタイルが好きなので、「伝統的なアメリカのカスタムキューみたいなデザインはどう?」と言われまして。僕は「その方向性もいいな。父も喜ぶし」と思ってADAMさんに「クラシック寄りな感じで」とお願いしました。

 

――言われてみると往年のカスタムキューブランドっぽさもありますね。

 

林:ですよね。ベテランプレイヤーの方に受けそうな気もします(笑)。剣もインレイも細かくて数が多いんですけど、黒を基調として色数を絞っているので、それほど派手派手しさは感じないと思います。僕はピカピカキラキラしたキューはあまり好みではないので、凝ってはいるけどド派手ではないというこのデザインをすごく気に入っています。担当の方が素晴らしいデザインに仕上げてくださりました。

 

――球を撞いてみた印象は?

 

林:前のキューはメイプルベースで新キューは黒檀なので、2つを比べると新しい方は打感が硬めでしなりは少なめです。振動の伝わりが速めで細かくてバイーンと伝わって来る感じ。バットの存在感があるというか。単純に「やっぱり木によって違うものなんだな」と感じましたけど、十分に合わせられる範囲だなとも思いました。前から使っているノーマルシャフトを付けていることもあって、わずかな打感や性能の違いにも上手く対応できてると思います。

 

――シャフトを継続して使っていると、前のキューと新キューのバットの違いをより感じられそうですね。

 

林:はい。新キューのバットは前のよりも明らかにパワーがありますね。そこはしなりの大きさと反比例しているのかもしれません。しなりがある方が撞きやすい球もありますけど、今僕は結構しっかり目に撞くことを意識しているので、弾かせる球とかバシッと撞いて手球を動かす球は新キューの方がやりやすいです。あと、パワーが関係しているのかスピンも前より掛けやすい気がします。

 

――ボールコントロールについては?

 

林:トビやカーブの出方は前のキューとそんなに変わらないんですけど、タッチの長さによっては前よりも多少トビとカーブは出やすいかもしれません。ですが、それも十分に合わせられる範囲です。ただ、新キューは硬めでパワーもあるので、弱いショットのコントロールには少し気を使います。思ったより手球が出ちゃうことがあるので、それは腕で調整しながら撞いています。

 

――キューを変えてからも『グランプリイースト』で2大会連続3位になっていますし、移行はスムーズだったのでは?

 

林:そうですね。以前とあまり変わらない感覚で撞けてます。違いは感じていますが、「違和感」と呼ぶほどのものではありません。

 

――ADAM JAPANというメーカーに対して抱いている印象は

 

林:お試し程度で他の様々なキューを触ったことがありますけど、ADAMのキューを手にすると「やっぱりこれだよね」「木のキューを使うならADAMだな」としっくりくる感じがあります。長年良質な木にこだわり、良いキューを作り続けている会社だということが、1本のキューからも感じられます。それだけの歴史と信用を築いているキューメーカーだと思いますし、自分もその契約プロとして素晴らしいキューを使わせていただいていることに感謝しています。

 

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最後に、ADAM JAPAN担当スタッフの

コメントも紹介します。

 

 

ADAM JAPAN担当スタッフ・談:

 

 この『MUSASHI 雁木-GANGI- 「305-101」林武志プロ使用モデル』は、2024年2月、弊社の専属になっていただいた時に製作が決まりました。林プロからお聞きしたご希望や方向性と、弊社のテーマ、技術、こだわりを最大限に融合させたキューになったと自負しております。

 

 デザインを起こし始めた時期は、ちょうどMUSASHIの新しいコンセプト、『雁木』を企画していた時期でもありましたし、若手の林プロの今後の活躍への弊社スタッフ一同の期待を込めて、緻密で良いデザインを生み出したいという思いで製作に取り掛かりました。

 

 結果、過去にない工程数を経て、比類ない細やかさを持ったデザインが出来上がりました。特にフォアアーム下部はスペースとデザイン性を両立させた奥行きのある仕上がりになっています。一見、白と黒のシンプルなデザインに見えますが、ハギとインレイが緻密に計算されて重なっています。それゆえに、一つズレてしまうと全てがズレてしまうので製作時は同時に多数の箇所に注力しなくてはなりませんでした。特にハギとインレイの剣が重なっている部分は、接地高のズレを出さないために非常に高度な技術と労力が注がれています。

 

 林プロは以前よりMUSASHIをお使いでしたので、MUSASHI構造が生み出すパワーやボールコントロール性能に対しての違和感はさほど生じないだろうと思っていました。ですが、以前お使いだったMUSASHIはメイプルベースだったので、材による打感やバランスの違いは少し心配でした。結果的には新キューを使い始めてからも好成績を残し続けておられるので、ご本人の腕で上手く移行されたのかなと思っています。

 

 この林プロモデルは『雁木』シリーズの中の1本という位置付けです。『雁木』はこれからのMUSASHIの目玉スタイルとして、ハギとインレイの融合でデザイン性に富んだ革新的なキューを作っていきます。また、昔からある伝統的な剣ハギスタイルは『矢倉』としてシリーズ化していきます。林プロファンやビリヤードファンの皆様にも新生MUSASHIを体感いただければ幸いです。

 

(了)

 

※林武志プロインタビュー

【前編 ~近況と展望編~】こちら

 

林武志 はやし たけし

2000年11月4日(24歳)神奈川県在住

JPBA58期生(2024年)

所属店:『ミッドナイト』『mico』※ともに神奈川県厚木市

アマ時代主な戦績:

2015年『世界ジュニア』日本代表

2016年『神奈川県知事杯』優勝

2017年『第57期名人戦』挑戦者(史上最年少。当時16歳)

2023年『佐賀国体記念大会』優勝

プロ主な戦績(3位以上):

2025年『関西オープン』準優勝

2025年『GPE-1』&『GPE-2』3位

使用プレーキュー:ADAM JAPAN MUSASHI 林武志プロモデル(シャフトはノーマル/タップはRYU)

スポンサー:ADAM JAPANNew Art、RYU Tip、ミッドナイト、(有)誠翔建設、Infinity

 

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