昨日(13日)『関東オープン』で
プロ入り初優勝を飾った
杉山功起(すぎやま こうき)。
優勝談話をお届けします。
大会翌日に取材しました。
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――プロ入り初優勝を果たしました。
杉山:嬉しいですし、「やりきったな」という気持ちが一番大きいです。そして、今回優勝できたことで今後試合に臨む時の心境が今までとどう変わって行くのか自分でも楽しみです。
――2021年プロ入りで今年5年目。「早く優勝したい」と思っていましたか?
杉山:常に優勝は意識してました。でも、なかなか勝ち切ることができなくて、「早く優勝したい」という思いがより強くなってしまい、気持ちのバランスが崩れて自分の良さを出せない時も多かったと思います。
――2日間のプレー内容はどう評価していますか?
杉山:自分のスタイルを出せたのかなと思います。土曜日(予選)から自分の中ではぼちぼち手応えがありました。決勝会場の『ロサ』さんの試合テーブルは少しポケットサイズを絞ってあるので、そのまま行けるかどうかはわからなかったですけど、日曜日(決勝ラウンド)の初戦(ベスト16 vs 木原弘貴)が始まってみたら、展開的に僕の流れになったこともあってスイスイ撞ける感覚がありました。それで「そもそも僕は余計なことを考えず、とにかくシュートシュートで行くスタイル。これでやろう」と頭を完全に切り替えられました。そのままベスト8、準決勝、決勝戦と自分のスタイルでやりきれたと思います。ブレイクも良くてマスワリも結構出せましたし、良いペースと良いモチベーションで最後までやりきれました。
――決勝戦(vs 羅立文)も減速する気配がなく、主導権を握ったまま上がりました。
杉山:そうですね。プロになって2回目の決勝戦だった去年の『グランプリイースト第5戦 in 埼玉 WIND』(vs 神箸渓心)は、超絶にぶっ壊れてしまって何もできなくなりました(苦笑)。だから今回は「決勝戦だから」とか「優勝するんだ」とかはあまり意識せずに、「ここまでいい感じでやれてるんだから、このまま普通にやれば結果に繋がるはず」という気持ちでした。そのおかげか、ブレイクも決まってくれて自分が走れるような展開になった気がします。
――悪い緊張感もなく。
杉山:それはなかったです。でも、面白いもので、ビリヤードって最後の1点が本当に難しいですよね。もちろん自分にもっと技量があれば、ラスト3球はああいう苦しい取り方にはならなかったのかもしれないですけど……。
――最後の8→9→10ですね。
杉山:そうです。1番から取り切りに入った時にわかってました。「どうせ最後が難しくなるんだろうな」って(笑)。そういう気持ちの準備ができていたから最後まで頑張って入れ繋げたんだと思います。羅さんのブレイクノーイン直後の配置は、的球は散ってたじゃないですか。だから、「これが上がりのラストチャンスだな。これを逃したらいくら点差があってもキツくなる」と思って死ぬ気で取り切りに向かいました。羅さんはどれだけビハインドの状況になってもまくって来ますから。
――プロ入り前の修行時代からお世話になっていた羅プロと決勝戦で当たるのも感慨深いですね。
杉山:本当にそうですね。羅さんと決勝戦で当たれたことがまず嬉しかったです。羅さんは決勝戦の常連みたいな人なので、これからも大会の上の方で当たることがたくさんあると思いますし、もし当たったら良い試合ができたら嬉しいです。
――ゲームボール(10番)を入れた瞬間、どんなことを思いましたか?
杉山:「ああ、やっとここまで来たんだ」「俺、やりきったんだ」です。決勝日に残ると周りは強い方ばかりで、僕は何度も技術でもメンタルでもねじ伏せられてきましたし、そのたびに「まだまだだぞ」と言われてるような気分になりました。それでも試合に出るたびに周りから「初優勝待ってるよ」「頑張って!」と励ましてもらっていたので、最後の10番を入れた瞬間は「やっとか……」と思いました。
――プロ5年目での初優勝は早い、それとも遅い。どちらに感じますか?
杉山:早いか遅いかで言ったら「ちょい遅」ぐらいですかね(笑)。めちゃめちゃ遅い訳じゃないけど、決勝戦を撞くのが3回目だったし、他の大会でもチャンスがあったことを考えると時間が掛かった感じはします。でもまあ、こんなもんなんですよ(笑)。
――今後の目標は?
杉山:気持ちを切り替えて、これからも一つひとつの大会に良い意識で向かって行きたいです。もちろん2勝目、3勝目、4勝目と優勝できたら嬉しいですけど、変に気持ちが優勝に行っちゃうとメンタルに影響しそうなので、そこは気持ちを切り替えて今回みたいに自分のプレーに集中できたらと思います。
――強化して行きたいところは?
杉山:もっともっとシュートを上げていきたいですし、長年の課題はセーフティとクッションです。……いや、課題を言い出したら1日中話せるぐらいあるんですけど(笑)、中でもセーフティとクッションは技術も知識も足りてないし、実際僕はそんな展開になると負けることが多いので、しっかり鍛えていきたいです。入れ勝負の展開なら戦えるかなと思いますけど、試合はセーフティ合戦になることもよくありますから。
――安定した成績を残すには総合的なスキルが必要ということですね。
杉山:はい。どんな展開でも勝てるようなプレイヤーになりたいです。例えばJPBA東日本なら、羅さんや土方(隼斗)さんとかランキング上位のプロの試合を見ていると、「これは相手の流れだな」「運勢がないな」という時でもしっかりこらえて、なんだかんだ要所を締めて勝っているということが結構あります。それはやっぱりセーフティやクッションを含めてどんな場面にも対応できるからだと思います。
――JPBA年間ランキングは意識していますか? 昨年は6位でした。
杉山:ランキングは……1位を目指してはいますけど、目標としては3位以内に入りたいです。同い年の神箸渓心や林武志もアベレージが高くて最近いい感じでランキングを上げて来ているので、それがすごく良い刺激になっています。
――ジュニア時代から海外にも何度も行っていますが、今後は?
杉山:海外も行きたいですね。来月仕事の態勢が変わってもっとビリヤードに専念できる環境になっていきそうです。海外にも今までより行きやすくなると思います。
――最後に、応援してくれた方々へメッセージを。
杉山:何よりもまず「お待たせしました!」です(笑)。応援してくださっている方々、スポンサーさま、一緒に練習してくださった人達、友達、家族など、今まで支えてくれた皆さんに初優勝の報告ができたことは自分自身とても嬉しいです。皆からお祝いの言葉をいただいて、「ああ、勝てたんだな」と実感も湧いてきています。これからもプロ仲間達と切磋琢磨して高め合って行き、良い試合をお見せしたいです。この優勝で満足せず、ここがスタートラインだと思って励んで行きますので、これからも応援よろしくお願いします。
(了)
杉山功起 Kouki Sugiyama
2000年10月7日生
出身/在住:岐阜県/神奈川県
JPBA55期生(2021年プロ入り)
アマ時代:
2018年『全日本ジュニア9ボール選手権』優勝など
ジュニア・学生・アマタイトル複数獲得。
日本代表ジュニア選手としても活躍。
プロ入り後:
2022年『ジャパンオープン』3位
2024年『グランプリイースト第2戦』・同『第5戦』準優勝
2025年『関東オープン』優勝
プレーキュー:早川工房(シャフトはKeithAndy Mスペック/タップはNavigator GEKI M)
ブレイク:OROCHI
ジャンプ:Black Jack
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