23日(日)の
優勝した川端聡の談話をお届けします。
大会翌日に取材しました。
ーーーーーー
――優勝から一夜明けて。今のお気持ちを。
川端:歳のせいなのか今はめっちゃ身体がしんどいです。1日で6試合しましたし、西のグランプリはショートゲームなので知らないうちにずっと気を張ってるのかもしれないです。
――久しぶりに優勝できたなという達成感は?
川端:それはあまりないです。前回の優勝(2019年9月『GPW-5』)の後、コロナ禍があり、自分が調子を落としていた時期もあったので達成感みたいなものはなくて。今回は目の前の球に対して最善を尽くし続けていただけというか。その先にあるゴールは見てなかったですし、失敗しても「しゃあないな」と思いながら席に戻ってました。結果的にその繰り返しで良い感じに撞けていたのかもしれません。
――優勝までトータル6試合、どんな心境で戦っていましたか?
川端:予選(ベスト64・ベスト32)で対戦したアマチュア選手はのびのび楽しそうに撞いておられたので、プレッシャーもあったんですけど「自分に回って来たら目の前の球に集中しよう」と心掛けてました。そのおかげでちゃんと撞けたのかなとも思います。
――準決勝(vs 竹中寛)と決勝戦(vs 北谷好宏)はほぼ一方的な展開でした。それも目の前の球に集中した結果ですか?
川端:そうですね。でも、あんな展開になったのはたまたまで、自分ではそこまでよく撞けていた感覚はありません。ツキもあったと思います。ビリヤードは難しいからミスはするじゃないですか。でも、特に決勝戦がそうでしたけど、自分の失敗した球が変な形に残った(=相手にとって難しい形になった)のはラッキーでした。あと、よしくん(北谷好宏プロ)には去年のGPW-1の決勝戦でヒルヒルで負けていたというのもあるし、(付き合いが長いため)対戦すると情も入ります。でも、今回はそれを消して自分のプレーに徹することができたのが良かったのかもしれないです。
――決勝戦は完封勝利も見えていましたが、上がり際に2度ミスがありました(第7ラックの2番と第8ラックの7番。最終的に川端プロが7-1で勝利)。
川端:第7ラックの2番は難しくてミスをして、第8ラックの7番は欲が出てしまってミスをしました。
――どういうことでしょうか。
川端:第7ラックの2番は飛ぶ(外す)とは自分では思ってなかったけど、3番へのポジションが難しかったんで、たぶん身体の一部が変な動きをしてしまったんだと思います。第8ラックの7番はプレッシャーから来たミスではなくて、「ここで決めたい」という欲が出てしまいました。普段あまりスコアは気にしないんですけど、よしくんに大差で勝てそうな状況は滅多にないことなので、それを認識して欲が出てしまったと思います。もし自分がミスしたあの7番が普通に攻められる形に残っていたら、全く違う展開になってたと思います。よしくんはベスト8(vs 石田達廣)で1-6からまくって勝ってましたから。
――ツキもあったとは思いますが、準決勝と決勝戦は「川端聡、復調」を感じさせるに十分すぎる内容だったと思います。
川端:教える機会が増えたことが練習量の増加に繋がっていて、それが良い形で自分のプレーに現れていると思います。今、人数は多くないですけど、女子プロ(平口結貴プロ)やアマチュア選手のプライベートレッスンやコーチをやらせてもらっています。仕事として教えるからには自分ができてないとダメじゃないですか。それでレッスン内容を復習することが増えました。知識を確認したり、書き留めたり、自分で撞いたりしています。そのおかげで練習量が勝手に増えたと思います。人に教えることは自分にとって間違いなく良い影響になっています。
――以前「昔みたいにキューが振れない。ショットの納得感がないまま撞いている」と打ち明けてくださったこともありました。苦しい時期からは脱したのでしょうか?
川端:やっと抜け出せたと思います。以前は先球(の入れ)に関して不安があって、それで身体が動かなくなってしまったり、全てに影響してました。でも、今は練習量が増えたおかげなのか、先球に関しては「入る」と思って撞ける球が増えました。もちろん今も「これは入らんな」と思う球もあるんですけど、そういう球っていつも同じような飛ばし方をするから、自分なりに「なるべくポケットの方に向かうように」と調整しながら撞いてます。
――自分の癖を見越して撞くような感覚ですか?
川端:そう。「こうキューを出そう。頭は動かさないように」とか自分なりの約束事があって、今回はそこにぐっと集中して撞けてました。おかげでちょっと苦手ないやらしい球、例え土手球がそうなんですけど――は、昨日はほとんど入れられたと思います。でも、逆に言うと「こういう球を入れてないと勝てないんだな」とも思いました。自分の試合映像をさっと確認して思った感想はそれです。今、他の選手達はこういう球をスイスイ入れてるんやろうなと。
――常に自己分析をしているのですね。
川端:前は何も考えてなかったんです(笑)。身体が勝手に反応して撞けていたし、先球も入っていたと思います。ただ、冷静に振り返ると昔も難しい球は外れてたと思います。難しい球に関してはたぶん今の方が小マシになっていると思うし、あとはディフェンス力が前より付いたかなと思います。
――総合力がアップしている。
川端:あかんかった時期も全てがあかんかった訳じゃなくて、ポジションプレーとディフェンスは上達していたと思います。入れれない球や自信がなくなった球もあるけど、ポジションが出てたらなんとか繋げられるし、守るという選択肢もあるのがビリヤードですよね。先球が不安だった時期にポジションとディフェンスが上達したから今があるのかなって思います。あかんかった時期を経たからこそ今の自分があると思うので、あの時期をネガティブに捉えないようになってきました。
――わかりました。2025年の目標は?
川端:(3月7日で)もう55歳になるんでね(笑)。そんなに大きな未来予想図は描けないんですけど、あと数年プレイヤーとしてしっかりやっていきたいです。もうランキングはそんなに気にしてません。今回みたいに1球ずつ、1ラックずつという気持ちでやり続けます。ただ、ビリヤードって強い人と試合をしないとわからないことがいっぱいあるんで、例えば羅立文プロ、大井直幸プロ、土方隼斗プロといった日本のトップ達と対戦した時に、今の自分にどんなことができるのかということは意識しています。彼らと当たるためにはどの大会でもある程度勝ち上がらないといけないので、そこまで行けるかどうかも含めて楽しみたいですね。あとは、今も平口結貴プロのコーチをやらせてもらっているので、彼女が良い成績を出せるように最善を尽くしたいと思います。
――来月開催される『BLUE ROSE CUP 日韓女子対抗戦』では日本チームの監督も務めます。
川端:はい、今はBLUE ROSE CUPのことで頭がいっぱいです。最近はあちこちに出向いて、企業社長など多くの方と会談させていただいています。僕自身はたいしたお話もできないですが、色々な世界・業界のことを学ばせてもらっていますし、BLUE ROSE CUPをきっかけにビリヤードに目を向けてくださる方が増えていることを実感しています。自分も含めてですが、BLUE ROSE CUPに関わる皆さんのビリヤード人生が良い方向に進んで行くことを願っています。
――最後に、優勝を待ちわびていたファン・サポーターへ一言。
川端:優勝した直後からものすごい数のLINEやメッセージをいただいてびっくりしています。この歳になってもこんなに応援してもらえてるんやなと改めて実感しましたし、本当に嬉しかったです。日頃からサポートいただいているスポンサー各社の皆さんにも感謝しています。また皆さんに良い報告ができるように自分らしく頑張ります。
(了)
Satoshi Kawabata
JPBA29期生
1970年3月7日生
大阪府出身・大阪府在住
2006年『アジア大会』8ボール金メダリスト
2000年『ジャパンオープン』優勝
2019年『全日本14-1』優勝
JPBA年間ランキング1位3回
『関西オープン』3勝
『東海グランプリ』2勝
『JPBAチャンピオンシップ』2勝
『GPW』では14勝
他、優勝入賞多数
使用キューはADAM JAPAN
使用タップはBIZEN
使用チョークはハイブリッドチョーク
所属・スポンサー:『ADAM JAPAN』『BANDEL』『Blue Rose』『ハイブリッドチョーク』『BIZEN Tip』『max』『session』『LUNARIS』『SUN森ノ宮本店』『SUN神戸元町店』『あそびば』『忘我』
ーーーーーー
BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
国内外著名ブランドのビリヤード用品販売中。Billiard Square
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ
ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン
2022年9月『池袋西口店』リニューアルオープン。 BAGUS
「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL
徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP
世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds
全てのビリヤードプレーヤーに良い革を。NAOLLY
13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA
極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP
カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト
第6巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ』
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ
サポート宜しくお願いします
金額は空白欄に適当に(15円から)書きこんで下さい(あらかじめ入っている金額はAmazonの設定なので気になさらないでください)。受取人は 「 billiardsdays@gmail.com 」です。よろしくお願いいたします。