ジェフリー・ロダ(フィリピン)の
初優勝で幕を閉じた、
WNT.ランキング対象イベント、
『第3回 台北オープン』
(2024 3rd Universal Chinese Taipei Open)。
※大会結果記事はこちら
出場していた日本人WNT.プロ、
吉岡正登プロより、会場と試合の
様子を教えていただきました。
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吉岡正登・記:
こんにちは、台北から帰国した吉岡正登です。試合のことや現地の様子を振り返ります。
この『第3回 台北オープン』は1ヶ月ほど前に開催が正式にアナウンスされました。ご存知の通り、本大会はWNT.(マッチルーム)系で、しかも賞金が高額になるために、WPAからの制裁対象になる「非公認大会」にあたると噂されていたので、僕も直前までキャンセルも視野に入れていました。
やはり日本でプロ活動をして行くにあたり、WPAとの関わりを断つことはできる限り避けたいという思いもあり、出場を迷いました(10月のWNT.『ハノイオープン』をスルーしたのはそのためでした)。しかし、2024年年初に今年はWNT.に絞って試合出場をして行くと決めていたので、最終的にはその方針に従った格好になります。
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◇ Day0(移動日) 台北はノーストレス
台湾へ行くのは2019年『アジア選手権』以来4度目。日本から3時間前後で着きますし、時差が1時間しかないので今年一番楽な海外遠征になりました。台北の街や建物には日本語表記も多く、食べ物も口に合うので、国内の遠征とほぼ変わりなく、ストレスが全くありません。
僕は今回、つい先日台湾へ旅行に行かれた『Poche』(ポッシュ。吉岡正登プロのレッスンスタジオ。大阪)のお客様から授かった台湾式の交通系ICカードを持っていました。何でもこのカード自体をゲットするのが少し面倒だとのこと。ですが、これがあれば桃園空港から台北駅へ行くのも台北駅から周辺エリアへ行くのも、電車移動は比較的安価で非常に便利です。
2枚目の画像は電車内の注意書き。喫煙禁止はわかりますが、飲食も罰金の対象になるのには驚きました。
関空から桃園空港へ飛び、エアポートライナーで40分ほどかけて台北駅へ。そこから地下鉄で10分ほどの「忠孝敦化」駅に今回宿泊するホテルがありました。
ホテルにチェックインしようとしたら、台湾在住の北山亜紀子プロとバッタリ遭遇。今回の大会にスポンサー企業(MOORI Tip)として関わられている北山プロには、このホテルも紹介していただきました。ちょうどこれから会場に行くということで一緒に向かいました。
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◇ 試合会場は台北ドームそば
試合会場の『松山文化創意園区A4 4号倉庫』は、ホテルから地下鉄で1駅分離れた場所にあり、タクシーで5分ほど。徒歩でも15分ほどなので、試合期間中はほぼ歩いて通っていました。
台北ドームの裏側にある旧タバコ工場の倉庫が今回の特設会場です。僕が訪れたのは試合前日の17時頃でしたが、まだテーブル設営中でした。受付を済ませてユニフォームを受け取りました。
ちなみに会場のあるエリアは、今ではアート系の展示施設などが入っている場所が多く、映えスポットでした。期間中は結婚式などの撮影をしている場面もチラホラ見かけました。
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その後、ホテルへ戻り、練習に向かった先は…………なんとホテルの4階下。古田和男プロが営む『総帥撞球倶楽部』が同じビルにあります。
僕が宿泊したホテルは13F。総帥撞球倶楽部は9F。1FにはZARAとスタバが入っているという繁華街のビルです。
総帥撞球倶楽部は21台の大きなお店で、古田プロのご好意により台北オープン参加者は無料で練習ができました。北山プロはそれを見越してホテルを紹介してくださっていたということですね(ありがとうございます)。
古田プロは日台ハーフで日本在住歴があり、JPBAプロとして活動されていた時期もあります。今回の台北オープンにも参加されていました。
僕が滞在していたエリアは北山プロ曰く、日本の渋谷のような街とのことで、総帥撞球倶楽部は地下鉄の駅出口すぐの商業ビルの中にあるだけあって、期間中は何度か伺いましたがいつも若者で賑わっていました。看板犬も可愛い。
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台湾は本当に日系の企業やお店が多く、台北駅ではマツモトキヨシの向かいにミスタードーナツがありました。トイカプセルのガチャが立ち並ぶ姿なんて日本と同じ風景ですし、おそらく京都発祥のラーメン屋さんには行列が。
大会前日の夜は北山プロとご主人、増渕享士アマと台湾のプロ、そして僕の5人で一人鍋屋さんでディナー。食後に増渕さんがオーダーしたタピオカミルクティーが巨大。初タピオカミルクティーは美味しかったみたいで完飲されていました。お粥の画像は翌朝のホテルの朝食です。
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◇ Day1 初戦を落として敗者側へ
テーブルは『RASSON』(ラッソン)の新しいモデル(Acurra)。ポケットサイズはコーナーでおそらく4インチほど。サイドはダイヤモンドに比べて少し広いですが、それでもかなり景色は悪いです。ボールはダイナ スフィアでラシャはCPBA。
今回WNT.仕様のテーブルを久しぶりに撞きましたが、やはり難しかったです。もちろん新ラシャということもあるのですが、狭いポケットサイズも相まってポジションに対しての許容範囲が狭い印象です。無理に叩く(=強く撞いて手球を動かす)とシュートミスするし、我慢すると次の攻めに対しての選択を躊躇します。
それでもトップ選手達は何事もないかのようにプレーしていましたが、今回印象的だったのはあまり知らない台湾の選手もこのコンディションで普通の顔をしてプレーしていたこと。これは古田プロのお店に行って感じたことでもあるのですが、実際お店のほとんどのテーブルがこのポケット幅で、毎回ワックスをかけたボールを使用しています。
1回戦は台湾の比較的若めの選手(Lien Chih Wei)と。序盤はテーブルコンディションを掴むのに手間取って1-5でリードされました。そこから6-6まで追い付いたんですが、後半でもポジションミスを犯してチャンスを失い、6-9で負け。建物の構造上、仕方のないことですが、空調設備も整っておらず、会場がとても寒く、なかなか思うようにプレー出来ませんでした。敗者1回戦は次の日になったので、カイロを調達しました(日本製でした)。
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◇ Day2 決勝トーナメントに進んだものの……
1枚目:日本勢最高位だった高橋邦彦プロ(手前)
2:各国トッププロのサインが入れられたトーナメント表。高橋プロのサインも
3:今回お世話になった古田和男プロも参戦
4:古田プロのお店、総帥撞球倶楽部の看板犬も観に来てました
大会2日目。敗者1回戦はChen Pin Lin選手(台湾)に8-4で勝利。続く敗者最終戦の相手はLiu Shao Chiangという台湾選手でしたが、1回戦でフィリピンのR・ファロン選手に勝っている人だったので気を引き締めて臨みました。この試合も中盤までリードされていましたが、後半にかけてブレイクも掴んで行き、マスワリも出て逆転で9-7勝利。決勝トーナメント(ベスト64)へ進むことができました。
この日はそのままベスト64まで行います。抽選で引き当てたのは台湾の唐境霆(タンチンティン)選手。若手ですが、毎年のように『全日本選手権』に出ていて、今年はベスト8に残っていました。僕は初対戦でしたが、ブレイクも全て決められて防戦一方の戦いを強いられました。唐選手はシュートミスやポジションミスもほぼなし、僕は良いところなく10-2で完敗。最終日には進めませんでした。
現地在住の福田琢滋アマは、Day2にTVテーブルで試合をされていましたが、台湾の若手に8-0で圧勝していました。
何でも試合で9連マスの経験有り(しかも木ラックで)。古田和男プロと同じく日台のハーフですが、日本語も普通に話されていて、お仕事で日本に来られることもあるそうです。普段は総帥撞球倶楽部でプレーされています。
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試合後。北山プロのご主人はカスタムキューが好きとのことで少しだけ見させていただきました。かなりレアな物もあって同じくカスタム好きの小川徳郎プロが前のめりで話を聞いていました。
今回、台湾に訪れたのが久々ということもあって名物料理はしっかりと堪能しました。火鍋、魯肉飯(ルーローハン)、牛肉麺(ニュウロウメン)、小籠包、豆花、タピオカミルクティー……どれもとても美味しかったのですが、値段的には一昔前に比べると割高になったようにも感じました。
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これで2024年の試合は全て終了しました。今年はWNT.プロとして例年にも増して海外遠征に行く機会が多い年になりました。なかなか良い成績を残すことができませんでしたが、また一つレベルアップできたと思います。
未だにWPAとWNT.との問題がハッキリせず、日本での競技活動は未定の部分が多いですが、現時点では来年もWNT.の試合をメインに戦っていきたいと考えています。結果にこだわり頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
(了)
※吉岡プロのSNSでも現地情報が発信されています。
※吉岡正登 2024年の海外遠征:
8/26 USオープンのちょっと裏側
8/19 ラックスMVPオープンのちょっと裏側
8/12 ヨーロピアンオープンのちょっと裏側
8/5 ヘルシンキオープンのちょっと裏側
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