2024/05/28

〈BD〉「優勝できると嬉しいし、ホッとします」――GPW-2優勝・竹中寛の談話

26日（日）の

『GPW-2 in 愛知ダマデノッチェ』で

優勝した竹中寛プロの

談話をお届けします。

取材は大会翌日に行いました。

…………

――率直な優勝の感想を。

竹中：久しぶりに優勝できたんで嬉しかったです。ガッツポーズも出ましたね（笑）。

――プレーの出来はいかがでしたか？

竹中：全体的に良かったと思います。特にブレイクは安定してましたね。試合前日に川端（聡）プロと練習していたら、川端プロがオープンレストでブレイクされてて。それを見て「1回俺もしてみよか」とやってみたら良い感じやったんで、本番でもオープンでやりました。

――ブレイクイン率が安定して高かったですね。

竹中：当て前が良かったですね。なによりスクラッチせえへんかったんが良かったです（笑）。

――ベスト8ではグランプリ3大会連続優勝を目指す北谷プロと対戦しました。

竹中：あの試合はツキもありましたね。よしくんはクッションの感覚が合ってなかったみたいでスクラッチを2回してくれたんで、それがだいぶ大きかったです。

――準決勝はプロに復帰した佐藤正行プロと対戦。

竹中：準決勝もまあまあいいプレーができてたと思います。佐藤プロは一度退会してから今年戻ってきたんでね。久しぶりの対戦でした。

――決勝戦（vs 和田敏幸）は序盤先行していましたが、中盤から追い上げられて、重苦しい展開になりました。

竹中：そう、中盤からねぇ……、追い上げられたというか追い上げさしたっていうかね（苦笑）。決勝戦のプレッシャーがあったと思います。簡単な球を1回やって（ミスして）から急にプレッシャーが来て、だんだんキューが出なくなって……それでも、ああなってしまうのはダメですね。和田プロも良くはなかったし、ほんまは僕が7-1とか7-2ぐらいで勝っとかなあかん試合です。あれで勝てたのはラッキーやと思います。

――決勝戦のプレッシャーとどう向き合っていたのでしょうか？

竹中：しんどかったけど、決勝戦を撞くチャンスもなかなかないんでね。「ここまで来たんだから、この1試合必死で頑張ろう」と思って撞いてただけでした。

――最後は和田プロの7番ミスから取り切って上がりました。自信はありましたか？

竹中：いやもう自信というか「取らなあかんな」「ちゃんとやろう」というだけです。7番から8番が微妙に薄くなって、でも「この8番を入れたら勝つやろ」と思ったら、今度は9番が微妙に厚くなってね（苦笑）。それでもなんとか9番から10番はイメージ通りに出せたんで、最後は「これやったら入れれるやろ」と思ってました。

――昨年3月の『全日本ローテーション』以来約1年2ヶ月ぶりの優勝です。竹中プロはほぼ年1ペースで優勝しています。常に強く「優勝」を意識していますか？

竹中：もちろんトーナメントに出る以上はいつも「勝つ」と思って戦ってますけど、なかなかそんな上手いこと行きません。だから、今回みたいに決勝戦まで行けたら余計に勝ちたいと思いますし、プレッシャーも感じてます。年に一つでも優勝できたらそれはもう嬉しいですよ。やっぱり自分だけじゃなくて、スポンサーさんや応援してくれてる人達がいてるんでね。優勝できるとホッとします。

――話は変わりますが、3本のキューが全てカーボンシャフトになりましたね。いつからですか？

竹中：今年の『全日本ローテーション』の2週間ぐらい前やから……3月はじめですね。全部『アンリミテッド』（※新しい国産ブランド。村松さくらプロも使用）さんのを使わせてもらってます。

――使い始めて3ヶ月弱。だいぶ使いこなしてますね。

竹中：僕は長いこと（木の）ノーマルシャフトやったんで、カーボンはほぼ真逆ぐらいの性質じゃないですか。だから、はじめのうちはヒネるんが怖くて不安げに撞いてたんですけど、徐々にヒネれるようになりました。「あ、こんな感じなんや」と。僕が合わせたというか、たまたま上手いこと合っただけかなって思いますけど（笑）。

――パフォーマンス向上を実感していますか？

竹中：はい、パワーもあるんで楽に撞ける球がだいぶ増えましたね。例えば、引き球も前より少しは引けるようになったし（笑）、ジャンプもよく飛びます。前やったらプッシュアウトでジャンプの形になんか絶対残せへんかったのに、今はジャンプの形を残してみたり。まあ、人並みのレベルになったということで（笑）。やっぱり道具は大切ですね。キューを新しくしてまたビリヤードが面白くなりました。試合で通用するかどうかはやってみないとわからないと思ってたんですけど、今回結果も出せたので、その意味でも良かったなと思います。

――今大会では竹中プロのお店『SAMURAI』（兵庫県加東市）のお客さんでもある、国内トップジュニアの金澤蒼生選手（16歳）がベスト8まで進みました。

竹中：すごいですよ、あいつは。毎回のようにグランプリウエストでベスト8ぐらいまで来るからね。今回、愛知に来る前に2人で10ボールの7先を3回やったんですけど、僕が3連敗しかかりました。最後フルセットで僕が勝ってかろうじて1勝2敗で終わって。もうそのぐらい入れるんですよ。どんな時でも、プレッシャーのかかる時でも楽しそうに撞いてるのがいいですね。それが彼の強さだと思う。それに、ちょっと教えたらすぐ吸収しよるからね。まだまだ伸びますよ。ライバルの織田賢人くん（※今回同じくベスト8）もそうですけど、世界で活躍してほしいですね。

――最後に、今年これからの目標とは？

竹中：目標ですか……、一戦一戦諦めずに撞くだけですけど、ランキングは一応気にしてます。今年も年間ランキング上位を目指して頑張りたいですね。そして、また海外にも行きたいです。去年行く予定が行けなかったんでね（笑）（※2023年2月～3月『ラスベガスオープン』『10ボール世界選手権』に出場予定だったが、必要な書類が足らず渡航できなかった）。せっかくパスポートを10年で更新してますし、チャンスがあればぜひ行きたいと思ってます。

（了）

Hiroshi Takenaka

JPBA44期生（2010年プロ入り）

1972年1月17日生

大阪府出身

2012年『北陸オープン』優勝

2013年『北海道オープン』優勝

2017年『ハウステンボス九州オープン』優勝

2023年『全日本ローテーション』優勝

『グランプリウエスト』では8勝

『Pool&Darts SAMURAI』（兵庫県加東市）所属

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