〈BD〉「今年の試合の中ではめちゃくちゃ良かったと思います」――『GPW-5 in 愛知 ダマデノッチェ』優勝・北谷好宏の談話

 

10日(日)の

GPW-5 in 愛知・ダマデノッチェ

(グランプリウエスト第5戦)で優勝した

北谷好宏プロの談話をお届けします。

大会の翌日に取材しました。

 

…………

 

――優勝の感想からお願いします。

 

北谷:素直に嬉しいです。「年間2回勝てたらいいな」とは思っていて(※北谷プロは2003年と2019年に年間2勝あり)、この『GPW-5』が今年最後だったし、JPBA統一ランキング(2023年表彰用 ※確定版の発表はこれから)の3位や西のランキングの1位もかかってたんでプレッシャーはありました。その中で集中して撞けたと思います。

 

――今回はベスト32までは8ラック先取で、ベスト16からフォーマットが「3ラック先取×2セット先取〈※セットカウント1-1の場合は1ラック先取〉」に切り替わりました。

 

北谷:3先×2先は「やってみないとわからないな」と思ってたけど、やってみて「意外と自分に向いてるな」と感じました。普通の7先とか8先だと中だるみすることもあるけど、このフォーマットだとずっとフルセットをやってるような感覚で撞けるんで、サボれないし中だるみしようがない。それが僕の性格には合ってるなと。海外のプレデター系の大会(『US Pro Billiards Series』。4ラック先取×2セット先取)に出た時にもそう感じました。

 

――ずっとドキドキしますよね。

 

北谷:しますね。セットカウント1-1になると最後は1先になる。それはバンキングで勝った方がかなり有利なんで、「2-0で終わりたい」というのが本音です。実際今回は4試合全て2-0で勝てて良かったです。

 

――全て2-0で勝てた理由は?

 

北谷:ブレイクも入れも出しも全て上手いこといって、マスワリがたくさん出てましたね。ベスト16はたぶん5連発。ベスト8は3発ぐらいで、準決勝はたしか2連チャン×2回、決勝戦は2発ありました。『全日本選手権』(11月)はブレイクがダメだったから、その後もずっとブレイクの練習をしてたんですけど、そうしたらなんとなく「こんな感じだったわ」みたいな。台の高さもたまたま合ったんでしょうね。

 

――映像からもブレイクが仕上がってる感がかなり伝わってきました。

 

北谷:そうですね。それに1日を通して球がほとんどトんで(外れて)なかったので、「もし相手に先にリーチをかけられても連マスで行ける」と思えるぐらい気持ちに余裕もありました。集中できてるんだけど、すごくリラックスもしていて、周りからも「今までと顔色が違って余裕があるように見えたよ」って言われました。

 

――それは今年最高レベルに良かったのでは?

 

北谷:そうですね。今年の試合の中ではめちゃくちゃ良かったと思います。心掛けていることを毎回ちゃんとつぶやきながら撞いてました。

 

――決勝戦(vs 黒田祐介)の最後、相手の5番ジャンプがオープンになったところから取り切って上がりました。あの時の心境は?

 

北谷:あのラックは最後の取り切りもそうですし、その前の3番→5番へ出しミスした後の5番の撞き方(5番はシュートミスしたが手球は隠れた。黒田プロはジャンプで当てるだけとなった)など、長考したところもありましたけど、冷静に後の形まで考えられてましたね。

 

――最後の9番から10番は切り返しで出しましたね。

 

北谷:ああ、あれは前回の『GPW-4』のベスト8(vs 原口俊行〈優勝者〉)での失敗があったので切り返しにしました。

 

――と言いますと?

 

北谷:GPW-4のベスト8で、リードしている原口プロを僕が追い掛けている時に同じような9番を迎えました。その時は引っ張りに行ったんですけど、サイドポケットを越えて出すつもりが全然引っ張れず、サイドの手前に落ちちゃって。遠くなった10番をトバして流れが悪くなり、結局3-7で負けたんです。今回の9番→10番はその時のシチュエーションにすごく似てて、「また同じことしそうやな」と。たぶん引っ張りに行ってもスクラッチしなかったと思うんですけど、それが頭によぎったまま撞くぐらいなら切り返そうと思ってそうしました。9番はちょっと薄めから入ってましたけどね(笑)。

 

――これで年間2勝。達成感は大きいのでは?

 

北谷:そうですね。「年間2勝」もそうですし、今回はランキングも気にしながら撞いてたので、いろんなものと戦ってた気がします。

 

――考えることが多かった?

 

北谷:はい、大会前に「優勝できたら統一ランキング3位(※北谷プロのこれまでの最高位は2004年の3位。昨年は4位)と西の1位になれる」とわかってましたし、近い順位のプロ達のことも気になってたので結構朝からガチガチで(苦笑)。「何と戦ってんだよ」とも思ったけど、「勝てば文句なしだから」と途中から切り替えて撞けました。それでも最後まで少し気になってましたね。いろんなことを意識しながらプレーした結果優勝できたことは良い経験になりました。そもそも『全日本選手権』でもっと上に行けていたら良かったのに全然ダメだったから(※ダブルイリミネーション敗者最終で終了)。

 

――2023シーズンの自己評価は?

 

北谷:後半は良かったと思います。去年、今年と海外遠征に行った経験も活きてきて、そこそこ撞けるようになりましたし、自分でも「いつ優勝してもおかしくないな」っていうぐらいまで状態を上げてこられたと思います。でも、オープン戦は決勝日の朝イチ(ベスト16)で負けることも多くて、「なんでこんなに勝てんかな」って思ったりもしました。土方(隼斗)プロに2回(『東海グランプリ』&『ジャパンオープン』)、羅(立文)プロに1回(『北陸オープン』)、ベスト16で負けてます。上に行くなら彼らに勝たんとダメなのはわかってますけど、「そんなに俺の横を(抽選で)引かんでも良くない?」とも思いました(笑)。『GPW-4』もさっき言った通り原口プロにベスト8でバーっと先に走られて負けてしまって、「勝つのって難しいな」って思ってたところでのこのGPW最終戦でした。最後の最後で勝てて良かったです。

 

――来年はどんな年にしていきたいですか。

 

北谷:また海外に行きたいですね。コロナ禍以降、3回遠征に行ったけど(プエルトリコ、ラスベガス、台湾)、まだ1回も自分の球は撞けてません。1回でも海外で自分の球が撞けたら自信になると思うので、それが目標の一つです。あとは、国内でまだ一度も「年間3勝」をしたことがないのでそれも目標です。

 

――最後に応援してくださっている方々にメッセージを。

 

北谷:スポンサーの皆様、ファンの皆様、お店(小倉『淡路』)の皆様、そして家族。皆さんに支えられてビリヤードの試合に出られていること、そして、皆さんの応援のおかげで今回も優勝できたことに感謝しています。ありがとうございます。優勝すると皆に喜んでいただけますし、スポンサー様から「良かった」と言っていただけるのが僕もとても嬉しくて、「また頑張ろう」という気持ちになります。2024年も応援よろしくお願いします。

 

(了)

 

Yoshihiro Kitatani

1975年12月19日生

JPBA34期生・福岡県在住

2003年&2019年『東海グランプリ』優勝

2013年『北陸オープン』優勝、

グランプリウエスト(GPW)では優勝9回

(『西日本男子プロツアー』時代含む)

他、入賞多数

『淡路』(福岡)所属

使用キュー:『AWJ』(タップはNAOLLY M)

スポンサー:セッション、NAOLLY

 

………… 

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

国内外著名ブランドのビリヤード用品販売中。Billiard Square

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

2022年9月『池袋西口店』リニューアルオープン。 BAGUS

川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA 

カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト

極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP

徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP

「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL

世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds

第5巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 

<<<前の記事   次の記事>>>